この度、ヒジヤンさんと相互訪問をさせていただきました。ヒジヤン邸には彼のライバルで親友の(笑)バズケロさんとご一緒させていただきました。
ヒジヤンさんはこのコミュニティの古参格で、活発に相互訪問を繰り返しておられますので、様々な方による「訪問記」の蓄積があり、私のような初心者に毛が生えた程度の者が今さら何も言う事もないのですが、ここでのマナーのようですし、記念・記録として、簡単に。
訪問記に慣れていないため、うっかりしてお写真を取り忘れましたが、ぱっと見は恐らく最近の他の方による内部のお写真とあまり変わりがないと思いますので、室内の様子にご関心のある方はそちらにお願いします。
さて、元寝室であったというオーディオルームに招き入れられた最初の印象は、「ウーム、この狭い真四角な部屋にこんな大型のスピーカーか」(笑)でした。技術的な知識に関しては初心者ですが、オーディオ好きの親の下で生まれた時から音楽には囲まれており、高校時代に初めて自分の部屋(12畳)と自分で選んだスピーカーを持って以来40年以上(?)の経験はありますので、ヒジヤンさんの流儀で遠慮なく申し上げれば(笑)、第一印象は「これで大音量か…(と伺っていたので)」と(笑)。
しかし、最初にかけていただいたCeltic Womanから、「え、なんで?」の連続。まず、部屋(8畳)が実態以上に広く感じます。壁による音の閉じ込め感を感じにくい。
「余程吸音しておられるのかな」、と部屋を見渡すと、天井後ろには吸音材のようなものが貼り付けてあり、ドアや窓にも和紙のようなものが貼り付けてある。床は一面カーペット。吸音材らしきものはこの程度。
拡散材は、マイルームのお写真にあるように、フロントにはアンクのような木製の拡散用工作が、左右と真ん中にあり、両スピーカー前の床にも。リスニングポイントの後ろの壁は最近のクラシック専用ホールによくみられる凸凹した木製の板が張り巡らされている。
他にも細かな「工夫」がいっぱいあるようで、クリスマスリースのようなものが椅子の後ろに隠れていたり(100均で見つけたそうです)、あちらこちらに「飴」のような物体が散見されたり。天上にも怪しげな物体が(笑)。さらにプレーヤーの上に謎の金属が置いてあったり。
このノウハウを全部写真付きで書いたら、本が一冊かけそうなぐらい、多岐にわたって手が入っているのが伺えました(まあ、「手品師」は決してノウハウを公開しませんが=笑)。
私のような「買ってポン置き」のタイプには、???という感じなのですが、これらがすべて、何らかの効果を持ち、この部屋に似つかわしくない(失礼!)音を出しているのでしょう。
出音の印象をもう少し。私は実はB&Wの800シリーズにはあまりいい印象を持ってません(ファンの方、すみません!個人の主観ですのでお許しください=笑)。ショップなどで一聴すると、私のようなピアノ好きの人間のツボを押さえる高域の美しさ、解像度の高さは素人の私でもすぐにわかるのですが、どうも私にはあざとく感じてしまうのです。なんというか、例えれば、何か特別な隠し味を入れてあるラーメンみたいな(笑)。よく人気で並んでいるラーメン屋さんってありますよね。そういうところの味って、ちょっと「癖」になりそうな味付けにしてあることが多いですが、それを気に入ってリピーターになる人と、口に合わずに二度と行かない人に二分されます。B&Wは私にとっては残念ながら後者なのです。
前口上が長くなりましたが、ヒジヤン邸のちょんまげから出る高音は、私の嫌いな「あざとい」音ではありませんでした。むしろぱっと聴きでは地味なくらい(シンバルの音なんかで、耳に刺さるこれ見よがしな演出はない)ですが、バイオリンの倍音などはきれいに出ているのでしょう、高域は美音でした。
中低音は、元々ショップで鳴らされている大型の800シリーズの音でも素晴らしいのを知っていましたが、あれはコンクリートの床のショップだから出る音であって、一般の住宅では低域を持て余すというのは、良心的な定員さんからなら教えていただける、かなり知られた話ですよね。
しかし、あの狭い部屋で一般的な木造住宅にもかかわらず(再度、失礼な表現をお詫びしておきます=笑)、コントラバスでもティンパニーでもオルガンでも変な共鳴音が出ず(普通は、どこかの周波数で部屋のどこかと共振することが多い)、きっちり制御されているのに驚きました。不思議に思ってお尋ねすると、床下に潜られて補強を工夫されたとか。私はそんな「汚れ仕事(笑)」は御免なヘタレなので(笑)、そこまでやるのかとびっくりしました。
出音の拙宅との比較で言えば、Auro3Dシステムとの比較は対称性が取れないので置いておくとして、同じ2chでいえばAmator IIIを私は愛用しておりますが、拙宅より音が真ん中に集まるなあと思いました。これは両スピーカーの間に置いてあるアンクみたいなもの(?)の影響かと思ってヒジヤンさんにお尋ねしたところ、Yes でもあり、Noでもあるというようなお話でした。
拙宅のAmator IIIとのシステムの違いは言うまでもないのですが、設置環境の違いだけで言えば、左右前後の壁との距離と、スピーカーの向きがあります(加えて、天井の高さと形状でしょうか)。
拙宅は、左右の壁からは約1M、後ろの窓からは約2Mほど離れてセッティングしており、さらにリスニングポイントから後ろの壁までは3M以上あります。スピーカーの向きは「平行法」です。ヒジヤン邸は、左右と後ろの壁までは50センチあるかないか、リスニングポイントから後ろの壁までは30センチ未満という感じで、スピーカーの向きはリスニングポイントに向く「内振り法」です。
私は様々な面で素人ですが、この点だけにはこだわりがあり、「2chは平行法に限る。ただし、左右の壁からの距離が十分に取れれば」というスタンスで、その理由は、ホログラフィックな前後感に優れると(個人的なこれまでの経験から)感じているからです。
今回は翌日に今度はヒジヤンさんが拙宅に来るという相互訪問でしたから、ヒジヤンさんも拙宅の2chをお聴きになられたのですが、第一声が「後ろに音が回るのに驚いた。5chかと思った」というものでした(詳細は後程、ヒジヤンさんからご報告があるかと思います)。この音場感が私の言うところの、「ホログラフィック」なんです。
研究熱心で、日々の研鑽を怠らないヒジヤンさんのことですから、今頃、ご自宅の今の素晴らしい音空間に、さらにホログラフィックな音を加えるための追求策を練りながら、100均巡りをしておられるかもしれません(笑)。
ヒジヤンさん、今回は相互訪問にお誘いいただき、どうもありがとうございました。何より印象的だったのが、細かな「努力」を楽しそうにお話になる姿で、「ああ、この方は本当にオーディオという趣味が好きなんだなあ」と見ているこちらまで微笑ましく幸せな感じを受けました。
今後ともよろしくお願いいたします。
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