このところ車に乗って出かける前には、
かならずフロントガラスの掃除をします。
黄砂なのだと思いますが、毎年のこととはいえ
気づかないうちに、こんなにもたくさん降り積もっているのかと
掃除をしながら、すこし驚きにも似た感情がポコッと浮き上がってきます。
そういえば、少し前に、夜、月を見上げると朧に霞んでいたっけ。。。
そんな近い記憶も呼び起こされてきます。
夜来、春霞をつくりだす微粒子たちも
すっかり洗い流されたかのような雨ですが
みなさんいかがお過ごしでしょうか。
ブライアン・ブレイド&ザ・フェロウシップ・バンドの
バンド結成20周年を記念しての5枚目のアルバム
『Body and Shadow』(2017)
をよく聞いています。
ブライアン・ブレイドをご存じない方には
まずこのへんをご覧いただくとよいのではないかと思います。
「Brian Blade and The Fellowship Band (Live) at Chicago Music Exchange」
https://www.youtube.com/watch?v=6qwv2f5m0xM
飛び跳ねながらドラムスをたたいているのが(笑)
ブライアン・ブレイドです。
なかなかにユニークなプレイスタイルだと思います。
私はけっこう好きなのですが、サイドメンとしての演奏も多いので
この映像のような弾けた感じばかりでなく
後述するノラ・ジョーンズのバックをつとめる時などは
渋いプレイも聞かせてくれるドラマーです。
ブルーノート・レコードの重鎮ウェイン・ショーターが
近年、彼を起用したがるのはなんとなく理解できて
プレイスタイルとして、エルヴィン・ジョーンズの面影が感じられる
ように思います。
またこのザ・フェロウシップ・バンドの1stアルバムは
親交のあるダニエル・ラノワのプロデュースで、
今作でもそういう音響系の音作りの傾向は感じられます。
さらにブレイドのソロ作品『Mama Rosa』では
シンガーとしても非凡な才能があることを教えてくれています。
しかしながら、そういうマルチな才能を控えめにしかださないところが
この人の音楽家としてのいいところでもあり、
またちょっと食い足りない感じを聞く者に抱かせるところでもあります。。。
さて、この『Body and Shadow』ですが、
アルバムトータルの印象としては
コンセプトもありそうなんだけれど、
一方で彼らが良いと思った曲を集めた印象もあるという感じで
以前の4作とくらべても性格付けが難しいアルバムです。
録音もすこしスモーキーな感じで、
意図されているものでもありましたが、もやった印象は拭えないな~
ただなんとなく力が抜けていて気負いがないのが魅力なのかな~
などと思いながら聞き続けておりました。
で、ある日、我が家のハーベスのシステムで
いつもより音量を上げて聞いてみました。
するとなんだかとても良いのです。。。
小音量では伝わってこなかった音楽の姿が立ち現れてきたと申しますか
ハーベスの音楽の心情に寄り添う再生が功を奏したのか
霞たなびく中から熱い音楽の核心が
ひょこっと顔を現わしてくれたかのような瞬間が感じられました。。。
そうしてアルバム1枚聞き終えると不思議な感慨がありました。
でもなんか濡れてる音楽なんだよな~
音楽全体のベースとして
静かな湖面の上で音がモヤ~っと立ち上ってくる感じが消えないのです。
熱いけど、瑞々しい。。。不思議な感覚です。
そんなわけで、ブライアン・ブレイドに注目するようになって
行きついたのが、ノラ・ジョーンズの『Day Breaks』(2016)でした。
このアルバムのリズム・セクションは
ザ・フェロウシップ・バンドのメンバー2人が参加しています。
すなわち1st・2nd以来、久しぶりに彼女のバックをつとめるブレイドと
ベースのクリス・トーマスです。
このアルバム、ちょっとスルーしていたので
ちゃんと聞いてみると、これが実にいいのですね。。。
やっぱりちょっとスモーキーな感じの録音で
ハーベスで音量を上げてやると、実に熱くて瑞々しい。。。
あ~やっぱりノラ・ジョーンズのセンスはさすがだな~
いいな~と惚れ直しました。。。汗
で、なんとなく思ったことなのですが
もしかすると『Body and Shadow』は
『Day Breaks』の続編的な展開で作られているのかな
ということです。
少なくとも私の中では一続きになってしまいました(笑)
まあどちらかというと『Body and Shadow』は裏っぽいところが
玉に瑕ではありますが、でもそれもブレイドらしいかと。。。
そんな間に、外は晴れ間がのぞいてきました。。。
でも風はちょっと肌寒いです。
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