HR邸訪問記(海風のたおやかで力強い響)
浜松の静かな住宅街にあるオーディオファイル、HR邸を、訪問させていただきました。「グランドスラムさんとAuro3Dさん、お二人の”お供”をさせて頂いた」というほうが、正確です!(笑)。ご兄弟が近所にお住まいで、お二方ともに筋金入りのオーディオファイル、両邸ともに訪問させて頂きましたが、ここでは主にお兄様のシステムの紹介です。
(まずは、目が眩むような、再生機器の紹介から!)
私の記憶では、聞かせて頂いた時の再生系統は、以下のとうり。
CH Precision D1(CD/SACD トランスポート)
→ dCS Scarlatti Upsampler
→ Gold Mund Mimesis 20 History /DAC
→ FM Acoustics FM268(プリアンプ)
→ 同FM811(パワーアンプ)
→ Wilson Audio X1-グランドスラム
初めて見るものばかりでした!(爆)
[:image4:]フロントSP、X-1グランドスラム 、右SPの左下がFM Acoustics FM811、その他TAD ME-1など
[:image5:]CD/SACDプレーヤー、CH Precision D1(上)、?型番聞き忘れ(下)
CD/SACD トランスポートのCH Precision D1はパッと見、銀色の箱ですが、良く見ると、かなり優美なデザイン!フロントサイドにS字の曲線がアレンジされ、中央にディスプレイ、CDトレイは俄にはどこにあるか分かりません(上の写真参照)。「どこからCD入れるのか?」と訝っっていたら、ディスプレイの上の部分がスライドして出てくることが分かりました(かなり後で。気がついた次第、笑)。後で、値段を調べて、もっと驚きましたが。
このトランスポートからデジタルシグナルを受けて、dCS Scarlatti Upsamplerが96kHz,/24bitへアップコンバートします。
[:image7:]dCS Scarlatti Upsampler
実はdCS ScarlattiのDACも隣にあるのですが、この時は、Gold Mund Mimesis 25/DAC へ送って、そこでDA変換、これをFM Acousticsのプリアンプとパワーアンプで増幅して、最後にグランドスラムで再生という具合でした。アナログレコードも沢山ありましたが、この日は都合上、デジタル再生のみ、とは言え、拙宅のように、WiFiや、ROON, ストリーミング、はたまた、Dirac LiveによるDSPルーム補正等は一切無く(CDのリッピング音源も無し)、Pureオーディオの王道(少なくとも私から見ると)を歩まれておられました。
[:image8:]Gold Mund Mimesis 25/DAC(上)、FM Acousticsのプリアンプ(下)
これら以外にも、写真に写っているように、TADのSP(ME-1)やエソテリック、マッキンのアンプなどマニア垂涎の機器が多数あり、珍しいマッキンのFMチューナーもあって、グランドスラムさんは直ぐ気がついて、「こんなものもある!」っと、笑)。
弟様のお宅の機器も、WilsonのSP、Alexiaを中心とするハイエンドシステムでした(先に、お兄様宅のセットを見ているので感覚が麻痺しているとは言え、強烈なボディーブローの連発という印象!、笑)。写真には写っていませんが、ドラムの演奏がご趣味で、部屋の後方にドラムセットも置いてあり、フュージョンを演奏されるとか!
[:image9:]弟さん邸のシステム、Alexia
(部屋の構造と配置)
お部屋のサイズは約20畳の広さで、天井高は目測、2.7m前後、縦長に使用されていました。オーディオ用に建築されていて、床はコンクリートの「上にカーペット(確か2枚?)敷きの頑丈な作り、壁はベルベットのような手触りの壁紙で、適度に吸音している風でした。特に、床は飛び跳ねてもびくともしない!
試聴位置は、比較的後方で、縦の長さの3/4くらいの位置。グランドスラムは写真のように、概ね左右いっぱいに広げた位置に配置されていて、試聴位置を結ぶ三角形の一辺の長さは、4mはありそうでした。これは拙宅の約2倍で、いつもの(拙宅での)視聴と比べると、SPからかなり離れた感覚です。
部屋の中を見渡すと、正面にTVが置いてあって、その下にSP、正面の上方や後方にもSPがあり、マルチCh再生ができそうな雰囲気(これについては後述)。
(音の印象)
これだけの機器だと、音を批評するのは烏滸がましいですが、少しその印象を。
クラッシックがメインのソースということで、最初はヒラリーハーンのアルバムからスタートでした。
[:image2:]
ジャズがメインの私でも、このアルバムは持っていて、しばしば聞く曲なので音の傾向が良くわかりました。ヒラリーハーンのバイオリンが滑らかで、ウットリする音。流石にハイエンドシステムだけあって、嫌な音は一切出さず、きめの細かな、いい音が流れてきました。ハーンの右側の低音楽器の音色もゆったりと、かつ、楽器の持つ音色が良く分かる音です。実は最初は、センターの王様席ではなく、少し左の、少し腰高の伊豆に座って聞いていたのですが、それでも、定位は左に引っ張られることが少なく、「ホー、流石だな」という印象を持ちました。
オーケストラは以下の2枚のアルバム。ジョンウィリアムスの映画音楽と(Auro3Dさんのリクエストで)バースタイン指揮、ニューヨークフィルの惑星(その中の木星)。
[:image6:]
[:image1:]
たっぷりとした低音に支えられた、雄大なオケが聞けました。音場はSPの外側にまで広がるタイプではなく、両SPの間に広がるタイプ。これは、セッティングが比較的壁に近いのと、そのような音場がHRさんの好みなんだろうと想像しました。
私のリクエストで、ジャズのGreat Jazz Trio, 「Some Day My Prince Will Come」もかけて頂きました。これはリチャードデイビスのベースが強力で、脹らみがちに鳴り易く、また、エルビンジョーンズのドラムの皮の張りが独特で、低音の調整の時にいつも聞くソースです。クラッシックがお好きなので、少し低音が膨らみ気味ではありましたが、エルビンのドラムの音色も聞け、ハンクジョーンズのピアノも綺麗でした。
[:image3:]
低音に関しては、弟さん宅のAlexiaのシステムが、さらに押しがあり、パワフル感満載という感じでしたが、これは、フュージョンが中心という嗜好の違いから来るものなんだろうと、と理解した次第です。
(後書き)
実は、部屋にはX-1グランドスラム以外にも沢山SPが配置されているのを見て、自称「Auro3D友の会会長」のAuro3Dさんは、
・・・木星」の再生を「マルチチャンネル再生」でお願いします・・・
と唐突に、いや、”何の疑念も持たないかの如く”、リクエストされたんです(爆)。
ところが、HRさんは「マルチ再生は、全くやっておりません!」・・・と御返答。で、Auro3Dさんは「ええ!、でもハイトスピーカーまであるじゃあないですか、てっきり、マルチをおやりだと、部屋に入った瞬間から思っていました」・・と(笑)。
実は私も、Auro3Dさんと同様、マルチ再生をされていると、勘違いしていました(汗!)。他のSP群は、AV再生の時のみに(2chで?)使用されているか、全く使っていないかのどちらかであるということでした。ということで、拍子抜け、かつ、心地良い笑もありの、楽しい訪問でした。
オーディオとは離れますが、右後方の棚にはトロフィーが所狭しと飾られていました。ゴルフの腕前も達人レベルで、クラチャン常連、ハンデはシングル(10未満ではなく、なんと「1」)まで行ったことがあるとか(^o^/).御一緒させて頂いたラウンドでも、力量を遺憾無く発揮されました(脱帽!)。
HRさん、大変貴重で有意義な二日間、どうもありがとうございました。
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