ここ最近ハードウェアに変わりはないのだけれど、調整を少し変えてみました。
発端は、前々から周波数特性を測定した時の定在波と思われる低域の凸凹が気になっていたこと。
聴感上は特に低域が膨らみすぎるとか、さみしいとかの違和感があるわけではなかったのだけれど、特性上の凸凹は精神安定上あまりよろしくない。
サイン波のスィープを行うと右chでは60Hz付近に大きな落ち込みがあるが、確かに聴感上でもその付近のレベルが低いことがわかる。
ただし、リスニングポイントを変えてもその傾向は残るので、どうもスピーカーの位置が定在波の節に近いために起きる現象だと思われる。
それで、スピーカーの位置を変えてみるのだけれど、2、30㎝位移動させるくらいでは、ほとんど変化なし。
映像系のスクリーンの配置などの制限から、スピーカーの位置はドラスティックにか変えられない。
というわけで苦肉の策としてグラフィックイコライザ、アキュフェーズG-18での調整を試みる。
今までも、G-18は使ってきたのだけれど、定在波によって生じるピークを少し抑えるくらいの控えめな使い方だった。
大きなディップを補正しようとするとその補正量が半端ではないので副作用の方が大きそうに思えて今まではディップの補正はしていなかった。
今回は先入観を廃し、まずできる限りフラットに近づける補正を試みた。
周波数特性を測定しながらの補正。音は聴かずに測定だけに基づく補正を行った。補正範囲は300Hz以下の領域。
やってみるもので、かなり凸凹をならすことができた。
右ch補正前
[:image1:]
右ch補正後
[:image2:]
ただ、調整後のG-18の各周波数におけるスライドボリュームの上下ののたうち方には改めて唖然。
聴感のみで補正したら絶対にこんなすごいことにはならない。
これじゃあ補正による位相変化などの副作用で実際の音はとんでもないことになるのではないかと思ったのだが…
試聴した結果は、予想に反して違和感がない。心配したボーカルの定位は全く問題なし。
妙に低域がすっきりした感じ。すごくスリムな低音。低域の沈み込みは十分で、今まで通りかなり下の方まで伸びている感じ。
G-18はウーファ帯域のみに使っているので、サブウーファは今までどおりスルー、従って30Hz以下くらいの最低域に変化がないのは当たり前と言えば当たり前。
CDをとっかえひっかえ聴き比べていたら、パーヴォ・ヤルヴィ、シンシナティ響のプロコフィエフ交響曲第5番のSACDに入っている組曲キージェ中尉に使われているバスドラム(グランカッサ)の定位感が向上しているのに気が付いた。
[:image3:]
バスドラムの定位のにじみが少なくなって左奥にピシッと落ち着く。G-18は補正有りと無しがボタンひとつで切り替えられるので何度も確認したがやはり同じ印象。
このまましばらく聴いてみて副作用が本当にないかどうか確認していこうと思う。
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