最近、アナログプレーヤを手に入れたのでその調整を行いました。
アナログプレーヤーの調整は久しぶりです。
その中でちょっと気になったのが、アンチスケーティングの設定をどうするかということ。
昔はトーンアームの取扱説明書の通り機械的に針圧に合わせて設定していたのですが、私がオーディオを始めたころには針先の形状によって設定を変えろという指示はなかったように思います。
今回入手したビクターのQL-Y55Fは1981年ころ発売の機種ですが、アンチスケーティング調整用のボリュームの表示板には丸針と楕円針では異なるスケールがあって例えば楕円針の方のスケールで針圧1.5gに設定すると丸針では約2g位の設定量になる。
つまり楕円針の方がアンチスケーティング補正を強くかけるということ。
言い換えるとインサイド・フォース量は楕円針の方が大きいということになる。
これ恥ずかしながら今まで知りませんでした。
前に何かで読んだことがあったかもしれないけれど…
で、ネットで情報を探すと、わかりやすく説明されている以下のページを見つけました。
この解説によるとインサイド・フォースが生じる原因となる針にかかる抵抗力の要因は摩擦ではなく接触面の変形よるとのこと。
それで、「変形量は面圧によるので、同じ針圧でも、接触面積が小さく面圧が大きいほど大きくへこみ、針を引っ張る力は大きくなり、したがって、インサイドフォースも増大します。」とのことなのです。
従って接触面積が小さく面圧の大きい楕円針のインサイド・フォースは丸針よりも大きい。
このロジックを接触面積の大きいラインコンタクト針(シバタ針はラインコンタクト針の1種)やマイクロリッジ針に展開するとインサイド・フォースの大きさは以下のようになるとのこと。
楕円針 > 丸針 > ラインコンタクト針 > マイクロリッジ針
非常にわかりやすい説得力のある説明です。
針先の形状による接触面積はアダマンド並木精密宝石(株)さんのHPに提示されています。
ただ、ちょっと待って…
ビクターQL-Y55Fの取扱説明書は以下の通りなんです。
[:image1:]
シバタ針は楕円針と同じように合わせろとなっています。
このビクターの記述の方が丸針や楕円針で設定が異なる理由も提示されていないのでなんとなくウソくさいのですが、ウ~ンとなってしまいます。
以前目にしたmiyaさんのanalogmagik使用によるアンチスケーティングの最適化の記事ではその最適値はプレーヤーメーカー指示の1/3以下になっていました。
そして、その時お使いのカートリッジはたしかラインコンタクト針のものだったと思います。
やはりラインコンタクト針ではかなり低めの設定が正しそうです。
しかし、それが本当なのだとしたらあのビクターの取説はなんなんだろう?
シバタ針ってビクターが開発したんだったと思いますが…
もし記述が間違いなんだったらホントに情けない。
結局私はどうしたかというと使っているMC-1はシバタ針なので丸針の2/3くらいの設定にしています。針圧1.5gなのでアンチスケーティングは丸針のスケールで1g。
聴感上はこのくらい低く設定した方が開放的な響きになるように思います。
(駄耳なのであんまりあてにはなりませんが…笑)
このアンチスケーティングについてご存知の方がいらっしゃいましたらご意見やコメントをいただきたいと思っています。
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