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低域シミュレーション4

日記・雑記
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イコライザを使うと時間軸がどうなるのか見ていきます

イコライザと時間軸

イコライザに肯定的な人も、否定的な人も、イコライザで時間軸がどう変わるか知らない人が多いと思います。
今回はイコライザで時間軸の波形がどう変わるか見ていきます。
念の為言っておきますが、研ぎ澄まされたハイエンドシステムはケーブル一本でバランスを崩すこともあります。
イコライザというより余計な機材・処理を挟むこと自体が容認できないシステムのオーナーもいると思います。
それらを否定する意図は全くありませんのでよろしくお願いします。

シミュレーションの設定

8畳間でスピーカーの位置は壁から50cm、高さ50cm
測定ポイントは部屋の中央、高さ1.1m 16点測定の場合には 1m x 1m の範囲

fig.1 fig.1 スピーカー4本 16点測定の場合

イコライザの位相特性

イコライザの位相特性は「最小位相」とします。「せっかくFIRフィルタを使うのだから直線位相にしてやろう」なんて考えちゃイケマセン。

スピーカー1本、1点測定

元の特性

周波数特性 fig.2 fig.2 イコライザ無しの時間軸(50Hz、70Hz、100Hz) fig.3 fig.3 fig.4 fig.4 fig.5 fig.5

大雑把な補正

周波数特性を補正するイコライザを作ります。 大雑把な補正フィルタの周波数特性 fig.6 fig.6 補正された周波数特性 fig.7 fig.7 イコライザで補正したときの時間軸(50Hz、70Hz、100Hz) fig.8 fig.8 fig.9 fig.9 fig.10 fig.10

時間軸の波形が改善されています。

精密な補正

精密に補正するフィルタを作ります fig.11 fig.11 精密に補正された周波数特性 fig.12 fig.12 精密に補正したときの時間軸(50Hz、70Hz、100Hz) fig.13 fig.13 fig.14 fig.14 fig.15 fig.15

時間軸の波形が大きく改善されます。

スピーカー1本、16点測定

イコライザは16点の平均に対して設計します。

元の特性

fig.16 fig.16 イコライザ無しの時間軸(50Hz、70Hz、100Hz) fig.17 fig.17 fig.18 fig.18 fig.19 fig.19

バラツキが大きいです。

大雑把な補正

大雑把に補正した周波数特性 fig.20 fig.20 大雑把に補正したときの時間軸(50Hz、70Hz、100Hz) fig.21 fig.21 fig.22 fig.22 fig.23 fig.23

時間軸も改善されます。バラツキはやはり大きいです。

精密な補正

精密に補正した周波数特性 fig.24 fig.24 精密に補正したときの時間軸(50Hz、70Hz、100Hz) fig.25 fig.25 fig.26 fig.26 fig.27 fig.27

16点の平均に対して補正しているので平均はフラットになってます。 しかしどの16点及び中心点もフラットになってません。
バラツキが大きいため時間軸の改善も限定的です。

スピーカー4本、16点測定

イコライザは4本の合成特性・16点の平均に対して設計します。

元の特性

fig.28 fig.28 イコライザ無しの時間軸(50Hz、70Hz、100Hz) fig.29 fig.29 fig.30 fig.30 fig.31 fig.31

大雑把な補正

大雑把に補正した周波数特性 fig.32 fig.32 大雑把に補正したときの時間軸(50Hz、70Hz、100Hz) fig.33 fig.33 fig.34 fig.34 fig.35 fig.35

時間軸もだいぶ改善されています。

精密な補正

精密に補正した周波数特性 fig.36 fig.36 精密に補正したときの時間軸(50Hz、70Hz、100Hz) fig.37 fig.37 fig.38 fig.38 fig.39 fig.39

時間軸が更に改善されています。

結論

  • 最小位相特性のイコライザで補正すると時間軸の波形が改善される
  • ウーファー1個の場合にバラツキが大きく精密に補正しても効果は限定的
  • ウーファー4個だと精密に補正したほうが時間軸が正確になる

注意

  • 実際に試したわけではありません。シミュレーションではこうなるというだけです。
  • 「試したけど改善しないじゃないか!」といわれても責任取れません。

次回予定

複数スピーカー個別にフラットになるようにイコライザを設計したらどうなるか?

 

コメント ※編集/削除は管理者のみ

  1. assiさん

    続編拝読しました!(というか、見ただけで、読んだ=理解したとは言い難いのですが・・・汗)

    こういう「机上の空論」というかシュミレーションというのは、いろいろな変数を所与として与えるのだと思いますが、これを私が伺っても絶対理解不能であることに対する変な自信があるので(笑)、相変わらず結論の部分だけいただいておきますね。

    この結論を<複数SWがベターな音質?=「時間軸が正確」>と無理やり手前勝手に解釈させていただきますと、これは、拙宅における自分の駄耳による経験と一致するわけです。

    拙宅では、当初(まだAuro-3Dのかけらもなかったころ)は、ヤマハのバスレフ型SWが1台だけありました。その頃は映画>音楽(私ではなく、母親のため)で運用していましたが、たまには音楽も聴くことはありましたが、その低音はひどいものでした(AVアンプもヤマハのAZ-1というやつで、デジタルルーム補正などは無かったと思います)。

    その後、8805にしたときに、SWが2台つなげるということだったので、ヤマハのSWはそのままに、Fostexの250を1台加えました。当時のデジタル補整ソフトは、Audysseyという奴です。この時は音楽再生時はヤマハをオフにすることで、多少はましな低音再生ができてきましたが、Luxmanのプリメインで鳴らしていた書斎の1000Mにすら及びもつかない甘い低音でした(だからクラシックしか聴きませんでした)。

    さらにその後(このころ、Philewebでassiさんにも勉強させていただくようになりました)、AVプリをStormに替え、このプリがマルチSWに対応していたので、250をさらに2台追加して3台体制(ヤマハを入れれば4台だが、映画専用)にし、これらをDirac LiveのBass Controlというソフトで制御するようになってから、JazzでもRockでもOKなSolidな低音が出せるようになりました。

    そして、大音量のオルガン再生では250だと時々「底付き」をするので、ELACの3070(前後ダブルウーファー構成)を2台追加導入し、250はボリュームを絞って2台残して、4台体制(ウーファーユニットは、6基)にして現在に至っております。これらを部屋の4辺のほぼ中央部分(ただし、アシンメトリーです)にてんでバラバラな方向を向けて設置しているのですが、非常に主観的に言って(爆)、低音再生だけはTIASで聴かせていただく最新ハイエンドにも勝るとも劣らないような気になっています。

    前置きが長くなりましたが、ここで一つ質問させてください。ここに書いてある、「精密な補正」というのは、一体何をしたことを前提とした議論なのでしょうか?私はDirac LiveのBass Controlというソフトを非常に気に入っており、こと低域再生に於いてはこれのOn/Offはまるで魔法のような変化があるのですが、音響工学に弱いワタシですが、どうもこのソフトは、SWも含めた「インパルス応答」(先の記事にありましたね)と、「全ユニット(スピーカー単位ではない)の位相」を調整するらしいのです。自分で使っているくせにその意味が正確には分かっておらず(汗)、もしかして、assiさんがここでシュミレートに使われた変数である「精密な補正」とはこのことかしら?と素人なりに考えた次第です。

    すこし(できればわかりやすく=笑)、「精密な補正」の中身を明らかにしていただければうれしいです。

  2. Auro3D さん、こんばんは。
    大雑把な補正=細かい凹凸は無視して大きな凹凸だけ補正する
    精密な補正=細かい凹凸まで補正する
    です。

    細かいことを言えば
    大雑把な補正=スムージングして滑らかにした特性を補正する。デジタルフィルタのTap数は少ない(今回は1/2octでスムージング、96kHzサンプリングで8192tap)
    精密な補正=スムージングをあまりかけない。デジタルフィルタのTap数は大きくなる(今回は1/64octでスムージング、96kHzサンプリングで32768tap)

    中高音をイコライズするデジタルフィルタを設計するのに細かい凹凸まで補正するのは悪影響があるのである程度スムージングする場合があります。
    低域にかんしてはどの程度にするのが良いのかよくわかりません。その辺が各社のノウハウなのでしょう。

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