アメリカやドイツのオーディオショーの記事や動画を見ると最近は東欧の国々からの製品が多い。
ベルトドライブなら小さなモーターでテーブルを安定してまわすだけだから個人レベルでも参入しやすいのだろう。
トーンアームも同様、ユニピボットにすればやじろべーみたいなもので、揺れを抑えてうまく安定させる仕組みが出来れば工房レベルでも生産可能。
新参者ばかりではない。 昔からのメーカーも元気が良い。
英国のNottingham Analogue Studioも40年近い歴史を持つ。
創業者Tom FletcherはN.A.S(Nottingham Analogue Studio)を引退して(別の会社を始めたみたいだが)その後2010年10月に病死。
だがN.A.Sはしっかり経営を続けている。 むやみに新製品を投入することなくすでにある製品をしっかりと守って売っているようだ。
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Spacedeckを購入したのは2001年7月。 当時の仕様ではテーブルの厚みは1インチ(25mmほど)。
見た目も好みだが、小トルクの小さなモーターで重いターンテーブルを安定して回転させるというその考え方に共感した。
トーンアームは購入せず手持ちのSME Series IVを装着。
それまではテクニクスSL-12000 MK3にSeries IVを付けていたが、ターンテーブルを変えて音の変わりように本当に驚いた。 音楽が鳴っている。
今はSME Series Vを使用している。
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2018年に分厚いグラファイトマットのアップグレードキットを導入した。
このHeavy Duty Upgrade Kitはやたらと高額だ。 それに売っているところがあまり無い。
N.A.Sのアメリカ代理店らしきところに連絡したが何の返事もなかった。
しかし英国のいくつかのオンラインショップで販売されている。 海外からの購入だとVAT(付加価値税)なしなので価格もかなり手ごろになる。 ということである英国サイトで購入し輸入した。
すると在庫がないのでN.A.Sに注文したという。 そしてN.A.Sにも在庫がないのでグラファイトを削って作るから少し時間が掛かるという。
結局注文から受け取りまでちょうど1ヶ月ほどだった。 届いた箱は大きかった。 入っていた説明書の絵は相変わらず手書き。
Spacedeckの説明書も手書きの複写で驚いたがそれは17年も前のこと。 いまだに手書きとはちょっとびっくり。
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私のSpacedeckは初期のモデルでプラッターの厚みが1インチ、25mmほど。 (現行機種は37mmくらいの厚みになっている)
HDキットのグラファイトマットの厚みもちょうど1インチほど。
これだけ分厚いのにターンテーブルとかプラッターと呼ばずにマットと呼んでいる。 あくまでも本来のターンテーブルに乗せるマットのアップグレード版でこの上に直接レコードを乗せろということなのだろう。
使用しているSME用のアームベースは現在の機種とは取り付け方法が違うのでHDキットに付属してきたアームを高くするスペーサーは使えない。
これは最初から予想していたことだったのでeBayでテフロンのブロックを購入して自分で加工した。
テフロンは想像したよりも加工しやすい。 それにこんなに重いとは思わなかった。
SpacedeckのSME用アームベース
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HD Kitの高さにあわせてテフロンブロックでかさ上げした。
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グラファイトマットの効果はじわじわとくる。 最初はなんかすっきりとした感じ。 だが立体感、空気感の再現、広大な空間など明らかな向上が確認できる。
解像度も増したような感じ、そして聴くにつれて低音の充実もはっきり認識できる。
簡単に言うと変な言い方になるけどよりHigh-Endな音。
オリジナルのターンテーブルでも十分に良い音で非常にまとまっているがHD(Heavy Duty)にすると一段階高みに上った感じになる(これも変な言い回しだな)。
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