最近、サブウーハーの話題が幾つか投稿されています。私も、「 サブウーハーの置き場所はどこでも良い?」という日記をアップしましたし、Auro3Dさんは「低域の強化(SWの能力差)は、聴感上どのような効果として現れるのか―ELAC SUB3070二台導入」を日記にされています。
Auro3Dさんの日記に触発されて、拙宅でもサブウーハー1台から3台に増やして、効果があるので驚いている次第です。2台新たに購入する資金的余裕はもちろん無いので(笑)、背面側の2ch用のSPに付いているアクティブウーハーを利用しています。アクティブウーハーのLFEインプットを利用して、既設のサブウーハーのシグナルを分岐して使っています。3台体制での、サブウーハーの周波数特性が以下のグラフです。20Hzまでは再生できていますが、既設のサブウーハーのみの方が周波数特性だけを見ると優秀かもしれません(汗)。
[:image4:]2台SWを追加した後の、サブウーハー3台体制時の周波数特性(95Hz以上はフィルターでカット)
では、何故改善されたのか・・・??
そこで、サブウーハーにどのくらいの能力がいるのかを考えてみました。
拙宅の平均音量は80dBくらいです。大きな音のピーク付近で、音量85dB位。最近訪問させて頂いた浜松の御宅でも、概ね、このくらいの音量でした(実は、不躾にも騒音計を持ち出して計らさせていただいなのです、汗、笑!)。決して、爆音ではありません。SPから試聴位置までの距離は2m弱。拙宅のSP配置はこちらをどうぞ。
ソースによって異なるので、mini-DSPのマイクとREWで低音がどーんと出てくるパートの周波数特性を測ってみました。
(1)まずは、Great Jazz Trioのアルバム(CD)で、後半にTony Williamsのドラムソロのバスドラムがドスンドスンと唸る部分、数秒間の平均です。
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[:image1:]ドラムソロの周波数特性
この部分の平均音量は85dBくらいですが、周波数特性を見ると、45Hz付近に107dBくらいのピークがあります。まあ、でもこれなら、40Hz位まで低音がしっかり出るSPなら、問題はなさそうです。爆音+10dBくらいで聞くと、結構厳しい音圧かもしれません(汗)。
(2)マーラーの交響曲#1の最終楽章の冒頭、グランカッサ(SACD,マルチ)
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マーラー交響曲#1グランカッサがドドーンと鳴る部分の音圧
これは、40Hz位に114dBのピークがあり、かなりの音圧です。救いは30Hz以下の音圧は急減少していることでしょうか。
(3)映画「Prometeus」(DVD,下の写真はBDですが)の冒頭、宇宙船の影が地面を覆い、滝に近づいていくシーン。部屋が揺れるよーな超低音が出ている部分の数秒間の平均です。
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これには驚きました。30Hz位に120dB近い音圧のピークがあります。20Hzでも100dB近い音圧。これはサブウーハーにとってかなり厳しい音圧では無いかと思います。
それで次に、市販のサブウーハーがどのくらいの音圧を出せるのかを調べてみました。AudioHolicsのサイトに、Subwoofer Shootoutという調査結果がありましたので、そのデータをプロットしたものが以下の図です。サブウーバーのユニット口径(インチ)と31.5Hzの最大音圧の関係です。白抜きの赤丸は密閉、塗りつぶしはバスレフです。何れもユニットの数は1個。複数ユニットのデータは省きました。CEA2010のスタンダードでの測定だそうです。屋外のような床面しか無い場所で、一定の歪み条件を満足しながら、2mの距離で出せる最大音圧です。
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ユニットの口径と最大音圧
やはり、「面積は力なり」のようです(爆)。
口径が大きくなるほど顕著に最大音圧は増加しています。18インチのSWは全て密閉型でした。同じ口径なら、当然ですが、バスレフ型が5−10dB大きな音圧を出せるようです。
驚くことに、非常に大きなSWであっても、115dB辺りが得られる最大の音圧です。「えっ、上のプロメテウスの30Hzの音圧出せないやん!・・・・」と一瞬目を疑いましたが、測定は屋外のような壁のない場所ですので、屋内だともっと音圧は出せるはずですね(ホッ、笑)。壁一枚で2倍(6dB)アップくらいだと考えられるので、10dB位はアップするのではと、思います(恐らく、汗!、よくご存知の方おられたら、レスお願いします)。
そう考えると、少し余裕をみて、110dB程度出せれば十分プロメテウスをクリアーしそうです(部屋のサイズによる)。部屋が大きくなって、サブウーハーからの距離も大きくなるとさらに大きなSW、もしくは複数台必要となるはずです。30畳、40畳で天井高も高いと、壁の効果も小さくなるし、SW時からの距離が2mより大きくなると、SWへの負担はどんどん大きくなります。
(拙宅での経験)
1)かなり以前、10インチ(25cm)のウーハーが対抗面に2つ付いた、バスレフのサブウーハーを使用していた頃の話ですが、この時は、プロメテウスの超低音による部屋の揺さぶりは結構行けてました。バスレフ10インチ1発だと、上の図から、105dB付近、10インチ2発でその+6dB(2倍)と見積もると、約110dBです。この経験値は上の図に一致する感じですよね!
2)つい最近は、音質重視で、12インチの密閉、MFB制御のものにしていました。この場合はプロメテウスの揺さぶりはもう一つと感じていました。SWのレベルを上げても、あまり変わらなかったことを経験しています。これは、上の図から、能力限界に達していたとも解釈できます。12インチの密閉だと、105dBくらいが限度のようですので。部屋の効果を考えても120dBはキツかったのでしょう。
3)SW3台体制にして以降、プロメテウスの揺さぶりはばっちり回復しました。Great Jazz Trioのトラムは、予測通りというか、そうなって然るべきだと思いますが、ほぼ変化なし。マーラーのグランカッサは深みがより出るようになりました。
Auro3Dさんが言われている、SWの強化(グレードアップ)による中高音の変化も、確かにあります。が、それは、また後のお楽しみに・・・ということで(笑)!
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