とうとう、ヴィンテージのアナログプレーヤーに手を出してしまいました。
トーレンスTD-124ⅡとSME3009SⅡを導入して自力でレストアしたので、その顛末を報告させていただきます。
デジタル(CD系)は昨年秋にSA-10を導入して落ち着いたところですが、今度は前から気になっていた「アナログの音が少々大人しすぎる」のが顕在化してきました。
これまで使っていたプレーヤーはマイクロBL99VとラックスPD131+MA505ですが、もっと駆動力?のあるターンテーブルが欲しくなりました。
そこで、若手Nさんの真似をしてSP-10Rと行きたいところですが、先立つものがないのでアイドラードライブのガラードかトーレンスに目を付けました。
これらの機器を数か月ほど物色していたところ、無改造で程度の良さそうなTD124が見つかったので飛びついてしまいました。
わくわくしながら設置して音出ししたら、シュルシュル、コトンコトン、ゴーゴーという見事なノイズのハーモニーを奏でてくれました。
流石は往年の名機・・・
というか、明らかに大失敗でへこんでしまいました。(涙)
色々ググって調べてみたところ、千葉の有名なショップに依頼してレストアするのが良さそうなことが分りましたが、高額になりそうなので諦めて自力でやってみることにしました。
ビンテージ物のアナログプレーヤーを使われている方の参考になるかもしれないので、数か月かけてレストアした内容を詳しく書いておきます。
これは私のプレーヤー個体の例なので、必ずしも他の機器で同様の結果が得られるとは限りません。
また、これを見て自分でレストアされる方がおられましたら、自己責任で実施してくださいね。
1.「シュルシュル」ノイズ対策
・テフロンワッシャーの挿入
ステッププーリー、アイドラーのシャフトにあるはずのテフロンワッシャーが欠落していたので、0.5mmと1mmのものを購入して高さ調整しながら挿入しました。
・ゴムベルトの交換
オリジナルと思われるベルトを裏返して使ったらこのノイズが激減したので、ベルト面の荒れがシュルシュルノイズの主原因と思われます。
ベルト自体が劣化していたので、安価なcatfight製340mm×4mmに交換しました。
オリジナルは6mm幅のようなので、少々強度不足で音質がやや柔らかくなりますが、タイトな音を求めなければ使えると思います。
もっと高価な専用ベルト?も試してみましたが、テンションが強すぎて音質もガチガチに締まりすぎて好みに合わなかったです。
2.「コトンコトン」ノイズ対策
・アイドラーの研磨
5倍ルーペでアイドラーの接触面を注意深く観察すると、フラットスポットができている箇所が見つかりました。
紙やすり240番、600番、1000番をアルミLアングルに両面テープで張り付けて、アイドラーを実装状態で回して接触面を少しずつ
削って修正しました。
3.「ゴーゴー」ノイズ対策
・軸受けへの注油
オイルの粘度ISOVG32のものにISOVG68を30%程度混ぜたものを使いました。
オイルの粘度によってノイズの出方が変わるので、ノイズを聞きながら粘度の調整が必要なようです。
・プーリーの掃除
無水アルコールを綿棒につけて、モータープーリー、ステップ
プーリーのゴム屑等を取除きます。
・ゴムベルトとアイドラーの掃除
無水アルコールはゴムを少し浸食するようなので、使用は禁物
です。
ここは必ずベンジンを使って、ゴム屑等を取除くのが良いです。
4.その他の対策
・アームボードの変更
アクリル製と思われるボードが付いていて、固有の響きが乗る
のが気になったので、朴(ほお)材を使って自作しました。
朴材は、まな板にも使われていてきめ細かく軽い材質ですが、
音質的には変な響きが無くて解像度も上がりなかなか良いと
思います。
TD124のアームボードは、硬くて重いものはだめだそうで、
桐の合わせ板等が推奨されているようです。
最後になってしまいましたが、音質のほうは評判通りで厚みがあってキレが良く、音楽をダイナミックに聴かせてくれるようになったので一安心しています。
特に、今まで上手く鳴らせなかったグラモフォン系やエラートのLPが、楽しく聴けるようになったのがありがたいです。
いつまでこの状態を維持できるかわかりませんが、こちらに来られる機会がありましたら聴いてみてください。
以上、長々と失礼しました。
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