なんと、ダメかと思っていたART(DiracLive)の導入が拙宅で使っているプリ(MonoPrice HTP-1)にも(突然、予告なしに)できるようになりました。Kawausoさんからの情報でDiracのサイトに行くと、これがホント、クリスマスプレゼントでした。HTP-1 のART用ファームウェアが現地時間で12月22日でしたから、日本時間だと23日、拙宅での導入はクリスマスイブの24日なのでした。
Firmwareのインストールなどにはちょっと手間(インストールに時間が掛かるのと、HTP-1のPCソフトの使い方もかなり変わったので、DiracLiveの測定までに1日要した)がかかりましたが、無事?終わりました。以下のように、DiracLive ARTがアクティブになったとの表示が現れました。
ARTを導入すると、以前のDiracLiveの補正情報は全てクリアされるので、新たに測定してフィルターを作成する必要があります。それで早速測定。と言っても、16chで測定位置の数は9個(50 x 40 x 40 cm3の八隅と中央(LP)を測定)もあるので、144+9回もスイープ音を聞くことになり、大変。
測定後にターゲットカーブを入れ⇒計算⇒フィルター転送と進めば終了です。ターゲットカーブは以前から使っていたものを読み込めたので、それを使いました。
中高音はPolkの音の特徴を残しながら少し右肩下がり、100Hz以下は凡そ2dB/octで増強しています。以下のデフォルトとはかなり異なります。
150Hz以下はARTが各SPの受け持ち帯域等を決め(50Hz以下はサブウーハーが受け持つ)、トータルで計算して出した補正後の周波数特性が以下のものです。
この状態で幾つか聞いてみました。
まずは、Jazz好きの私としてはBill EvansのMontreux Fes、Nardisを外す訳には行かない、笑。
他の方々のレポートでARTにすると低音感が減少する・・と報告があります。しかし、この曲を聞いた印象は、低音の量感の現象はホンの僅で、バスドラムの一発の力感は逆に増すように思いました。エディゴメスのベースの弦を弾く様子が目に浮かぶようで、曲後半のバスドラの強烈な一発感も十分でした。中低音の減衰が速くなったのでしょう、中高域にかぶらず、エバンスのピアノの左手の動きは明らかに明瞭に聞こえるようになりました。
次は、勿論、Auro-3D!名倉誠人のBach Parallels。これはまるで別物でした。音の数密度が増して、壁が後退したかのようでした。特にフロントの背後の壁はSP前面から70-80㎝しか離れていないので、後方に音が広がり難いのですが、壁が無くなったかのよう(少し言い過ぎか?)に聞こえました。
とにかく、予想以上の効果で驚いています。オーディオの新しい形が見えてきたかのようで、DiracLiveの開発チームに脱帽です!!クリスマス/年末年始はこれで楽しめそうです。
皆さん、メリークリスマス、また、良いお年を。








コメント ※編集/削除は管理者のみ
Tomyさん
ARTを導入できた、とのこと、ご同慶の至りです。オーディオ全般に造詣が深く、好奇心の旺盛なTomyさんですから、私のような凡百とは異なり(笑)、今後、続々とARTに関する新知見を発表してくれると期待しています!
Tomyさんはすでに拙宅も含め、他でARTは体験済みだったと思いますが、この効果の出方は、どうもやはりお部屋や機器によって異なるらしく(私も他の3箇所のARTを体験済み)、自分の部屋・システムで他人のところで体験したARTの作用と全く同じような作用を果たすとは限らないようです。つまり「ARTの音」という一律の状態があるわけではなく、「ARTを動作させたあなたの部屋・システムの音」という多様性があるんですよね。
だから、「Tomy邸のARTの音」を今度機会があれば是非、聴かせてください!
>他の方々のレポートでARTにすると低音感が減少する・・と報告があります。しかし、この曲を聞いた印象は、低音の量感の現象はホンの僅で、バスドラムの一発の力感は逆に増すように思いました。
この感想も、まさに「Tomy邸のARTの音」なのですが、これはARTを導入して二年半の経験と研究の結果(笑)、恐らく若干の理論的?(にわかですが=笑)説明が可能なようです。つまり、ARTって基本的に定在波を相殺する技術なので、それを作用させた20-150Hzの帯域における当該の部屋の<音圧の総量は確実に減少>しているはずです。
しかし、これがリスニングポイント(LP)におけるオーナーの耳でどうか、というと話が違ってきます。もうここまで書けばTomyさんなら「皆まで言うな!」となっていると思いますが(笑)。
つまり、1.定在波が発生する周波数は部屋の固有モードにより決まるため、「私の部屋とあなたの部屋」では、定在波の周波数が異なる 2.定在波には「山」と「谷」というか、「節」と「腹」があり、LPにおいて、その定在波の周波数が強調されているのか、逆に相殺されているのかは、LPの位置次第で変わるーわけです(釈迦に説法ですね!)。
ということは、例えば、Jack DeJohnetteのキックドラムの、ある曲の中の印象的なパートの低音の基音周波数が、たまたまお部屋の定在波の周波数と一致していて、かつLPが「谷」に位置している場合は、ARTを稼働させて定在波を減少させる=f特がFlatになる=と、むしろ「低域が強化された」感じを受けることになります。
これはART動作前にLPを前後に大きく動かせばすぐわかることです。そしてARTを動作させれば、こうした部屋の中のモードの偏在が減少するため、部屋のどこでもある一定の質と量の低音再生を楽しめるようになります(私はLPでじっとして聴くタイプではないので、日々実感してます!)。
「ARTを動作させると、低域が痩せる」と感じる人は、逆に今までLPが定在波の「山」にあった方ですね。
だから、ARTの効果の印象が、部屋・LPによって変わるのです。
色々と実験的にARTを楽しんでください!良いお年を!