GWレポート第三弾(最後)です。今回は、オーディオ的な話題というか実験です。これはスピーカーやネットワークを自作しちゃう方やチャンネルディバイダ―を使いこなしている方に、以下の実験の適否を教えていただければ嬉しいです。
先日、HiViの4月号を見ていたら、AV機器の使いこなし特集で、拙宅と同じAudysseyを使った「マニュアル設定」が紹介してありました。その中で、前読んだ時には気にならなかったのですが、「スピーカー/クロスオーバー周波数」の設定の項があり、Audysseyの自動補正では「60Hz」と診断されたものを、わざわざ「120Hz」にするというくだりがありました。なんでも、「スピーカーの性能や部屋の環境を鑑みて、HiVi視聴室では120Hzでの分割がベストと判断」したそうです(p.38)。
そこで、ひらめいたのは、これを使って、拙宅の低域の逆位相問題を解決できないか、ということなんです。
おさらいしておきますと、拙宅のサラウンドシステムのLCRは、ソナスファーベルのSonettoVIIIで、これらの中高域の極性を他の2Wayスピーカーと合わせるために、現在、実験的にK&Kフィルターを外して上下ともスピーカーケーブルのプラスマイナスを逆につないでおります。この状態では、中高域は正相で他のSPとのつながりに問題はないはずですが、低域は相互に逆相になっています。[:/URL:]
この「低域」とは、SonettoVIIIのクロスオーバー周波数が270Hzとカタログには書いてあるので、素人判断では、だいたい(笑)270Hz以下なんだろうなと。ということは、他のSPに270Hz以下の低音を振らなければ、つまり、270Hz以下の低域はすべてSonettoVIIIかサブウーファーに任せれば、Sonetto VIII以外のSPとの「相互に逆相」状態は回避できるのではないか???
と思い付き、早速取り掛かりました。まず、Audysseyの設定画面を確認すると、ベースマネージメントとしてクロスオーバー周波数を分割できる帯域は、250Hz以下であることがわかりました。ということは250-270Hzという狭いレンジだけが逆相のままではあるものの、250Hz以下は喧嘩せずに済むのではと素人判断。早速設定してみました。[:image2:]
念のため、このカットされた250Hz以下のLCR以外のSP分の音はどこに割り当てられるかを8805のマニュアルで確認したところ、[:image5:]サブウーファーまたはフロントスピーカーとのことだったので、2台のサブウーファーの位相もSonettoVIIIの低域と同じ「逆相」に設定。LRは無補正となるBypassモードに設定。[:image1:]
さらに、サブウーファーのローパスフィルターをオフにしてAudysseyを走らせました。サブウーファーは超低域だけを担当して欲しくて、100Hz以上なんて音が汚くなると感じていまして、ゆえにこれまではサブウーファーのクロスオーバー周波数を最低レベルにして(SWに調整つまみのようなものがあるのです)使っていました。
しかし、今回は、サブウーファーに250Hzまでをお願いしなければならないため、SW側で上限を決めるのをオフにして、AVアンプに任せることにしました(どこかで聞きかじったところ、ローパスフィルターをオフにした方が位相への悪影響が少ない?というようなことが書いてあったのも気になっていましたので)。
AudysseyのBassマネージメントがどの程度のものかはわかりませんが、これでうまくつないでくれていると「信じて」(笑)います。
これで準備は万端。あとは、実際の「音」やいかに…
今回、テストに使った音源は、まずはオーディオにおいて低音といえばオルガンですよね(笑)。これは、Auro3Dファン御用達の2LレーベルのオルガンOnlyのアルバム。24bit/352.8kHz DXD録音ですから、我こそは、と思われる低音フェチの方、巨大ウーファーをお持ちの方のシステムチェック用にいいですよ(笑)。[:image4:]
これをAuro3Dの13chで再生。拙宅のNormal 設定は、LCR以外のSPに対するAudysseyの判定が40-60Hzカットオフに収まっていて、不精で無知な私は今までそのままで使っていました(当然、270Hz以下は、LCRのSonettoVIIIとは逆相)。[:image3:]
で、その聴感は?
ウーム、あまり違いが判らない(笑)。
その後、他のソースでいろいろ試してみたところ、『狂気』のように低音がぐるぐる移動するものは、Normal 設定の方がやはり音の移動がわかりやすい(5.1ch再生時。サラウンドSPはAmatorIIIなので、通常はフルバンド設定にしているが、今回は250Hz以下はカットされているからだろう。ちなみに、SWは前後に一台ずつ配置)。また、『LUX』(Auro3Dのキラーコンテンツ。合唱とオルガン。教会録音)では、低音も含めた音がごおーっと上に登っていくような感じがNormalに比してイマイチ。ハイト・トップの7台のSPからすべて250Hz以下が失われているから当然か。
しかし、映画なんかだと、Atmos/DTSともに(13ch)問題なし。視覚に脳が支配されている部分が大きいからだと思うが、心なしか、爆発音や銃撃音がすっきりと、Crispに聴こえるような気がしなくもない(笑)。これはK&Kフィルターをかまして位相を揃えたときの感じに近いかも。それに加え、余裕のある大型スピーカーユニットだけが250Hz以下を受け持っていることによる「低歪み効果」もあるのでしょうか?
実験の報告は以上です。マルチチャンネルシステムにおけるユニット間相互逆相問題に対する解決策の探求は続く…
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