先日拙宅のマルチchシステムのサラウンドSPの配置換えを先日行いました。その際。サラウンドSPをITU配置からさらに前方に配置したので、その聞こえ方の変化をレポートしようと思います。幸いITUの位置に、リアSPを持ってきたので、今回はその二つをROONのSWAPスイッチ(device setupにある)で切り替えて、5.1chサラウンド音場へのサラウンドSPの位置の影響を聞いてみた次第です。多分これが最後の日記になると思います。皆さん長い間ありがとうございました。
[:image4:]配置換え後のSP配置
上の図の赤で示した位置にサラウンドSPを持ってきました。試聴位置の真横よりも少し前で、センターSPから角度で約80°の位置です。元々置いてあったITUに近い位置には、サラウンドバックSPを持ってきています。ただし、サラウンドSP(赤)はPOLKオーディオのブックシェルフ型であるので対して、サラウンドバックSPは同じメーカーながらバイポーラー型なので、その影響はかなりあると思います。なので、音質ではなく、音像配置の違いを聞くことにしました。以後、サラウンドSPが前方位置という場合は80°の位置(赤)、後方位置という場合は約110°の位置のSPをサラウンドSPとして使った試聴ということです。
(バイポーラー:二つのサイドに同じSPが付いており、二つのサイドから同相で音が出るタイプ)
[:image3:]拙宅のマルチ再生用システムの概略
試聴したのは、
1)有名なピンクフロイドの「狂気」最も最近のSACDの中から「On the Run」
2)チックコリアのライブ版で、SACD「Rendezvous in New York」の中から数曲
[:image2:]
(1)まずは「狂気」からです。
【On the Run】
電子音が周囲を渦巻き、笑い声が後ろ側右から左へと移動したり、またランナーの走る足音が後方を右左に往復したりします、この様子は、意外や意外、サラウンドSPがどちらの位置でも、大きくは変わらず聞こえました。大きく変わるのではと危惧していたので、予想外で、安心しました(ホッ、笑)。ランナーが後ろを走るときの後方への距離感も大差なしでした。
少し違って聞こえたのは、冒頭の電子音で、大きな∞の字を描くように上下左右に回転するところです、これは前方のポジションだと、顔の少し前の辺りに聞こえて、左右に大きくはっきりと移動していました。一方、後方のポジションの時は、頭のすぐ後ろに聞こえます。不思議と、前方配置に比較して動きは少し小さく、∞の動きが分かり難いように思いました。音は前から来る方が、動きを敏感に感じるのかも・・・と思いました。
全体的にはサラウンドSPの二つの位置で音像配置はそれほど大きくは変わらないと言って良いかと思います。
[:image1:]
(2)チックコリア、Rendezvous in New York(ライブ録音)
【Armando’s Rhumba】
チックコリアのピアノとボビーマクフェリンのボーカルのデュエットです。センターに定位するボビーの声にエコーが強く入っており、声が天井方向、もしくは後方までに移動して聞こえ易いソフトです。
サラウンドSPが前方位置にあると、ボビーの声が前方センター位置にはっきり定位し、エコーが天井に向けて拡散する感じです。チックコリアのピアノも前方のステージ上にあって、声が少し上目に定位しますが、違和感のない音像配置でした。一方サラウンドSPが後方だと、声の反射(エコー)が後ろから聞こえて、定位が後方に強く引っ張られます。ぼやけて、ボビーがどこにいるのか分からない程と言っても過言ではありません。実は、配置を見直したのはこのソフトを気持ちよく聞くためなんです(笑)。
これは私的には、前方配置が◎、後方配置は❌です。
【Matrix】
チックコリアのピアノトリオ。
サラウンドSPが前位置だと、トリオは前方のステージで演奏しているように聞こえます。ただし、これもかなりエコーが強い。SPが後方位置だと、ドラムとベースは前方のステージで演奏しているのに、チックコリアのピアノは頭の後側に移動して聞こえる難物ソフトです。アンビエンス音をサラウンドSPから多量に出しているので、サラウンドSPを後ろ側にすると拙宅では大抵こうなって聞こえます(今回のセッティングでも同じ、泣)。どちらがディレクターズインテンションなのか、悩む一曲です。これも、私的には断然前方配置の勝ちですね(^o^/)
【Crystal Silence】
チックコリアとゲーリーバートンのビブラフォンのデュオ。チックのピアノは常に前方のステージにありますが、バートンのビブラフォンはサラウンドSPの位置によって大きく移動します。前方配置だとビブラフォンは一応前方ステージ側に定位します。しかし、後方にすると、ビブラフォンは頭の後ろ側に移動してしまいます。良く言えば、幻想的な感じが醸し出されるので、ビブラフォンには良いという人もいるかもしれませんが、どうかなあ??。
【Concierto de Aranjuez/Spain】
チックコリアとゴンザロのピアノデュオ、右にチックコリア、左にゴンザロのピアノが配置されています。高音の鍵盤がどちらも外側にあり、左右対称に近い配置です。前方配置の場合、二人のピアノは夫々拙宅の部屋の左右の壁からセンターに広がって聞こえます。普通に、気持ちの良い配置ですね(笑)。細かく聞くと、左側のゴンザロのピアノの最高音のキーが、ほんの僅かサラウンドSP方向に引っ張られて聞こえます。これは、左右の壁の材質の違いのためかもしれません。2ch再生でも音場の広がりは左右で少し差があるので。一方、後方配置を使うと、両ピアノとも試聴位置の真横から正面センターまで広がって聞こえます。二人のピアノで両側から挟まれる感じですね。これはこれで悪くはありませんが、難点は、ピアノが直線に広がらず、L字型に聞こえることです。試聴位置の横からL/R SPの後ろを経由して、センターに広がるので、ピアノはL字に屈曲して聞こえます。これに違和感を感じるかどうかが。評価の分かれ目です。私は、前方配置が○、後方配置は△です。
以上、二つのSACDから数曲試聴しましたが、意外と、ぐるっと周囲を囲うように音像が配置された曲は、サラウンドSPの配置の影響を受けなかったです。一方、試聴位置真横辺りまで音像が取り囲む曲や、エコーが強くて、背後に音像が回り込むタイプは、SP配置の影響を強く受けました。
チックコリア、Rendezvous in New Yorkをお持ちの方、お宅ではどのように聞こえていますか?レス頂けるとありがたく!
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