10年近く定点観測を続けているベルウッド邸で最新サウンドを聴かせてもらいました。前回の訪問からは約1年ぶりとなります。このところのオーディオ活動は、前段のPCからの送り出しに力を入れている様子でしたので、自宅のCDPもそろそろ限界が来ている実情も含め、情報収集も兼て訪問しました。
リスニングスペース全体の様子はそれほど変わった印象はありません。
ですが送り出しのPC周りは、PC2台体制から4台体制へと大きく変化しているとのことです。
システムブロック図を使っての詳細説明をしてもらいましたが、構成も理屈も複雑で説明内容の半分も理解できませんでした。
それでも、音を聴かせてもらうと大きな変化を感じました。衝撃的なほどに。。。
何が変わったのか、
結論から言えば、今回のサウンド変化は二つの点が印象的です。
1)CDからリッピングした音源でも、PCからの再生がCDPを大きく上回ること(DACはいずれもエソテリックK1内臓DAC使用での、送り出しデータ違いの比較にて)
2)音の厚みが増し、特にボーカルが目覚ましい進化を果たしたこと(こちらの進化理由は後述しますが、オーディオはどこが音を悪くしているかを見つけて、そこを対処することが極めて大事と改めて感じました)
変更内容などの説明の後に試聴タイムが始まります。
ジャズやポップスのボーカルものが次々にかかりました。
そのどれもが生々しく、実在感があるではないですか。ここ10年間聴かせてもらった印象は、“空間表現に優れ、綺麗な音だが、音が薄くなりがちなサウンド“と感じていました。それが、今回試聴では厚みのある歌声が迫って来ます。衝撃的なサウンドだったので、オーディオ仲間のライバル心とでも言うのでしょうか、思わずマイナスポイントを探してしまいました。
初っ端で大きな変化を感じたのでリクエストを出しました。
ヒジ:「そろそろ定点観測のカリヨンとカノンを聴かせてください」
ベル:「いや、それはまた後で・・・」
これまでのオフ会では、「最初に定点観測音源から・・・」というパターンが続いていたので、今回は何やら作戦があるのか?と思いながら、オーナーの意思にしたがい試聴は進みました。PC音源を主体に次々と聴かせてもらいましたが、冒頭のボーカルの衝撃が大きくて、その後は流れていった気がします。
休憩を挟んで、いよいよ定点観測音源タイムです。
ここでは、CDとリッピングした音源の両方を聴かせてもらいました。
ずっと聴き合ってきた音源ですが、ここでも大きな変化を感じました。
変な言い方ですが、「ウチで聴く音と同じだ・・・」と言うのが率直な感想です。これまでは内心、「大型スピーカーでないと出せない音もあるんです」と思いながら聴いていた部分もあったのですが、小型スピーカーが不得意とする部分が払拭されているではないですか。そんなサウンドを聴いて、またもライバル心が頭をもたげてマイナスポイントを探してしまいました。
更には、この定点観測音源でのCD vs CDリッピングFILEでの比較にも驚きます。PC再生では、どの音源を聴いても一つ一つの音の芯が明瞭です。言い換えると、CDで聴くと音がボケて聴こえる感覚だったのです。これだけの差があるなら手間を惜しまずに、全ての手持ちのCDをリッピングする気になると思いました。
同じ音源での、アナログとCDとPC比較も聴かせてもらいました。その中でも自分が一番気に入ったのはPCでの再生でした。ここまでPC再生の音がいいなら、PC一本に絞ってもよいのではないかと。。。ですが様々な話をしていく中で、今回のサウンドアップで一番のキモになったのは冒頭2)の音の厚みが増し、特にボーカルが目覚ましい進化となったことだ!ということです。以前よりも音量感も随分上がった印象でした。
⇒「オーディオはどこが音を悪くしているかを見つけて、そこを対処することが極めて大事」
わかってはいることですが、ベルウッド邸では何をしたのでしょうか?
その種明かしは、アンプ用のバッテリー接続コネクターの防振対策だと言うではないですか。以前から接続コネクターの防振対策はしていたものを更に強化したら、音の厚みがぐんと増したとのことです。バッテリーを採用されてから5年以上聴かせてもらっていますが、今回の変化は大きかったです。もっと言えば、高級CDPのエソテリックK1を採用された時の変化よりも、PC4台体制の送り出しの効果よりも大きいのではないかと思います。
たったこれだけのことで・・・、ボトルネックを対処していくことが大事だということは身に染みて感じていたこととは言え、改めて思い知らされたオフ会でした。大量の日記をアップされているベルウッドさんですが、これに関する日記はアップされていましたでしょうか?読んだ記憶はなかったです。でも、もし日記を読んでいたとしても、これほどの衝撃を感じたでしょうか。定期的な相互訪問を続けているからこその実感ですね。持ち込みDiscも実によく鳴っていました。
このところ自己の音楽活動に専念しており、時間も取れずにオーディオ活動休止中だったのですが、相互交流はいいですね。仲間のレベルアップに刺激され、ボトルネック対策に触発され、自宅での次の一手のアイデアが浮かびました。早速試してみると、これが当たり!です。そろそろ送り出しの機器も買い替えの時期かと思い、資金調達を考えながら情報収集をかねての訪問だったのですが、手持ち部品の簡単な処理で、お金も時間もかけずにサウンドUPが図れたのです。これについては只今検証中ですが、まだまだ今の機材で持ちそうです。1年ぶりの衝撃に笑いが止まらない訪問だったです。
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お久しぶりです。
写真では、防振対策が今一つ理解できないので、差し支えなければ教えて下さい。
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椀方さん、ご無沙汰しています。
バッテリーの防振対策ですが、詳しいことはお聞きしませんでした。この点については、ベルウッドさんがレス欄か日記で詳細を書いてくれると思います。
ただこの事象は写真の通りで、一般部品を活用することで、オーディオ用の製品までに防振を考慮していないことによる影響が出たものだと思われます。オーディオ用の電源コンセントにしても、壁コンにしても、機器接続のプラグにしても防振の配慮がされているのが普通ですし、マニアであれば追加の対策をしているのも一般的ですね。
そんな振動にシビアなオーディオ機器や環境において、汎用の製品を持ち込むと振動に対する配慮を独自に実施する必要があったという事例かと思われます。そこがボトルネックになっていたのかなとの推測です。
その中で、この日記で言いたかったことは「オーディオはどこが音を悪くしているかを見つけて、そこを対処することが極めて大事」と言うことです。どこにボトルネックがあるのか。そこに手を入れないと、他の部位をいくらグレードアップしても頭打ちとなってしまうことがあると言うことなんです。
拙宅での事例で言えば、下記が頭に残っています。椀方さんにも聴いてもらったものがあるかと。
1、壁振動
普通の住宅にB&W802Dを持ち込み、かなりの音量で音を出していたときに壁が悲鳴を上げていました。壁が振動してしまい、低音過多でかつ質の悪い低音が部屋中に溢れてしまいました。
この対策は案外簡単で、100均で売っているクッションテープ付きのマーブルを壁に貼ることで大きく改善しました。ダイナミックダンパーの効果です。
この頃はPhile-webにも日記を書いていましたので過去日記がありました。
http://community.phileweb.com/mypage/entry/1796/20090815/13382/
http://community.phileweb.com/mypage/entry/1796/20090816/13391/
http://community.phileweb.com/mypage/entry/1796/20090822/13486/
このあたりでしょうか。
2、スピーカー設置部他の床の剛性、振動対策
これをやっていた頃は、別の場所でしか書いていませんでしたので何点かリンクしておきます。
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1619368712&owner_id=20058209
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1620760244&owner_id=20058209
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1623445994&owner_id=20058209
その他にも、オーディオ用のコンセントにACアダプターをつないだら、ノイズがオーディオ機器全体に回ってしまったなどの事例も、その一つかと思います。
繰り返しになりますが、自分のオーディオ環境において「オーディオはどこが音を悪くしているかを見つけて、そこを対処することが極めて大事」と言うことが言いたかったことです。
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平蔵さん、コメントありがとうございます。
ラーメン食べ歩きの味評論を失礼しました。
上手いラーメンを作るのに、きっと日夜研究し、努力をした結果が上手いラーメンと評されるのでしょうね。セオリーだけでは実らないのかもしれないです。
一方で、計測や汎用性を求めることも大事なことだと思います。それら全てを一つに表すのは困難なことでしょうから、内容に即して表現していけばよいと考えています。
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ヒジヤンさん、はじめまして!
無事に再生しているようで良かったです!
ベルウッドさんここまで大変苦労をされていましたので・・・(汗
日記を読んでとても安心しました(笑)
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MFさん
レスありがとうございます。
MFPCの件、採用当初から大変お世話になっていると、ベルウッドさんから聞いています。
MFPCのMFさんの開発努力や他の方の導入における使いこなしの努力に敬服しています。今回試聴でも、リッピングFILE再生がオリジナルCDを大きく上回る再生をすることに驚きました。
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ヒジヤンさん こんにちは
ステージが 楽しいから もう オーディオからは 遠ざかったかな?と思っておりました。
K1が MFPCに 較べて ボケて聴こえた??なんて ベウッドさんには もう少し K1が うまくなるように 頑張ってもらいたいですね(笑)
>「オーディオはどこが音を悪くしているかを見つけて、そこを対処することが極めて大事」。
そうですね。 それを 見つけて 対処する 知識と 実行力を 身に着けるのが 至難なんですね。
ヒジヤンさんの 引き出しには 脱帽しますが 今回は 何をどうしたのでしょうね。??
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先日はありがとうございました。また、過分なご評価をいただきとてもうれしいです。
MFPCのクウァッドは導入したばかりで、直前まで初期トラブルの対応で悪戦苦闘していて、プログラムなど十分な準備ができておらず至らない点が多々ありまして失礼しました。耳のストレッチのつもりが、ちょっと長々と似たような音源ばかりを続けてしまいなかなか本題に入らなかったのもそのひとつですね(汗)。
小型スピーカーであっても低音ががぜん出るようになったのは、やはり、K1の導入が大きかったです。上流のグレードが上がることで低音が充実するという発見はMFPCのおかげです。常識に反するかもしれませんが、低音というのはスピーカーのみかけの大きさやアンプのパワーではなく、最上流のSNや分解能なんです。スペクトルを計測してもわからないでしょうね。
低音といっても、人を驚かせて喜ぶような邪心満々の低音ではありません。むしろ、一番の音楽的充実はボーカルなんです。
もちろん中低音が充実してオーケストラのピラミッド型の帯域バランスが出てきましたし、ボーカルも存在感が飛躍的によくなりました。ところが新たなアラが気になり出し、クラシック系、特にソプラノではなかなか満足がいかないので悩んでいました。
趣味としてオペラを歌い、そのために本格的なボーカルトレーニングを受けておられるヒジヤンさんをお迎えして、緊張していたのはそのことなんです。
仰るように、システム全体が新たな進化を遂げると、ボトルネックが変わってしまい、新たな問題が生ずるのです。そこに気づけるかどうか。気づいても、その原因を解明し対策が打てるかが肝心なのですね。
今回は、最後の最後が、アンプの電源バッテリーの防振対策だったというわけです。
ひと言で言えば、ラーメン構造工法ならぬ、ソーメン工法っていうところでしょうか(笑)。麺類といっても、私は、ソバアレルギーなので、信州そばは絶対にダメですが(爆)。
まことに些細なことでチャチな対策なのですが、後ほど内容を具体的にご紹介しますね。話題をとっておいてありがとうございます。
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X1おやじさん、レスありがとうございます。
このところオーディオ活動を休止していてすみません。ステージが楽しいということもあるのですが、何をテコ入れしようかというアイデアがまとまらずに動けていなかったのです。ですが、今回のベルウッド邸への訪問から触発されてアイデアが浮かびましたので、今はオーディオを楽しんでいます。笑いが止まらないなどとゲスなタイトルとしてしまいましたが、オーディオは本当に楽しいです。
>K1が MFPCに 較べて ボケて聴こえた??なんて ベウッドさんには もう少し K1が うまくなるように 頑張ってもらいたいですね(笑)
これは・・・鋭い突っ込みかもしれません。
思い返してみると、ベルウッド邸のK1はウェルフロート2段重ねした上に置かれていました。もしかすると、ウェルフロートの揺動がCDの音をボケさせていた可能性はあります。K1の内部振動を外部に逃がす構造が優れているとすると、ウェルフロートの振動を逃がす効果よりも、揺動による悪影響の方が大きく出た可能性はありますね。こんな推測がオーナーのアンテナに引っかかれば、ウェルフロート外しを試してみる価値があると思いました。
実は、新たに思い浮かんだアイデアもウェルフロートに関することなのです。ただ今検証中なのですが、オフ会での会話をきっかけに後から思い浮かびました。そんな推論や実験はとても楽しいですね。これだからオーディオは止められません。
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ヒジヤンさん
単身赴任時代に何度かお伺いしていた頃の対策がVr.1だとすると、今のヒジヤン邸の対策はVr.10かそれ以上でしょうね?
>どこが音を悪くしているのかを見つけて
と、事も無げに書かれてますが、知識と経験の積み重ねを経れば検討も容易につくようになるでしょうが。
ベルウッドさんのコメントにも有りますが、音源を送り出す側の質が上がると、スピーカーが良く鳴るようになりますね。
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>K1が うまくなるように 頑張ってもらいたい
X1オヤジさん、ヒジヤンさん
たいそう挑戦的なセリフですね。
DAC はK1の内臓DACです。ですからDAC以下は全く共通ですので、MFPCとK1のトランスポートのガチンコ対決になっています。どうぞ、直接比較されてK1のCD読み取りの方が上回るのが当然だという証明をお示しください。
ヒジヤンさんの新機軸のアイデアには特に期待します。
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ベルウッドさん
とても勉強になり、有益なオフ会をありがとうございました。
リッピングFILEのPC再生の音に驚き、ボトルネック解消の効果に驚き、自宅の音を悪くしている要因に気づき対策案も浮かぶと言う、願ったり叶ったりのオフ会でした。
そして、汎用バッテリーの振動による悪影響と対策の件は今回の事象のみならず、今が旬のPCトランスポートに全面的に応用できる対策なのではないかと思います。
そのように思った理由は下記です。
1、多くのPCトランスポートは汎用品であり、オーディオ用の機器のような防振対策が行われていないこと
2、自宅でもブルーレイドライブの防振性能が極端に低く、簡易的な防振対策をすることで目覚しい音質変化があったこと
3、PCの電源周りはすでにオーディオ用の電源を採用することにより音質向上することが確認されていること
4、上記から、PC関連の機器はオーディオで築いてきた防振対策を適材適所に実施することで、更なる音質向上が期待できると思われます
このあたりは、システム開発を得意とするMFさんと、使いこなしマニアのベルウッドさん他が協力しながら進めると飛躍的な向上が図れるのではないかと思った次第です。
K1でのCD再生の件は、出過ぎた発言ですみません。ウェルフロートの2段重ねがどうも理屈的に納得できずに気になっていました。
オフ会から生まれたアイデアの件は、現在検証中です。ある程度確認が取れたところで検聴してみて下さい。使用前/使用後が簡単に比較できる内容ですし、ウェルフロートを使われている方には簡単に応用が可能な中身です。
それにしても定点観測オフ会は、楽しくもあり有効なオーディオ活動ですね。またよろしくお願い致します。
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椀方さん
単身赴任時代はよく聴いてもらいましたね。
あの頃と使用機器は同じですが、サウンドはかなり変わったのではないかと思います。
「オーディオはどこが音を悪くしているかを見つけて、そこを対処する」
こればかりやって来ました。
だから、それが大事だと思うのかもしれないです。
上流の音質向上は全体に効くことはわかってはいるのですが、流れが速すぎて、どのタイミングで代替を図るのがよいかと、とても迷います。幸いなことに今回のオフ会から思い浮かんだことでレベルアップが図れそうなので、もう少し市場の動向をウォッチしていようかと考えています。
オーディオって楽しいですね。
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>PC関連の機器はオーディオで築いてきた防振対策を適材適所に実施することで、更なる音質向上が期待できる
私の答えは“Yes”です。
そして実際に実施しています。MFさんは防振対策には無関心なほうなので、勝手に黙々とやっています(笑)。セットアップしていただいたミニPCやパンダは、改めて筐体を開いてREALSHILDやfoQなどを要所要所に施しています。基板間のケーブルや電源ケーブルなども可能な限り、アルミ箔+CMCを施しています。この辺りは、CDPやHAP-Z1ESなどで培った技法です。
肝心なのが、アンプのバッテリー電源に施した対策はPCではどうなのか?ということですが、実は、これもPCにさっそく応用しました。これは効果を感じます。あまりにいっぺんにいろいろ言うと大変なので、おいおいレポートいたします。おそらくヒジヤンさんのブルーレイドライブなどにも応用できると思います。
CDPのウェルフロート二階建てのことですが、その経緯は、こちらの日記を再読してください。
↓
http://community.phileweb.com/mypage/entry/2408/20190129/61631/
オフ会でも雑談的にお話しした通り、私自身もCDPなどの回転体でウェルフロートが効果があることに《理屈》で納得はしているわけではありません。けれども、だからといって実際に効果があるのに理屈でそれを否定するわけにはいきません。
私のラックは、FAPS製でサイドプレスと同じ構造です。高張力鋼の角パイプを溶接した鉄骨構造。言ってみれば、ラーメン構造というわけです。そういう土台があってこそウェルフロートは初めて効果があるということなのかもしれません。単に重ねて、その上にぽんと載せるということだけではダメなのでしょう。
日記でのレスのやり取りでも、ヒジヤンさんからいろいろよい問題提起があって、私も必ずしもそれにちゃんと答えているわけではなくほったらかしのこともあります。ここは、お互いに議論と検証を重ねて、深掘りしていきましょう。
「ウェルフロート二階建て」日記のレスにもありますが、私の印象は、ウェルフロートはDACのほうにより効いた気がしています。VRDSメカはすでに重厚長大の極みで完成度は高い。今月、発売されたK1Xではさらに重改造されたものになったそうですが、個人的にはもはや限界に来ていると思っています。
話しは脱線しますが、そのGRANDIOSO K1Xでは、トップパネルがフローティングされているそうです。具体的にはわかりませんが、ヒジヤンさんの提唱したことと同じアイデアが使われているということなんだと思います。この天板のフローティングについても、アンプのほうであれこれ試してます。これもいずれレポートしますね。
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ベルウッドさん、ウェルフロート2段重ねの過去日記の紹介をありがとうございます。
中身を確認したら、この時点でも自分は反応して沢山の書き込みをしていますね。もう忘れており、大変失礼しました。
ベルウッドさんとの文章による論議は何年ぶりくらいでしょうか?確か、5~7年くらい前は別所で盛んに論議していましたね。周りから見ると、「喧嘩にならないかハラハラした」「仲が良くて羨ましい」などと言われたものです。
ですが、文章での論議もよいですね。冷静になって見返すことが出来ますし、記録に残しておくことも大事かと思いました。
ウェルフロートの効果は、個人的には振動を逃がすためのボードととらえています。スピーカーや他の機材が内部で発生する振動を、機器の揺動にエネルギー置換する装置です。エネルギー置換時に機器を揺動させるので動いてしまう弊害があります。振動を逃がす効果と動いてしまう弊害のプラスマイナスで、どちらの影響が大きいかでプラスに働くか、マイナスに働くかが決まると捉えています。
振動をボードでエネルギー置換するにあたり、機材の内部で発生した振動が伝達経路を経てボードに到達する時点では、伝達経路上での伝達特性や共振からXYZ方向の複雑な振動となっているはずです。ですからユニットの動きの方向が単一なスピーカーのみでなく、回転体が振動を発生させるCDPでも振動を逃がす効果は期待できます。
K1などのエソテリックの防振構造も回転メカが発生させた振動を、ケースの足に逃がす構造となっていますね。
この足の部分からボードに振動を伝達し、この振動を機器の揺動にエネルギー置換するメカニズムです。
問題は、この揺動です。
自分がこれまで実験してきた結果からは、CDPのトランスポート機能は恐ろしく揺動に弱い点です。機器を動かしてしまうと音がボケてしまいます。この辺りは散々実験しましたので肌身に感じていることです。
ウェルフロートの2段重ねは、バネにバネを重ねることになり、負の要素である揺動を大きくすることになりますので、CDPへの採用はどうかと思うのです。
このあたりのことも、新たなアイデアの検証の中で基礎実験が出来ますので試してみましょう。この研究は単にウェルフロートの使いこなしの範囲にとどまらず、オーディオ機器の適材適所な防振方法というテーマにつながる話ですので、楽しみでもあり取り組み甲斐のある内容だと思います。
拙宅での実験や効果確認はいつでも大丈夫なので、お楽しみタイムをやりましょう。メールします。
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ヒジヤンさん、横レスです。
ベルウッドさんの使われているウェルフロートはフルコンメカの物で、新たにL型クランクが付属しており、それがカンチレバーのような役割をしているようです。それに加え2倍に太くしたワイヤーと剛性を高めたスペーサーで支えていますので、今までの少し押したらフラフラ動く仕様とは異なる物です。重心の下がった解像度の高い締まった低音が出るのが持ち味だと思います。
拙宅の実験でもこのフルコンメカ仕様の二階建て仕様にしますと、更にSNが上がることが確認されました。ウェルフロートの底板に歪が残っていてそれを下のウェルフロートが取ることだと推察されますが、理論的にどうなっているのかわかりませんので、出て来る音に納得が行けばそれで良いのかなと思っています。
大阪の友人がジークレフ音響の社長宅で同じように二階建てで実験をされました。社長としては一段で十分効果が上がると思っていたようですが、二階建ての効果が更に上がることは認めざるを得なかったと聞いています。
開発者にもまだ解明されない部分があるのかもしれませんが、論より証拠で、一度フルコンメカの二階建てを試されたらいかがと思います。薄型でないとかなり厚くなってしまいますのと、2倍に費用がかかるのが少し難点です。
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Harubaruさん、アドバイスをありがとうございます。
ウェルフロートは私も使っていますし、メリットとデメリットを把握して工夫しながら使って来ましたので、そのメリットを最大限生かすように活用してきた自負もあります。その視点からの考察です。
1、ウェルフロートのデメリットは動いてしまうこと(揺動すること)です。
2、フルコンメカではバネが硬くなっていますので、同じ振動を受けたときにデメリットである揺動量が減る効果があると思われます。
3、フルコンメカは、このデメリットを減らすことで音がよくなったと感じられたのだと想定出来ます。
4、しかるに、2段重ねとすることで折角バネを硬くして揺動量を減らした効果が、また揺動量を増やす効果に働いてしまいます。
5、例えば、2倍に硬くしたバネを直列につなげると、バネ乗数は1/2となり、最初と同じ硬さに戻ってしまいます。
6、以上から折角フルコンメカにしたのに、2段重ねにして使用することは納得がいかないのです。
今回のベルウッド邸訪問をきっかけに、このウェルフロートの振動を効果的に逃がすメリットを活かし、揺動のデメリットを減らす手法を思いつきましたので現在実験中です。一聴してよい結果が出ましたので、現在はマイナス面が無いか粗探し中です。ですが自分が考えたもの、思いついたものはあばたもえくぼと言いますか、粗探しがし難いものなので、粗探しのプロであるベルウッドさんをお招きして検証レベルを上げようと算段しているところです。これまで散々に粗を探してもらい、そのおかげで今のサウンドがあると感じておりますので(笑)
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ヒジヤンさんこんばんは。
私もウェルフロートを愛用しております。
ところで、二段重ねとなると基準となる支点は何処になるとお考えでしょうか?
ヒジヤンさんの見解を知りたいです。
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ニッキーさん、こんばんは。
>二段重ねとなると基準となる支点は何処になるとお考えでしょうか?
問合せの意図がもう一つ掴めませんが、
ものを支える機能の視点では、下のボードの下面と捉えます。
機器の振動を逃がす機能では、上のボードの上面と捉えます。
その視点からは、二段重ねとすることで背が高くなり、振り子方向の動きに対しては重心が上がる事で変位量が増えてしまうデメリットもありますね。
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ヒジヤンさん こんばんは。
《オーディオはどこが音を悪くしているかを見つけて、そこを対処することが極めて大事》
金言に思います。システム全体を通して足を引っ張っているところを見つける嗅覚に優れた人のオーディオは聞き応えがあります。それが理屈か運か直感かに依らず。
ウェルフロートの話題で盛り上がっているようですが私の推測では「水平」が1つの鍵ではないかと考えています。一段使いと二段使いでは揺さぶられて動いた時の動的水平はどう違うのか、また今回得られた知見でヒジヤンさんの上流がどう変わるのか気になります。
目処がついたら多少は進んだ自分の音をリファレンスにまたヒジヤン邸の音を聞かせていただけると幸いです。ではでは。
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high speedさん、レスありがとうございます。
>私の推測では「水平」が1つの鍵ではないかと考えています。
・ウェルフロートはU字型のバネを使って下側のボードから上側のボードを吊り下げる構造となっていると聞きます。
・この吊り下げバネは単独で支えたのでは、ボードは傾いてしまいます。
・この傾きを抑制するために、四角のボードでは4隅にあるU字型のバネを対向方向に配置することでボードが傾かないように抑制し合う構造となっています。
・ですから、構造上ボードの動きは完全水平ではなく、略水平方向の動きとなります。
・極端な話では、4隅の一か所に荷重をかければ斜め方向に傾きます。
・その構造から、設計の意図通りに略水平方向に揺動させるためには、ウェルフロートバネの対角する交点と、載せる機器の上方から見た重心を合わせるのが理想の配置ですね。
・一方で、スピーカーの配置は部屋との相対関係でかなり微妙です。mm単位、0.mm単位が効いて来ます。
・ウェルフロートのバネの対向方向の交点と載せる機器の重心の位置の関係はそれほどシビアではないので、微調整の段階ではスピーカー位置を優先させる方が得策と思います。
・またアンプやCDPなどの電力機材も重心位置がトランスなどの配置により前後左右方向に偏っているのが普通ですが、見栄え重視でボードのセンター置きでいいのかなと思っています。(電力機器にウェルフロートは使っていませんので試したことではないのですが・・・)
こんな見解を持っていますが、ウェルフロート単独の使いこなしの視点では、動的に水平方向に揺動するようにセッティングするのが理想という見解は間違えないと思います。
二段重ねだとどうなりますかね。水平方向から見て、支持点から作用点までの距離が増える分不利になるような気もしますが・・・
拙宅の音を聴きたいと言ってもらえるのは光栄です。タイミングの合うときにお越しください。また、high speed邸にも「音がまとまり、聴かせたいと思った時に聴きに行く」約束も忘れていません。定在波対策に悩んだ同胞です。お声掛けください。
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まったく同意です。
ウェルフロートは水平に…言い換えれば、脚(メカ部)に均等に荷重をかけることが大事です。
セッティングとしては、ヒジヤンさんの仰るとおり、ボード上の中心に載せる機器の重心を合わせてあげる必要があります。スピーカーは重心が前寄りなので、ぎりぎりの大きさのボードではうまくありません。やはり、スピーカー底面で重心位置をあらかじめ測ってマークしてこれに合わせてあげることが肝心です。これもヒジヤンさんの言うとおりで、だいたいミリ単位ぐらいで合っていればよく、あまり神経質になる必要はありません。
私は、K1導入時になんとかウェルフロートを導入しようと、メカ部がひとつだけのクワッドリングも試しましたが、水平に安定して設置することがとても難しくて断念しました。
クワッドリングの利点は、メカ部をつなぐボードがないことです。ウェルフロートではボードの鳴き(振動のくせ)が泣き所です。荷重均等が成り立たないと、このボードの振動の弱点が増幅されるようです。その点、クワッドリングはメリットがあるのですが、それでも水平にセッティングできる条件が整っていることが大事だと思います。
CDPやアンプ類は、見かけとは違っていて重心が筐体の幾何学的中心から大きくずれていることがほとんどです。私は、これが、CDPやアンプには効かない(場合によってはかえってよくない)ということがある一因ではないかと推測しています。
例えば、私が以前使用していたDENON CDP-SA11は、メカ部は中心ですが2個のトランスが向かって左側に配置されています。LUXのCDPはメカが中央ではく左側ですが、トランスとバランスさせて、もしかしたらけっこう重心は筐体中心にあるかもしれません。
現在使用しているGRANDIOSO K1は、メカ部は中央、電源は左右に振り分けてなおかつトランスも4個が左右と前後に振り分けられているので重心と中心が一致しています。もともと底部シャシーを4点支持で設計しているので均等になるようにしているのです。そういうことで、K1の場合はウェルフロート2階建てが一発で成功したのだと思います。
ウェルフロートは、アンプやCDPなどの回転体にはダメだと断定する前に、この重心合わせを十分な配慮をしたセッティングを試してもらいたいと思っています。ですから筐体にぴたりとサイズを合わせてしまうと大抵うまくいきません。購入前に、あらかじめ、機器の重心を測定して、重心合わせができる大きめのサイズを選んで注文することが必要です。
何だかウェルフロートの話になってしまいましたので話を戻させてもらいます。
久しぶりのオーディオ日記でしたので、訪問記に自己の意思がかなり色濃く入ったようです。自分の頭の整理のためにまとめておきます。
1、「オーディオはどこが音を悪くしているかを見つけて、そこを対処することが極めて大事」
折角高価な機器を購入しても、専用の部屋を用意しても、何らかな原因が音を悪くしていて中々抜け出せないことはよくあることです。音を良くしたい時は、音を悪くしている要素を取り除くことが大事だと感じています
これを実施するためのプロセスとしては、「問題点の摘出」「原因の特定」「対策の実施」「他への影響の確認~修正」となります。
問題点の摘出
これは自分が感じていることもあるでしょうし、こんなものだろうと割り切っていることや、諦めていることもあるかもしれないです。こんな時は他の人の音を聴かせてもらったり、聴いてもらうのは有効な手段だと思います。
原因の特定
ここが一番難しく大変ですが、すぐに対策に走らずにじっくりと取り組むことが大事だと思います。音の上流から出口までをひとつづつ確認する。電源、音響、振動などの環境影響を確認する。そして、原因を一つに決め付けずに、色々な原因の可能性を探ってみることも大事かと思います。
自分の経験からは、配線ミスや接続不良などを除けば、電源、音響、振動などの環境影響により音が悪くなっていたケースが多いです。
対策の実施
原因がわかれば対策は容易です。対策の情報はベテランの経験や、ネット上にも沢山の情報が溢れていると思います。
他への影響の確認~修正
ここは気長にやることになります。ある対策をしたら、他が悪化してしまったというのはよくあることです。この音源とこの音源を確認しておけば概ね大丈夫などの確認用の音源を持っておくと非常に楽です。
自分のオーディオは、このサイクルを回していくことかなと思っています。
2、今後の上流の代替
今回のベルウッド邸で聴かせてもらったことから、FILE再生の優位性を感じました。ですが、PC活用では複雑な構成や使いこなしの難易度から本腰を入れて取り組まないとものにするのは難しいだろうと感じました。
加えて、流れが速すぎて着いてゆけるのか疑問です。MFPCもすでに4PC使いから、5PC使いにバージョンアップしているようですし、もう少し落ち着いて時間が取れるようになってからでもいいかなと思います。反面、汎用部品のオーディオ使用なので、上記1のサイクルを回しつつレベルアップを図っていくのは最高に楽しそうです。
訪問時は、最新機種のCDPに代替してハイレゾはSACDとMQAで楽しもうかとイメージしていたのですが、これも現時点の選択としてはどうかと迷いますね。
そして今回訪問をきっかけに思い浮かんだアイデアを実行している中で、今のシステム使用でも、まだまだやることがあると実感したので機器の代替は様子見とすることにしようかと思います。もう少し市場の動きをウォッチしようかと。
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