最近、焦げ付きが問題となっているので、動作原理や効果への関心は随分と下がってしまったかもしれません。
先日(8月9日)の私の日記でYongJoonさんに、
>はい、推測の議論をここでいくらしても得るものもなく皆も気分を害されると思うので、iFi UK(メーカー)に質問を出しました。英国営業時間内の受領であれば24-48時間以内に回答するとのことです。以前、別件で質問した際は、1日以内に回答が来ました。(AC iPurifierは所有していないので購入検討という立場です)
とレスして以来、何度かメーカー・サポートとやり取りしました。許可も頂いたので内容を公開します。
iFiのサポートは今回も反応が良く、私の質問には遅くとも翌営業日には回答が来ました。
ただ、最初の回答は(簡易)測定器の製品名と測定値の写真を載せて質問したにもかかわらず、HPのFAQに書いてある内容。
これでは当然満足できず、「使用した測定器は簡易なものだが、HiFi専門誌でもレビューされており、オーディオファイルに広く使用されている。実際、他のノイズ削減効果を謳う機器では数値が下がる。アクティブ型で数値が上昇する機器があるが、メーカーはその理由を納得がいくように説明した。少なくとも測定器が捉えた数値は何か?なぜ、測定器の数値が上がるのか?という2点は知りたい」と再度質問しました。
次に来た回答がTechNoteに書いてある内容。これは、うつみくんさんの動作原理解説の内容と重なります。
http://community.phileweb.com/mypage/entry/4601/20190530/62629/
https://ifi-audio.com/wp-content/uploads/2018/07/AC-iPurifier-Tech-Note-FINAL.pdf
測定結果を見ていないとこの解説でも納得したのかもしれませんが、やはりこれでは満足できません。
食い下がって再度質問をしたところ、サポート・デスクではこれ以上の回答が出来ないので、シニア・エンジニアに聞いて回答すると返事が来ました。
3日後にシニア・テクニカル・デパートメントからの回答が来ました。
テクニカル過ぎて素人の私は正確に翻訳する自信が無いので興味のある方は以下の原文を読んで下さい。
http://support.ifi-audio.com/kb/faq.php?id=803
私宛の回答は、FAQに掲載されました。(更新日付は 1 day ago)
大胆にも私なりの理解を要約します。
前半部分は、うつみくんさんの解説の通りです。
数値が上がったのはACiPurifierの動作による低次高調波歪を捉えたから。
ある意味、ここで歪かノイズが増えることは確信犯的に気にしないということでしょう。
ともかく、ACiPurifierは10KHzから数メガHzのRF帯のノイズを低減するように動作する。この動作確認は件の測定器では出来ない。
正確に測るためには、「A correct test setup would consist of a LISN (e.g. Schwarzbeck NSLK 8127), a CDN (e.g. Teseq CDN M216) and a spectrum Analyser with tracking RF generator (e.g. Tektronix RSA5103B) to measure the RF Spectrum return loss with and without AC iP between 10kHz & 30MHz (or higher).」というセットアップが必要だ。我々はこのような環境で測定し効果を確認している。
確かに、測定値とは「実態」の或る一面を或る切り口で計量したものですから、どの面をどの切り口で測るかというのは数多あります。
iFiのアプローチがノイズの専門家の目線で納得のいくものかは私には分かりません。
ただ、iFiはノイズ対策に対する確たる思想があり(当然ながら)科学的な根拠に基づいて製品展開しているということは分かりました。
完全にスッキリしたわけではありませんが、このモヤモヤ感もオーディオの面白さかな?と思っています。
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