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果てしない旅は続く – O氏、Y氏 招待記

日記・雑記
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オーディオ オフ会は、自分の中では演奏会と同じです。常日頃から追い込んできたサウンドを、ゲストに楽しんでもらうこと、追い込んで来た結果を問うてみる場と捉えています。今回は極悪人のお二人をお招きするということで、かなり緊張しました。「いつかはお招きしなければ、と思っていた・・・」のくだりで始めた日記でしたので、ことの顛末は記録して置こうと思います。

 

今回のオフ会の流れは、事前の振返りから下記としていました。

・「奇策は通用しない」・・・オーソドックスにボーカルから始める

・「相手の土俵で勝負するなかれ」・・・小編成を多めに選曲する

・「相手好みの音楽を用意すること」・・・O氏、Y氏各々向けに「きっと好みだろう」と思う選曲にする

・「音量に注意すべし」・・・最初は絞った音量から徐々に上げていく=編成を大きくしていく

・「様々なケースを考える」・・・胸を借りる感覚で、オーディオで追い込んで来たポイントを聴いてもらう

 

でも思うようにことは運びません。自分もこれまで数々のオフ会をこなして、経験は重ねてきたつもりでしたが、お招きしているのは百戦錬磨のお二人です。しかもオーディオ悪友歴40年の仲とのことですので、隙がありません。

 

最初に年長のY氏にセンターに座っていただき、ボーカルの数曲を聴いてもらってから本命のクラシックへ。

ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ第5番『春』/レイチェル・ポッジャー

古楽器の優しい音色の ヴァイオリン・ソナタです。この曲はY氏がオフ会で鳴らしているものと対極をなす曲ですが、まずまず良い感触が得られたと思いました。

 

 

次にTonkatsuさんに評判のよかった、ハイドンのホルン協奏曲です。

この曲では、Y氏は眠気が襲って来た様子でした。やはり元JBL使いのマジコ使いと、ソナス使いでは好みは大きく違うようです。

 

 

その後にY氏も鳴らし込まれている、カルテット・ディオティマのリゲティ弦楽四重奏曲 第1番に進みました。

この曲から流れは変わってしまいました。第1楽章を聴き終わってから「無言の却下」です。

持ち込み音源を次々にリクエストされました。完全にペースに飲み込まれてしまいました。

 

・Y氏いわく、部屋の前後にもう1mづつあると空間が大きく広がりヌケもよくなるのにね。と・・・

 

一通り持ち込み音源を聴き終えてから、センターはO氏に代わります。

そこで自分が取り出したのは、音像型のバッハのチェロ組曲です。

どうもこの曲で、O氏に火をつけてしまった様子でした。

 

持ち込み音源を数枚リクエストされてからのO氏コメントです。

・オーケストラの配置が綺麗に並んでいない

・センターのパネルの近くの音像が中心に引っ張っている

・各楽器にスポットライトが当たる感覚

・中域が厚く、音色が優しいが、帯域バランスがカマボコ型に感じる

 

ここでY氏も堰を切ったように感想合戦が始まりました。

「こりゃかなわん」と思って、”Credo”話題に持って行こうと試みましたが、

 

O氏:「Credoを聴くと耳の聞こえが悪くなるので後回しにしましょう」

Y氏:「ならもう少し持ち込みで・・・コレを」

 

ここは従うしかないと思いしばしの試聴タイム

このあたりでどうかと思い本題の”Credo”に進みます。

この後に休憩タイムにしようと考えていたので、自分は途中からお茶の用意に席を外して、曲が終わったタイミングで部屋に戻ったところ、えっと思うほどに笑顔のリラックスした雰囲気でした。

 

O氏とY氏が口を揃えて、

・「こんなに優しいCredoは聴いたことがない」と・・・

 

O氏:「いい悪いは別にして、ウチではもっとスパルタンに鳴らしています」

Y氏:「音楽をやっているので、柔らかい音に自然となっているのでは?」「分厚い中域からもそう感じる」

ヒジ:「ハア」

 

いやいや、人様のお宅でいろいろと感想を述べてはいますが、自分のことが一番よくわからないみたいですね。

まさかこのようなコメントになるとは予想もしていませんでしたので、キョトンとしていると、

 

Y氏:「みんな自分が普通と思っているんだよね」

ヒジ:「本当にそうですね。」「聴いてもらってよかったです」

 

メインイベントが終わり、休憩後はジャズやマーラーも聴いてもらってお開きとなりました。

 

オフ会終了後に冷静になって考えてみると、

・”Credo”を「ガチャガチャした部分もうるさくならずに、音楽性豊かに鳴らしたい」との思いから、優しい音にすべくやってきた

・これに伴い”リゲティの弦楽四重奏”のキレがなくなりつまらなくなって来ていたことも思い出された

・どうもやり過ぎてしまったと反省した

 

ですが、やり過ぎたのなら前に戻ればいいだけですね。早速の変更を加えました。オフ会に向けて直前に実施した「超高域拡散での響きの感じ方の調整」が思い浮かびます。だから、少しだけ前に戻しました。

<ダボ2本だけ追加>

自分としては、高域を少し立てたと思っているのですが、人様が聴けば変わらないんだろうなと(笑)

 

このオフ会で自分の音を意識して主張できるようになった気がします。

『私の音は、中域が厚く、柔らかい音です』と、

 

それにしても、「音像と音場」の両立を目指してきましたが、その難しさを思い知りました。

果てしない旅はまだまだ続きます。

コメント ※編集/削除は管理者のみ

  1. ご無沙汰しております!
    O氏、Y氏をお迎えしたオフ会招待記とても、緊張感が感じられ、読み応えありました(^_^;)

    終始手に汗を握る…そのような感覚ですよね!ヒジヤンさんが、お二人を迎え討つ、御二方の趣向を考慮した選曲など、私にとってもとても勉強になる招待記でした。

    ハイドンのホルン協奏曲は、ヒジヤンさん宅で聞いた音は、音に奥行きを感じられ、ホルンの響きもよく、ヒジヤンさん宅で聞いた曲のなかでもお気に入りでした。人それぞれの好み、趣向はあると思いますが、ソナスユーザーの私は、ホルンの響きが、特に心地良く聞こえたのかな?と感じました。

    最後、『中域が厚く柔らかい』!これは僕も理想です!またヒジヤンさん宅で聞きたくなりました♪

  2. tonkatsuさん、おはようございます。

    先日訪問させてもらったY氏と40年来のオーディオ悪友であるO氏、お二人一緒なので悪い予感=緊張感がありました。そんな感じを読み取っていただけてよかったです。

    ですが、このお二人も出してる音は極端に違うんですよ。キレと低音のY氏、整然のO氏、どちらも途方もないスケール感という感じでしょうか。ウデはご両人ともに折り紙付きですから、どんな音にもすることは出来るんですね。好きな音楽や好みの違いから、出している音が違うと言う感じでしょうか。

    ホルン協奏曲はtonkatsuさんとY氏の好みの違いを如実に感じる結果となりました。自分のことはわかりにくいのですが、客観的視点だとよくわかりますね。

    『中域が厚く柔らかい音』・・・これはtonkatsu邸も音質傾向が近いですね。違いは下記でしょうか。
    tonkatsu邸は、中域でも高い方に厚い音
    ヒジヤン宅は、中域でも低い方に厚い音

    お二人に自由に語ってもらったので、自分のポジショニングがよくわかり、自分を知ることで他者の位置づけもよくわかった気になりました。やはり、ベテランに聴いてもらい率直な感想を聞くのは勉強になりますね。

  3. ヒジヤンさん
    おはようございます。
     
    O氏とY氏とのオフ会の一週間前に私はヒジヤンさん邸にお伺いしたので、お二人のコメントを「な・る・ほ・ど~」と思いました。
     
    私のオフ会の時の一曲目(今井美樹のルパン三世)を聴いた時の最初の感想は「ピアノの音が自分のシステムより断然太いなあ」でした。
    本物の音をたくさん聴かれているヒジヤンさんが導き出した正解のバランスがこれなら
    私の音は低音域がスッキリし過ぎているしややハイ上がりなのだと思いまして、川越ベースに戻ってから私のシステムを再調整したのです。
    何をしたかは別途日記を書くと思いますが結果としては大成功でした。
    (※低音が太くなったという方向ではなかったです)
    (※拡散材設置でもないです)
    ヒジヤンさん邸への訪問で「気付き」を得て自分の成長が出来たというこの事、この「気付き」がオフ会の醍醐味かと思います。
    O氏Y氏からもらった「気付き」でヒジヤンさんがこれからどうするのか楽しみです!

    楽しみなポイントとしては。
    部屋の容積を遥かに超えた「空間表現力」と低音エネルギーを受け止める「耐力」にヒジヤンさんの執念をすごく感じましたし本当に素晴らしいです。
    「空間表現力」を成し得た手法が反射音の職人的活用なので、ここから先の『音像面のクオリティ』の向上を狙うのであれば物理的な難しさを感じています。
    これをどう乗り越えるのか私の楽しみな(勉強)ポイントです!
     

  4. CENYAさん、コメントありがとうございます。

    オフ会のコメントとは、「もちこみ音源」でする場合は、「多くの場合は、自分が出している音との対比でされます」ですから、O氏やY氏の音を知らないと解釈は難しいものです。

    >「気付き」を得て自分の成長が出来たというこの事、この「気付き」がオフ会の醍醐味かと思います。

    これはまさにそうですね。
    それと大事なのが、「自分の出している音を知ることかな」
    自分が出している音は自分が一番分かっているようで、一番分かっていないことも多いのです。

    「こんなに優しいCredoは聴いたことがない」・・・とお二人から言われたときは、頭の中がグルグルしました。どちらのお宅でも”Credo”は聴かせてもらっていたのですが、まさか二人から同じ事を言われるとは思いませんでした。

    Y氏邸の”Credo”はキレがよくてスパルタンと感じていました。
    O氏邸の”Credo”は柔らかくて音楽性豊かと感じていました。

    だから、二人同時に「こんなに優しいCredoは聴いたことがない」と言われたことにキョトンとしてしまいました。

    >本物の音をたくさん聴かれているヒジヤンさんが導き出した正解のバランスがこれなら・・・

    いや、生は聴く場所でも音は全然違いますから、「正解のバランス」などないと考えていいと思います。ただ、確実に言えることは「生の音は厚く濃い」ことです。それと比較すると、「オーディオの音は薄い」ですね。同じ楽器を部屋に持ち込んで、比較してみると驚くほど違います。

    それを前提に、そう感じさせないように音を作るのも「オーディオ再生のウデ」かな?

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