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オーディオ振り返り7 – サウンドの追い込み

日記・雑記
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低音の制御が出来るようになると、また別のことが気になってきました。部屋の悪さを取り除いていたつもりでも、押し出しの強い低音や部屋に充満するような低音を出すと諸々の影響が出てきます。振動は音を濁らせたり、音像を揺らせたり、細かい音をかき消したりします。だから振動対策が必要になります。スピーカーからの振動影響が小さくなると、機器の内部振動の影響が出てきます。振動影響はどこまでも付きまとってくるものです。

また、細かい音が出るようになると音響が気になるようになります。音が聞こえる位置の調整、響きの感じ方の調整などを少しずつ整えていく感覚です。

電源と音響と振動対策、少しずつ追い込みを進めました。そんな繰り返しをしていると、サウンドコントロールが出来るようになります。この音をこのように変えるなら、ここをこうすればいい、などのイメージがわくようになってくるのです。

ですが、ここでまた壁が立ちはだかりました。サウンドコントロールが出来ても、音楽を聴くのに、どのように調整するのがいいのか迷ってしまうのです。実演を聴きに行っても、ホールの違いや座る位置で聴こえ方は全く変わります。そして生演奏がいいかと言うとそんなこともなく、これならオーディオで聴いた方がよかったというケースもあります。生演奏は水もので、よく感じるときと、よくなかった時の幅が大きいと感じていました。

その点、オーディオは比較的安定しています。同じ音源を聴けば、いつ聴いてもサウンド面はそれほど変わらずに聴くことが出来ます。ですが、怖いのはこの点でした。一度調整してしまうと、その調整結果で音が決まる点です。

一時、コンサートホールの最前列で聴くのが好きでした。だから、市販のCDを再生してもコンサートホールの最前列で聴くような音に調整していました。でも普通のソフトは、最前列で聴くようには編集されていないはずです。でもそれを無理に作ってしまっていたのです。

更には、感動する音楽とはどんなものか。その時のサウンドとはどのようなものなのか。考えても答えは出ません。身をもって体験するしかないと思い、様々なホールの、いろいろなコンサートに出かけました。そうこうしているうちに何となく掴めた気分になっていたのですが。。。

「国内のホールやコンサートを聴いただけで分かった気になっているだけでは?」
と、ある方から言われました。悔しくて何か言葉を返したかったのですが、一言も出ません。だから、世界第1級と言われるウィーンに行って聴いてくることにしました。オーディオのための音楽旅行でした。世界一と言われるウィーンの楽友協会大ホールで聴くサウンドとはどんなものか確かめたかったのです。

やはり国内で聴くホールのサウンドとは違いました。当時の体験記から抜粋すると、エッセンスは以下となります。

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・ホールの音響と言うよりは、ホールが楽器のように鳴っていると感じた。段々畑状になっているステージが鳴っている。低音が鳴ると、客席の床もビリビリする。低音楽器は、この床に増幅されて怒涛のように押し寄せて来る感覚だった。

・鳴り響く低域、張り出し艶のある中域、あくまで透明な高域だ。低音は床面近くの低い部分にステージから迫りくる感覚で響く、その上に中域が位置して、高域は上から降り注いで来るような感覚を受けた。
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体験記の中では、「これぞ音楽を聴くためのサウンド」と絶賛していました。もう10年近く前の話ですが、当時はこの感動したサウンドイメージをベースにオーディオのサウンド作りをしていました。特効薬はありません。電源と音響と振動対策などを駆使しながら、少しずつ追い込んでいくしかないような気がしています。

振り返ってみると、2008年から2012年の5年間の活動がピークでした。オーディオ回帰以降の振り返りで記した内容も、この期間に集中しています。鳴らなかったマーラーも、ようやくここまで来たかと涙を流す日記もありました。大所を押さえたら、細かな部分に入っていく感覚でしょうか。

いくらやっても終わりはありません。喜んだり悲しんだり、赤くなったり青くなったり、紆余曲折の連続ですが、オーディオは生涯をかけて取り組める素敵な趣味ですね。自分が思い描くサウンドイメージに向かって今後も活動を続けていきます。

振り返り おわり

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