利用規約およびローカルルールを準拠の上ご利用をお願いいたします。

ケチケチな天国と地獄のウィーン16(最初の悪夢)

日記・雑記
日記・雑記
Sponsored Link

ウィーンでの滞在最終日は、ハンガリーのブダペストへの遠征です。午前中に電車でブダペストまで行き、フォアグラを食べてから観光をして、夜はミュージカル”カルメン”を観劇してから、夜行バスでウィーンに戻り、翌朝にホテルをチェックアウトして帰国するという、今思えば無謀な計画でした。

 

ウィーンからブダペストまでは、レギオジェットというチェコの鉄道で向かいます。この鉄道を選んだ理由は、オーストリアの国鉄(OBB)と比べると、同じ駅から出発するのに料金が1/3だったからです。もちろん、チェコの鉄道でオーストリアからハンガリーに向かうのですから、発車時間や到着駅などは限定した条件でしか選べないのですが、ケチケチの旅には絶好のアイテムだったのです。(ちなみに同じOBBでもハンガリーでチケットを購入すると、ウィーンでの購入の半額になります)

このレギオジェットは料金が安いにもかかわらず、快適さは申し分ありません。スタンダードからビジネスクラスまで4段階の設定があり、私はリラックスクラスのゆったりした座席とサービスの良いクラスを選択しました。+5ユーロ必要でしたが、オーストリアの国鉄の2等席に座るよりははるかに低価格で快適です。スタンダードクラスを選ぶと低価格ゆえか旅行客の多さと通路に置かれた荷物で、トイレ移動をすることもままなりませんが、リラックスクラスでは全く問題ありませんでした。<ホクホク13>(ちなみにビジネスクラスは4席コンパートメントの個室です)

このレギオジェットを利用したもう一つの理由に、帰りの夜行バスの出発駅がブダペスト ケレンフェルド駅で、ブダペストのメイン駅ではなかったことです。レギオジェットなら、ケレンフェルド駅にも停車するので、行きに帰りの夜行バスの発着所を確認しておこうと考えたためでした。この周到さは正解ではあったのですが、まさかあのような悪夢になろうとは思いもよらなかったです。

 

ブダペストでの行動予定は、ケレンフェルド駅に到着した後に、帰りの夜行バス乗り場を確認してから、フォアグラを食べに予約した有名店に向かう。その後、観光をしてから、中央市場を巡り、ミュージカル”カルメン”観劇をしてから、ケレンフェルド駅に戻り夕食を済ませて、夜行バスでウィーンに戻る計画としていました。

 

ですが、この計画には最初の落とし穴が潜んでいました。ケレンフェルド駅を出て、駅前にあるバスのチケットの自動販売機が沢山あるところに行ったのですが、どのチケットが市内観光に向かう車両のチケットで、どれが夜行バスのチケットなのかわかりません。10分以上ウロウロした後に、バスの事業所の事務所のような場所に入って尋ねたのですが、「表の自動販売機で買え」と言われるばかりです。あきらめて、それらしいチケットを購入してから、観光地に向かうトラムを探しますが、ここでも迷ってしまいます。予約した時間には間に合いそうになくなったため、フォアグラ店に電話をして、「遅れて到着する」旨を告げました。

 

幸いなことに、フォアグラ店では快く応対してくれたのですが、狙いの49番のトラム乗り場はまだ見つかりません。どうしたらよいのかわからなくなって来ましたが、そう言えば旅行記の口コミに「駅から少し離れた場所にある」との記載があったことを思い出し、口コミを手掛かりに何とか探せました。でもこの迷いは、次なる不幸を予感させるものだった気がします。中欧の地で市街地巡りをするなら、まずは地下鉄に行け!これが今回の教訓となりました。

 

ケレンフェルド駅からブダペストの中心地にはトラムで向かいました。ドナウ川を越えて始点から終点まで乗りますので30分以上乗車します。終点で降りればよいので、窓から外を見ながら停車駅のことなど気にせずに向かっていました。すると、終点のひと駅前から検札員らしき人が乗ってきて、「切符を見せろ」と言うではないですか。悪い予感をつのらせながら、ケレンフェルド駅で買った切符を見せたところ検察員が渋い顔をしています。そして、仲間らしき人を呼びました。「この切符は、このトラムのものではない。罰金を払え。」と言われてしまいます。こちらは無賃乗車をするつもりも、キセルをするつもりもなかったので、可能な範囲で事情を説明しましたが許してはもらえませんでした。罰金は、12000Ftです。日本円で4800円なので、それほど大きな額ではありませんでしたが異国の地で捕まり罰金を払うことになったショックは大きかったです。<ガックリ8>

 

気を取り直して予約していたフォアグラの店に向かいしました。”Comme Chez Soi ”で検索すると沢山出て来るお店です。有名店らしいのですが、実際にはこじんまりとしたレストランでした。

中に入ってみると、日本人への対応がメチャクチャよかったです。「いらっしゃいませ」「少しここでお待ちくださいませ」「ウエルカムドリンクをサービスします」と日本語で案内されたのです。ブダペストでこんな風に出迎えられるとは思いもよりませんでした。フォアグラは日本で食べるのとは異なり、臭みがまったくなくて、軽くふわっとした高級感あふれる味でした。そしてさらに絶品だったのが、グヤーシュスープです。牛肉と野菜をパプリカのスープで煮込んであるのですが、これを食べにいくだけでもハンガリーに行きたくなるほどだと思いました。フォアグラもグヤーシュスープも安くはありませんが、ハンガリーの味を存分に味わい、フレンドリーな対応に感激し、忘れられない思い出です。

 

ブダペストまで足を運んだ一つ目の目的を達成した後は、観光タイムです。ですが、市内交通のフリーパスが入手出来ていないので、歩いて回ることとなりました。

足も疲れて来たので、何とか市内フリーパスが入手できないかと各所で確認したのですがチケット売り場は見つかりません。下手に乗ってしまい、また罰金を払うことになることは絶対に避けなければなりません。足を棒にしながら観光をし、みやげ物を見に中央市場に行ったのですが、市場の最寄りの地下鉄駅でフリーパスが買えることがわかりました。どうやら市街地交通の中心は地下鉄にあるようです。そんなことから、最初に地下鉄に行け!の教訓がうまれました。最初のケレンフェルド駅から地下鉄を使っていれば、罰金を払うことも、足を棒にすることもなかったのです。

 

中央市場は楽しい場所でした。現地の人とも阿吽の呼吸で値下げ交渉をすることも出来ますので、ブダペストに行ったら立ち寄りたい場所のひとつかと思います。言葉が通じなくとも、指値を示せば応じてくれます。

ですが、ハンガリーの人もしたたかでしたよ。一度OKを出した値段から、会計の際にもう一声吊り上げて来たりして、こんなやり取りも楽しいひと時でした。

 

その後は、ブダペストでのメインイベントであるミュージカル”カルメン”を観にブダペスト オペレッタ劇場に向かいました。ようやくのこと市内フリーパスの出番です。

元が取れたかどうかはわかりませんが、ブダペストで1回乗るごとにチケットを買うのは至難の業なので、罰金の不安回避のためにもフリーパスは必須です。ですが本当の悪夢が、この後にやって来ることは、まだ予感すらしていませんでした。

 

ここまで ホクホク:13 ガックリ:8

 

コメント ※編集/削除は管理者のみ

タイトルとURLをコピーしました