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SONY SA-Z1試聴記

日記・雑記
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2020年5月28日のphilewebニュース、および2020年7月7日のphilewebレビューで紹介されていたSONY SA-Z1を聞く機会に恵まれたので記事にします。

(写真は上記レビュー記事より)

・なんで聞いたの? 買うの?

国内メーカー設計による「アルミ筐体スピーカー」であること。「異様なほどフォーカスが合っている」「究極の解像度」など、このスピーカーが定位と解像度の最高峰のような売り文句だったので本当にそうなのか確認したかった(要は釣られた)。売り文句通りだったら買っていたかも知れない。

・音はどうだったの?

メーカー指定のセッティング&リスポジ(卓上、壁から10cmくらい、平行置き、インシュレーターやスタンドなし、幅80cmくらい、だいたい正三角形、SA-Z1見下ろす位置)で良好なサウンドステージが得られたが、卓上ポン置きというハンデを差し引いても解像度も定位もハイエンドスピーカーでいうところの究極や最高峰ではなかった。

70万くらいの出費は痛くない、しかしそれ以上ビタ一文出したくない。スピーカーとの距離が取れない。単体のアンプやスピーカーを置く床スペースがまったくない、あるいはスペースがあってもあえてスピーカーを机の上に置きたい。こういった条件下ならナシ寄りのアリだと思われる。

良い点… DACとアンプがオールインワン。システム総額が抑えられる。部屋の音響に特別な気を使わなくて良い。雑なセッティングでも鳴る。この手の商品としては高い話題性。今ならリセールバリューが高い。ヘッドホンやイヤホンを装着しなくても良い。

悪い点… この記事を書いてる時点で実売68万円、ヘッドホンやイヤホン環境に比べるとコスパ悪い。電源ケーブル以外は発展性があまりない。解像度は高いが究極ではない。同軸型スピーカーなのに軸上の音が聞けないモヤモヤ。ベスポジで聞く時は壁に向き合っていないといけないモヤモヤ。

・その他考察

《値段》
定価78万実売68万。これはシステム総額でいうと予算100万くらいがターゲットの顧客層だと思う。家電量販店ならその予算でもスピーカーは最も売れているペア20万円台のエリアに誘導されてしまう可能性が高い。(そして50万くらいのアンプを売る)オーディオに投資を続けるならその価格帯のスピーカーは早々と手放す事になるだろうし手放す時はほとんど値段がつかない。それに比べればSA-Z1はマシな選択なのかもしれない。

しかし予算を定価160万まで広げればDutch&Dutch 8Cが射程圏。あれなら同じくアンプ込だし強力な部屋音補正がついている。そこまでスピーカーオーディオに本気じゃないならコスパに優れたDTM向けのパワードスピーカー、あるいはタイムドメイン系の卓上のやつを軸上セッティングで使うのも選択肢に入れて良いだろう。デビアレファントムなんて手もある

買って直ぐ売るスタイルなら今年いっぱいはSA-Z1は良好なヤフオク/メルカリ価格を維持するだろう。SA-Z1をスピーカー単体として評価すると定価の半値くらいと言う人が多いようだ。

《構造とリスポジ》
SA-Z1は5wayをカメラのレンズのように高精度に組み上げた同軸構造を売りにしている。それにより究極の解像度が得られるとしているが、それと矛盾することにメーカーの指定する聴取位置は軸外である。

試しに軸上で聞いてみるとやはりそちらの方が位相が良好に感じたが、高域が盛られている印象。軸上をフラットから外し軸外で聞いて適正なバランスになるようチューニングされているものと想像する。

解像度や定位の究極再生を本気で目指すなら軸上をフラットにし、SA-Z1が耳の高さにくるセッティングを推奨にして専用スタンドも開発すべきで、そうなっていないのは非常に残念。本気が感じられない。

彼らが考える究極とかはオーディオ経験の浅い人を釣る為の単なる売り文句に過ぎないか、解像度や定位の整ったハイエンドの音は知らないかなかったことにしたいのだろう。

あるいはSS-AR1比で語っているのかも知れない。個人的にはSS-AR1でもSA-Z1以上の定位や解像度は十分狙えると思うが。

《ハイレゾ》
SA-Z1でハイレゾ音源を聞かせてくれるという触れ込みだったがどういう訳か古いローファイなやや高域の落ち着いた音源ばかり聞かされた。20kHz以上どこ?
マスターに20kHz以上の高域成分のない音源をハイレゾ化しても(これ以上はいけない)

《真ん中に画面》
スピーカーとスピーカーの間にPC画面やテレビを置くと一般の据え置きオーディオと同じく悪影響を受ける。

《アンプやDACの寝起き》
寝起きは悪いと思う。1時間ほど聞いたが後半にかけてどんどん調子が良くなっていった。出来れば2時間暖気したい。普段電源オフにしていて使う時だけオンの人は実力を発揮できない時間が多いだろう。

一般の据え置きオーディオでもそうだが常時通電による底上げは案外バカに出来ない。

《低音と音道》
カタログスペック51Hz(-10dB)なので期待してはいけない。デモでは20Hz台や30Hz台の入った音源は当然かからなかったので実力のほどは定かではない。

側面に後方のウーファーと繋がった「音道」なる穴があるがスピーカー側面で聞いてもそこから低音が漏れ出ている感じは一切しない。恐らく音道側のウーファーのタイミング制御が上手くいっているのだろう。

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