【初めに】
マルチチャンネル音楽再生派のdonguriは、ベルリオーズのレクイエムにはまっております。
この曲は基本合唱曲で、ベルリーズの歌の旋律の美しさに感動できるというところがはまっている最大の理由ですが、それに加え、この曲にはオーディオ再生上の面白みがあるのも理由です。
この曲はバンダとよばれる本体オーケストラとは異なる少数管楽器の4パートを分離して配置することになっていますが、これがマルチチャンネル録音ではどのように配置されているように聴こえるのかが今回のテーマです。
【方法】
この曲の録音マルチチャンネル録音がどれくらいあるのかサーベイしたところ、表にありますように2003年以降、7種もあることが分かり、今回すべて手に入れて、聴いてみました。
SACDプレーヤーは OPPO UDP-205 アナログ出力またはHDMI出力
アンプはMarantz SR8015 direct再生 フロントSpはAccuphase e-370のメインアンプ部を使用
スピーカーは フロント B&W 805D3 サラウンド B&W 706S2
レクイエムのバンダってどういう楽譜なんやということで、パブリックドメインIMSLP (https://imslp.org/wiki/Main_Page)においてあるスコアをダウンロードいたしました。
バンダの4パートの位置を確認する方法としては、2曲目ディエス・イレ/トゥーバ・ミルムのトゥーバ・ミルムの冒頭でファンファーレを奏でる部分で判断しました。ここはバンダが、4パート全奏=>パート3単独=>パート1=>パート2=>パート4の順に目立つ旋律が演奏されるので、各パートの位置が良く分かります。
【結果】
OPPO UDP-205のアナログ出力で聴くと、音像の定位が分かりにくいことに気づきました。アナログだと音場補正はプレーヤー側のスピーカーからの距離の設定で、アンプ側の補正は無しですが、補正が適切になされていないようです。HDMI経由でアンプのAudessayによる補正をした状態だと音の広がりも定位もアナログより良いようでした。
バンダはスコアには1、2、3、4と番号が振られておりますが、そのパートがどこから聞こえてくるかまとめたのが、以下の図になります。
7種の録音ともマルチチャンネルを意識して、オーケストラ本体とは異なる「バンダ」としての存在感が出るようにミックスしてあることが分かります。
4つのパートの配置はなんと4通りのパターンがあることが分かります。
視聴者を取り囲む4隅からというパターンが6種で、ノーリントン版のみは後ろ側に4つ並んでいるという独自のパターンでした。
donguriのこのみとしては、4すみにばらけているのが楽しいと思いました。
でも1,2,3,4の配置が3パターンあることが分かりました。
いずれにしてもマルチチャンネル再生のご利益は十分感じられる仕上がりです。
【考察】
スコアのバンダの冒頭の注意書きには、1は北、2は東、3は西、4は南とも書いてあります。実際の演奏会場で北とか南とかに配置できるわけではないので、これは4つのパートの位置関係を東西南北の位置関係のごとく配置しろと言っているのではないかと思いました。するとこの関係を正しく反映している配置は、最も新しい録音2019年のパッパーノ版とネルソン版になります。
それから、スコアにはバンダの位置の指定として、
These four small brass-wind orchestras must be placed separately at the four corners of the grad group of choral singers and instrumentalists. て書いてあります。これ、文字どうりだと、オケとコーラスの集団の4隅であって、観客を取り囲むように4カ所という意味にはとれないのだけど?とも思ったりしました。
各ディスクのブックレット中の写真を確認すると、ライブ会場でも少なくとも2パートは観客を取り囲む配置しているようです。
せっかくマルチチャンネルにしてるんだから、後ろ側のスピーカーから2パートくらい聞こえてほしいよねというリスナーには答えているかと思います。
それぞれの録音のその他の部分の録音、Auro-3D映え程度、音楽的感動度については、別の機会にしますが、最もお薦めのディスクは?と聞かれたら、
音楽的にはデーヴィス版、マルチチャンネルで一番いい録音のはと言われるとガードナー版、映像もあってお得で楽しめるのはネルソン版という事にしておきます。
以上、
あまりに細かくて受けないネタですみません。
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donguriさん、こんにちは。
オーディオネタではないのですが、来年3月に新宿でベルリオーズ「レクイエム」のコンサートがあるようです。
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2234319
ただでさえ実演機会が少ない上に、演奏がバッティストーニ/東京フィル、宮里直樹(テノール)といった面々でクオリティに大いに期待できるので、(個人的には)聴き逃がせないと思っています。
ご参考までに。
ちなみに過去に同じ会場で別団体のヴェルディ「レクイエム」を聴いた時には、2階席前方端にバンダを配置していましたが、更に規模が大きいベルリオーズの場合にどうなるのか、興味深いです。
眠り猫さん
コメントありがとうございます!
レスが遅れてすみませんでた。
今、コメントが付いていたのに気づきました。
donguri、絶対に聴きにいきます!
donguriにとって
本当にうれしい情報ありがとうございました。