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「部屋が消える」 – 立体空間再生

日記・雑記
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「スピーカーが消える再生」とは、左右のスピーカーの焦点が合った時に受ける感覚だと感じます。そして、「スピーカーと部屋との整合が取れる」と、音は部屋中を埋め尽くして3次元の立体的な再生が可能になると感じて来ました。

クラシック コンサートでも、ジャズのライブハウスでも同様だと思います。音は空間を埋め尽くし立体的な音空間となっていますね。

これを自宅で再現するにはどうしたらよいのか?
リスナーを前後左右上下をスピーカーで囲んで立体的な音空間を再現する方法が、比較的容易に得られる手法かと思います。

ステレオでも、無指向性とすることで前後左右上下に音を出すことで立体感は得られます。そして、ダイレクトラジエータのスピーカーでも、音は球面波状に広がりますので、部屋中に音を回してやることによって立体感は得られるのです。
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前置きが長くなりましたが、「左右の音を揃える」日記の続きです。

5年間の取り組みから積み上げた成果として、エアコンの反対側に自然ジュート付きの反射板を設けることで、概ね左右のスピーカーから出る音は同じになりました。

これをステレオで再生すると、下記の効果が感じられました。
・今まで聴こえなかった音が聞こえて来る
・ステージがより明瞭に見えるようになる
※この効果に至るには、スピーカーのセッティングのやり直しが必要です。

次のステップは、「天井後方コーナー部のルームチューニング」です。

これまでの天井後方コーナー部は下記でした。

これを「左右のスピーカーの音を揃えた」状態で見直します。

『天井後方コーナー部のルームチューニング』
【対策前】
リスナー前方のステージは立体的に感じるも、リスナー横と後方に壁を感じる

【対策後】
:天井後方コーナー部の吸音材を廃止する
実際には何枚かある吸音材を一つづつ外していきました。吸音材は、前方のステージ感を得るためには効果的でしたが、リスナー横と後方の壁感覚を促進する方向と感じます。外していくほどに、壁感覚がなくなりましたので、全部外すことにしました。

:天井後方コーナーパッチの設置
以前から試したいとは思っていましたが、市販品は高いので効果がなかったら目も当てられません。自作するにも効果的なイメージが湧く素材がありませんでした。

そこで、今回の自然ジュートです。

大小のコーナーパッチを作成しました。

これを天井のコーナー部に取り付けて試聴します。

結果は小型のコーナーパッチの相性がよかったです。後方からの音がリスナーに程よく回り込むようで、「部屋が消える」印象でした。

大型パッチ:芳醇だが、音像がソフトフォーカスとなる
小型パッチ:部屋が消える印象が強く、音像フォーカスが犠牲にならない
※いづれのケースも、スピーカーセッティングはやり直す必要がありました。

◇今回の取り組みは、自分にとってのブレークスルーで間違えないです。

部屋の美観対策も進めました。
生成りの麻100%の布を通販で購入したらペラペラ布でした。ですので製作済みの自然ジュート反射板の上から被せる形での設置です。

音の悪影響も感じませんでしたので、これでOKを出しました。

これで15年間取り組んできた「マーラー再生への取り組み」も卒業とします。

顔を歪めながらマーラーを聴いていたころが思い出されます。

でも、聴いていくとまた何かやりたくなってくるのでしょう。終わりのないゴールに向けたスパイラルの休息ポイントのひとつなのでしょうね。

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おまけ1:bb7さんからの問いへのお答え
以前の日記からの振り返りです。
1)顔を歪めながらマーラーを聴いていたころ
2)部屋との闘い
3)低音の制御
4)サウンドの追い込み
5)そして今回の日記

◇こんな経過から生まれた、私のオーディオ観です。

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おまけ2:クラングさん紹介の
「音大生にふさわしい音響学の授業について」

「音楽から響きがなくなったら、どのように聴こえるのだろうか。反射音が全くない無響室で演奏すると、音は記号の羅列のようにしか聴こえない。音程は合っていても音色の異なる演奏があるのはなぜだろうか。・・・」こんな前書きから始まります。
<内容>
・響きはどのようにして生まれるのか
・直接音と反射音
・初期反射音と後期反射音
・水平の反射音と垂直の反射音の違い
・響きの質
・音量感、臨場感(親密感)
・明瞭性、透明感
・空間性
・音の高低のバランス
・音色とはなにか
・倍音—— 楽譜に無い音
・倍音構造と音色
・エネルギーの時間的変動
・雑音的成分、噪音(そうおん)
・楽器から出る音の方向性、指向性
など

◇音大の授業内容のようですが、オーディオでもとても参考になると思います。

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