2020年03月21日
午前中、お彼岸なので墓参りに行ってきたのですが
近くに、わりと広い芝生の公園があって
そのせいか、親子連れが多く
子どもたちの歓声がいたるところで聞こえ
なんとなく活況を呈していたのが印象に残りました。
これから学校は春休みですが
今年は、春休み×2=夏休みと同じくらいなのに
外出もままならないということで
やむを得ない事情とはいえ、かなり子どもたちには
気の毒な気がする今日この頃ですが
みなさんいかがお過ごしでしょうか。
今日は最近聞いた音源から、印象に残ったものを
ご紹介しようと思います。
スコットランド人ピアニスト、スティーヴン・オズボーンの
『ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集Vo.3 ~ 後期三大ソナタ集』
から始めましょう。
https://www.hyperion-records.co.uk/dc.asp?dc=D_CDA68219
NHKBSの「クラシック倶楽部」でも1月に放映があった
オズボーンのベートーヴェン後期三大ソナタのプログラム
(放送は第30番、32番の演奏)ですが
椀方さんの書かれた日記をきっかけに
そのリサイタルの模様をヴィデオで見てみると
これがなかなか良くて、演奏もさることながら
オズボーンへのインタビューがおもしろかったのです。
彼は、解説者としても明快で、
その述べられているように演奏も展開されていて、
実にすっきりとした後味の良い感想を持ちました。
例えば30番の即興的な感じとか、意識の自然な流れとかは
よくわかりましたし、
32番も、例のジャズ的な部分の後にあらわれる
平凡な構成だけれど、実に美しい旋律だとか
実によく伝わってきました。
非常に言行が一致した的確な演奏で、
でも理に勝ちすぎたギスギスした感じがなく
演奏から自然にエネルギーを受け取れる感じが
素晴らしいな~なんて思ったのです。
この新譜も、基本的にその放送のイメージが感じられるものでした。
オズボーン自身もインタビューの中で述べていましたが
あえてテンポを落とさずに弾いているのが
良い効果を生んでいる気がしました。
これは前回の日記でとりあげた青木やよひさんの
『ベートーヴェンの生涯』を読み終えた後だったことも
多分に影響しているかもしれません。
その著書から受けたベートーヴェンのイメージは
ある種の幽玄さみたいなものとは無縁の人物といいますか
最期まで若々しいフレッシュさのようなものを感じられる人物だったので、
このアルバムの中庸なテンポや
生硬さと柔らかさとの併存のようなものが
スーッと入ってきましたし、逆にそれが魅力なんだと思わされました。
余談ですが、オズボーンはポール・ルイスと仲が良いようで
ちょっとしたエピソードが披露されている次の記事なんかは
お互いの人柄を感じさせるところがありました。。。
http://yoshikoikuma.sblo.jp/article/181207769.html
「スコットランド人というのは、知り合うまでに時間がかかる人が多い。
すぐには心を開かないからです。深く相手を知るまでは、変なことをいって
相手を傷つけたらどうしようと考えるわけです。でも、いったん心を許すと、
長年つきあうようになります」。
どこぞのちがう島国の人間も共感できるところがあるような。。。
そんな2人が組んで作ったアルバムがあったので
聞いてみました。
https://www.hyperion-records.co.uk/dc.asp?dc=D_CDA67665
シューベルトのピアノ・デュオなのですが
孤独な青年が仲間を得て、力をいかんなく発揮したような
フレッシュな魅力を感じるアルバムで、
かなりひきこまれて聞き入ってしまいました。。。
ともに泣き、ともに笑う青春群像を想起してしまったのでしょうが(笑)
そういう思いにとらわれてしまうと
いいアルバムだな~と思うことしきりです。
やっぱり(時にうっとおしいぐらいでも)
若い人たちがそのエネルギーを発揮(発散)できないような世の中は
なんとか1日も早く解消しなくてはならんな~と
柄にもなく考えている私ですが
それはこの2人のアルバムを聞いたせいだと
ちょっと言い訳して、この日記を終えようと思います。
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