CENYAさんから刺激を受けて…私も試してみたくなりました。
本当はCENYAさんの次のトライの結果を待つつもりだったのですが…我慢できなくなりました。(笑)
試してみたのは私が使っているクロスオーバー(チャンネル・ディバイダ)のOP AMP交換です。
使っているのはMarchand ElectronicsというUSのガレージ・メーカー製、XM44_4。
ハイエンド的なものではありませんが、使用部品は高品質の実質的なもので理にかなった設計です。
[:image1:]
オリジナルのOP AMPはOPA2134。8pinの2個入り。
これが多数個使われています。
FET入力でオーディオ用OP AMPとしては中級品?
ネット上での評価もそんなに悪くはないようです。
今まで使ってきて大きな不満はなかったのですが…
前から高級OP AMPの評判はちらほら聞いていたのですが、8pin 2個入りのものを1個入りに置き換えるのは難しいものと思っていました。
でも、先日のCENYAさんのOP AMPころがし記事で変換基板があることを知り、換装は意外に簡単だということがわかりました。
で、どのOP AMPを交換するか何に交換するかということですが…
改善したい部分はS/N比と高域でのドライブ能力(高周波特性)。
クロスオーバーとマルチアンプを使ったスピーカー・システムは一般的なLCRやトランスを使ったネットワークによるスピーカー・システムに比べて大きなアドバンテージを持っています。
一番大きいのはウーファにシリーズにコイルやトランスを入れなくても済むことが挙げられます。
また、能率の高いトゥイータを使う場合に挿入される抵抗の悪影響も考えられます。
ただ、クロスオーバー/マルチアンプ方式にも弱点があって能率の高いホーンタイプのトゥイータを使用する場合、能率が高いがためにクロスオーバーやアンプの残留雑音の影響が出ることです。
つまりトゥイータの無信号時のノイズが無視できない場合があることです。
ウチの場合、リスニングポイントでそのノイズが聴こえることはありませんが、トゥイータに耳を近づけると、サーというホワイトノイズが聴こえます。
これが楽音にも影響している可能性があります。
せっかくOP AMPを交換するのだからこの残留雑音は改善したい。
それから、ウチの場合、クロスオーバーとパワーアンプ間が離れているのでRCAケーブルがかなり長い。床下を通していることもあって約7m位か?
モガミの単位長さ当たりの静電容量が小さなケーブルを使っていますが、やはりちょっと気になるところ。
OP AMPの高い周波数帯域でのドライブ能力が問われる使い方だと言えます。
上記の2点を考えると交換するOP AMPはトゥイータとスーパー・トゥイータ部のクロスオーバーの外部出力に使われているものということになります。
クロスオーバー回路のLPFやHPFを形成している回路部のOP AMPは安定性重視のため変更候補から除外。
ウーファ用の出力回路も効果薄と見て除外。
S/Nの点では入力バッファ用のOP AMP交換よりも終段のアッテネータの後に置かれている出力段のOP AMPの方が効果的と判断しました。
結論としては、トゥイータとスーパー・トゥイータ部の外部出力のために使われているOP AMPの交換。
左右必要なので計4個の交換。このくらいの数ならば懐へのインパクトもそんなに大きくありません。
求める特性は低雑音、そして高域特性、ドライブ能力ということでスルーレートを重視することになります。
どのOP AMPを採用するか…ですが、候補はCENYAさんが採用したMUSES03と伝説の(?笑)OPA627A。
ふたつともJ-FET入力のOP AMP。
ネット上での評判はMUSES03がかなり高いようですが、ノイズ、帯域幅、スルーレートに関してはOPA627Aに分がありそう…
値段的にはOPA627Aの方が少し高いけれど、今回の私の目的を考えるとOPA627Aの方が合っているものと判断しました。
OPA627には偽物も結構あるようなのでちょっと心配ですが、信頼できそうな昔からのお店で買うことにしました。
ちなみに選別品のOPA627Bについては選別の主目的が入力オフセット電圧でノイズには大きな違いはないようですし、スルーレートなどには全く違いはない。
トゥイータ用に使うのに入力オフセット電圧は全く意味がないのでこれはパスです。
2個入りOP AMPを1個入り2個に変換する基板についてはICソケットなどのハンダ付けが必要。
昔取ったキネヅカですが、最近やっていないし、眼がムチャクチャ悪くなっているので狭い部分でちょっと苦労しました。
あまりきれいな仕上がりとは言えないけれどなんとか完成。(笑)
[:image2:]
オリジナルの回路ではOPA2134の1回路分しか使っていないため写真のように1個のみの実装になっています。
次はいよいよクロスオーバーへの実装。
上記のOP AMP選択が吉と出るか凶と出るか…
この続きはPart 2で…
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