オーディオ回帰をしたころに、何を買ってよいのか分からず購入した長岡鉄男氏推薦盤です。今になって聴き直してみると、ようやくその良さに気付きました。
きっかけは、友人が「カンターテ・ドミノ」の話題を出していたことでした。自分が興味である教会の話題と共に書かれていたので、ラックの中から探し出して聴いてみたものです。
PLAYボタンを押すと、思わず目が丸くなりました。リスニングルームが教会にワープして、目の前でオルガンが鳴りだしたように感じたからです。響きを全身に感じる聴こえ方でした。ウィーンの教会で感じた、「響きを強く感じるのだが、明瞭で濁りなく、少し硬質な音のお風呂につかると、その音が体の中に染み込んでくるようなサウンド」が現れたのです。教会の響きで広がる合唱や、響きで音色が柔らかく感じる金管楽器も見事です。
解説書を読むと、スウェーデンのストックホルムの教会で録られたもののようでした。
聴き進むと暗騒音が目立ちます。マイクに風が直接当たったような、ゴォーという音が入っています。これを気にするかしないかですが、素人の推測では、現場の再現性を重視して、編集を最小限にとどめたようなソフトなのではないかと思いました。自分の価値観では、素晴らしいソフトです。
そんなことからもう一枚、ラックの中を探してみました。同じ長岡氏が、超優秀録音であると推薦していたBISの「ラ・スパーニャ」です。
こちらも驚きました。古楽曲を響きの強い空間で演奏する様子が、目の前に現れます。古楽器の音色が透明で鮮度が高いです。そして、何よりも響きが自然です。その心地よさに、聴き惚れてしまいました。
こちらは、スペインのマドリッドにある大学の礼拝堂で録られたもののようです。
聴き進むと、楽器毎の音の大きさなどややバランスの悪さも感じますが、素晴らしい録音です。こちらも編集を最小限にとどめたようなソフトなのではないかと思いました。
これらのソフトを買った時には、その良さが良くわかっていなかったようです。今にして聴き直してみて、その良さにあらためて脱帽しました。
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