ドイツのマルチチャンネル録音を中心に製作しているレーベルがあり、今回5枚ほどまとめて買って視聴いたしましたので日記にいたします。ウェブサイトを見て注文しましたが、ディスクは1週間くらいで到着しました。2‐3枚買うと送料はサービスとなります。このレーベルの自己紹介にあたる文ですが、
***引用ここから
Dolby AtmosやAuro-3Dのようなイマーシブ・オーディオ・フォーマットは、レコーディングされた音楽に新たな次元を切り開きます。空間コンポーネントを追加することで、完全に包み込まれるようなサウンドステージが生まれ、リスナーはアーティストのパフォーマンスに深く入り込むことができます。
約10年前、新しく登場した3次元サウンド・フォーマットと取り組み始めたとき、私たちはすぐに、これらの3Dオーディオ技術が単なる技術的なギミックや短期間の見せ物ではなく、むしろ音楽そのものやリスナーに与える効果に根本的な影響を与える創造的なツールであることに気づきました。
最初の数年間の研究開発の後、私たちはイマーシブ・オーディオ・ネットワーク(IAN)を設立し、一方ではイマーシブ・ミュージック・プロジェクトを実現するための枠組みを確立し、他方ではプロデューサー、サウンド・エンジニア、ミュージシャン間のプロフェッショナルなコラボレーションを育むことを目的としています。技術開発者や業界パートナーとの緊密な協力のもと、制作、ライブ・イベント、サウンド・クリエーションにも力を注いでいます。
その結果設立されたレコード・レーベル、IAN Recordsは、究極的には、私たちの没入型音楽プロジェクトを世界中の聴衆がアクセスできるようにするためのプラットフォームなのです。私たちは現在、スタジオクオリティの没入型サウンドを配信する手段として、ピュアオーディオ・ブルーレイという物理的媒体を強く信じています。しかし、私たちの作品は、ドルビーアトモスなどのイマーシブ・サウンド・フォーマットをサポートするすべての主要なストリーミング・プラットフォームでも配信されています。
***引用ここまで
ということで、Auro-3Dファンのdonguri向けのアルバム、楽しく聴かせていただきました。以下簡単なご紹介と感想です。
*「Resonance」 by Boris Blank
シンセサイザーによるオリジナル曲のアルバム。音がいろんなところから聞こえてきたり移動したりするのが面白いのじゃないかと期待して購入したが、期待したくらいの面白さは感じられました。音楽の系統としては、プログレシブロックかな。一連の組曲でアルバムが構成してあり、水の流れや鳥などの環境音も入ってくる。1時間ほどこの世界に浸れる感はあった。ものすごい独創的な作りというほどではないかな。2ch、Dolby Atmos、Auro-3D (7.1.4)の音が入っており、マルチチャンネル再生環境を持っているなら、どうだ面白いだろう!とイマーシブ・オーディオ初心者の来客に聴かせるのに良いかも。
*「ORACLES」 by Tetragon project
Stefan ZaradićというIANレコードのCEOをしている人の作品なので、IAN レコードの趣旨を最もよく体現している音楽・パフォーマンスのアルバムですね。クラシック(現代音楽)、プログレシブロック、ジャスのいろんな要素があるが、クラシック(現代音楽)とプログレシブロックの中間が一番近いかな。前半はスタジオセッション、後半はライブ映像というハイブリッド構成で、IANレコードのイマーシブ・オーディオのプロモーション的作品と言っても良いかと感じました。2ch、Atmos、9.1 Auro-3Dで収録されており、やはりおすすめはAuro-3D版と感じました。
*「24」 by Jazzmachine
ジャズ系音楽には疎いdonguriでも聞いたことがあるグループの作品。このアルバムはジャズを楽しむアルバムといっていいかと。ジャズをイマーシブ・オーディオで聴きたいという方におすすめ。非常に聴きやすいスムーズな曲が多い。2ch、5.1DTS-HM MA、Atmos、7.1.4 Auro-3Dそろい踏みの音源で、フォーマット聴き比べが出来ます。donguri、今回、ダイレクト販売でこれを購入したら、Jazzmachine RadioというCDアルバムをおまけにつけてくれました。せこいdonguriとしては、なかなか得した気分になれました。
*「Welcome to Dark Matter」 by Ursula Reicher & The Globular Cluster
ウルスラ・ライヒャーという女性ボーカリスト兼コンポーザーの思いが詰まっていると感じられるアルバム。ジャケットの絵や題が衝撃的で思わずポチってしまいました。
IANレコードの他のディスクにも共通しますが、ブックレットやアートワークが丁寧に作られていて、ダウンロード販売にはない音楽の楽しみが味わえるのがdonguri的にはうれしいです。ブックレットの出来は今回の5枚の中ではこれが一番良いです。効果音・楽器の配置や移動などマルチチャンネルオーディオの楽しさも十分感じられました。音楽はジャズとクラシックとプログレシブロックを行き来する感じです。結構聞き入ることができました。
*「RAUM」 by Martin Kälberer
ケルベルという人、一人で、ピアノ・シンセ・ハンドパン・ビブラフォンなど多彩な楽器+エフェクターを駆使して作り上げる音楽をライブ収録している。非常にユニークな音楽。現代音楽的要素はあまりなく聴きやすい。2chとAtmosのみでAuro-3Dではないが、パフォーマンスの質としては今回聴いた中では一番良いかも。でも1人じゃなく数名のアンサンブルでやったほうがさらに面白い絵になるなという気もした。
IANレコードでは、クラシック系の曲のアルバムもありますが、まず手始めとして、マルチチェンネル録音の効果が顕著であろうと期待した物から聴き・見ました。クラシック系は、ド派手な音響の演出はあまりないと思いますので、今後ぼちぼち試してみようかと思ってます。
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相変わらず、Auro-3D研究を深めていますねぇ。
私もこのレーベルのDiscはいくつか持っており、「確か」2番目と3番目に紹介されているものは私も所有している「はず」で、聴いたことはあるような「気がします」(笑)。
かくもNot sureなのは、一度聴いて「もう聴かないAuro-3Dソフト」リスト入りしているからです、多分(汗)。
Donguriさんは、好奇心を持っていろいろな音楽をお聴きになっておられて、許容範囲が広いんですね!私はどうも、音楽の趣味に関しては相当コンサバなようで(絵画はavant-garde好きなんですが…笑)、好き嫌いが激しいみたいです(汗)。
今度お邪魔した時に聴かせていただいたうえで、自分のシステムでももう一度聴いてみようという気になりました!
Auro3Dさん
いつもコメントありがとうございます。
聴く音楽に関しては許容範囲は広いほうかと自覚しております。
どんな分野でもたまに感動できることがあるので、いろいろ試してみてます。音質的にはバイオリン属の独奏や合奏が一番当たる可能性が高いとは思っていますが、自分が良いと思える音楽はなんなのか?法則性が自分自身わかってません。
イマーシブオーディオにコミットしているレーベルは少数派ですので、この手のマイナーレーベルについて今後もいろいろ探っていきたいと思います。
donguriさん
「RAUM」 by Martin Kälberer は Auro-3Dがないので購入していませんでしたが、購入してみます。レビューありがとうございます。
donguri さんの環境は AtmosもAuro-3Dも楽しめるので良いですね。
私は現在、Dolby Atmos 音源(Bru-rayでなく.音声ファイルで購入できる音源)をAuro3D Encoder でトランスミックスしてAuro-3D音源にして楽しんでいるのですが、Dolby Atmos 環境がないので、もともとのDolby Atmos 音源との差が検証できません・・・
いつかdonguri邸で検証させてください。
きょやさん
コメントありがとうございます。
Kälbererさんの作品、パフォーマンスは今回初めて視聴いたしましたが、世の中にはいろんな演奏スタイルがあるなーと感心して聴いておりました。まあ、「イマーシブオーディオ」というこだわりがなければ出会わなかった音楽ですね。
Atmosスピーカー配置(天井スピーカー)だと垂直方向の広がりはAuro-3D配置より有利ではありますが、曲によって、どっちが良いかいろいろだなあと思います。2ch音源のアップミクスはやはりAuro-3Dスピーカー配置のAuro-Matic一択な感じになっております。