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オフ会指摘の確認 – 「ラ・ヴァルス」と「幻想交響曲」

日記・雑記
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もう何年振りになりますか、久しぶりに横浜みなとみらいホールに来ました。2021年から2022年まで大規模改修工事していて休館でしたし、それ以前に、自宅からは近いのですがこのホールに魅力を感じなくなって足を運ばなくなっていたのです。

今回のコンサートに来た目的は二つです。

①オフ会で指摘された「ラ・ヴァルス」の確認

5年くらい前でしょうか?指摘されたのは下記でした。

「低音の解像度がよくない。G氏邸では低音の動きがよくわかる。もっと詰めた方がいい。」

持ち込み音源の試聴でこの様に言われたので、ずっと気になっていました。自分でも同じDiscを買って聴いてみたのですが、指摘内容がよくわからなかったのです。そこで、G氏邸を訪問した時に何度も指摘された部分を聴かせてもらったのですが、よくわからないままでいました。

 

そんなことはもう忘れていたのですが、チケット救済サイトを眺めていたときに、この公演のチケットが半額で出ていたことをきっかけに生で確認しようと思ったのです。

 

②「幻想交響曲」の生とオーディオの対比

もうひとつは、自分が好きな「幻想交響曲」を大植英治指揮で聴いて、オーディオ再生と比較したいと思いました。

 

向かったコンサートは、神奈川フィル みなとみらいシリーズ定期演奏会第386回でした。

演奏曲は下記の3曲です。

・ラヴェル/ラ・ヴァルス

・ラヴェル/ピアノ協奏曲ト長調

・ベルリオーズ/幻想交響曲Op.14

 

座ったのは6列目のセンターです。

この位置から見る視界は、ちょうどオーディオで聴くサウンドステージの相似形で、今回の狙いからは絶好のポジションでした。

 

開演前に神奈川フィルの主要メンバーによるプレコンサートが、弦楽8重奏で行われました。ちょうどこんな見え方です。

大規模改修が行われたということで、音の変化にも注目して聴きました。ですが音がよくないのです。「大ホールで弦楽8重奏だから音が散ってしまいダメなのか?」なんて思いながら聴いていたのですが、聴き始めた時には左側座席には人が座っていて、右側は誰もいませんでした。その後右側の席の人が来て、左右均等に人が座ってから感想は一変しました。「大ホールで聴く弦楽8重奏も悪くない」先ほどと比べて、音が自分に向かってくるようで濃い音に聴こえました。散漫に感じた音が凝縮されています。

 

<<生演奏でも、左右の聞え方のバランスは大事です>>

 

以前から生を聴くにも、座る席とホールの響きの聞え方が大事と感じていましたが、隣に人がいるいないで、これほどまでに音に差があるとは思いませんでした。音の確認をしに来たので、敏感に反応したのだと思います。

 

ホール改修後の音は、下記が印象的でした。

<<低音の響きが身体にビンビンと響いてくる>>

開演前の準備で軽く叩いているグランカッサの音が身体にビンビンと響いて来ました。もしかすると、大植英治の指示で低音が響く位置に楽器を配置していたのかもしれないです。大植英治と言えば、リファレンス・レコーディングスのCDで轟音とも思えるような低音を聴かせてくれる指揮者です。

 

ここからは、コンサートの感想とオーディオでの確認結果を合わせて記載します。

①「ラ・ヴァルス」の確認 感動度☆☆☆☆☆

ラヴェル作曲の管弦楽曲です。初版楽譜の標題には下記と記されているとのこと。

『渦巻く雲の中から、ワルツを踊る男女がかすかに浮かび上がって来よう。雲が次第に晴れ上がる。と、A部において、渦巻く群集で埋め尽くされたダンス会場が現れ、その光景が少しずつ描かれていく。B部のフォルティッシモでシャンデリアの光がさんざめく。』

 

凝視しながら演奏を聴いていたのですが、冒頭にコントラバスとハープで低音のタイミングをずらしながら、掛けあうようにワルツのリズムが流れる部分。この部分の解像度の話を指摘されたのだろうと思いました。作曲者の意図から言えば、ワルツのリズムの掛け合いが感じられれば良いと言うこととなります。今回の演奏ではコントラバスとハープの配置が離れすぎているように感じました。両翼過ぎて、ダンス会場のイメージには聞こえませんでした。聴く位置の問題かもしれないですね。

このコンサートでは、演奏曲ごとのオーケストラの配置図が配布されていました。こんな図をもらったのは初めてのことです。これはいい配慮だと思いました。

 

続いてオーディオです。

指摘されたRCO LIVEのSACDを自宅で聴き直してみたのですが、コントラバスとハープの低音でのワルツの掛け合いが充分認識できましたので、低音の解像度は問題ない判断をしました。オーディオ再生では音の鮮度は落ちますが、楽器の配置などの印象は生よりも作者の意図に合うと思いました。

 

②大植英治の「幻想交響曲」 感動度★★★☆☆

やはり大植英治指揮の幻想交響曲はダイナミックです。グランカッサが、ティンパニーが、チューバが唸っています。みなとみらいホールでこんなすごい音は聴いたことがないと思いました。ただ、音はすごいのですが、興奮度がもう一つです。第4楽章、第5楽章と、凄い音に圧倒されるのですが、この音ならもっと興奮していいはず?などと思いながら聴いていました。演奏の力でしょうか。

 

続いてオーディオです。

自分が好んで聴くのは、ラトル指揮 ベルリンフィルの「幻想交響曲」です。この音源は立体感があり、第5楽章ではバケモノたちが飛び交い悪魔の饗宴の様子がリアルです。

 

聴き比べた結果は、音の鮮度やダイナミックレンジ、スケール感などは生が圧倒的でしたが、オーディオ再生の方が引き込まれました。音楽に引き込む力や演奏の盛り上げ方が素晴らしいのです。生が轟音過ぎたのかもしれません。

 

どんな演奏でも即座に自宅に招聘できるオーディオの素晴らしさを改めて感じました。

生もいいし、オーディオもいいです。両輪で味わうことで、楽しみ倍増!!なんてことかもしれないですね。

 

コメント ※編集/削除は管理者のみ

  1. ヒジヤンさん、

    遅レスで御免なさい。
    サイモンラトル指揮のベルリンフィルによる幻想交響曲は、実演をベルリンフィルの定期演奏会場で聞いたことがあります。もうずいぶん昔です。2007年頃だったと思います。そんなに轟音であった記憶はありません。ラトルの指揮は素晴らしかったです。オーディオのような腹に響く音は、グランカッサの連打でもそう感じませんでした。席は前から7-8列目の左の方でしたので、そのせいかもしれません。最も印象的だったのは、左上方に吊るしてある鐘の音!この音は何とも言えない響きでオーディオでは無理だなと思いました(笑)。

  2. Tomyさん、コメントありがとうございます。

    ラトル&ベルリンフィルの幻想交響曲を聴きにいかれたのですね。羨ましいです。
    でも、
    >オーディオのような腹に響く音は、グランカッサの連打でもそう感じませんでした。

    これは多分ホールの影響だと思います。日本の大ホールで低音が腹に響く経験は今までなかったです。どちらかというと、「低音が響かない」ホールばかりですね。
    ヨーロッパのホールは違いますし、演奏者も低音をどう客席に届けようかと考えて演奏しているように思えました。

    事例
    ・ウィーンの楽友協会ホールのコントラバスの位置は決まっていて、ステージ後方壁際のセンターです。通所はオーケストラの後方よりの右翼か左翼に配置されますが、このホールでは位置が決まっていましたし、コントラバスが響きました。

    ・イヴァン・フィッシャー&ブダペスト祝祭管弦楽団の演奏では、ステージの床近傍に大太鼓を床面と平行に設置して床鳴りを使い、その上に小太鼓を大太鼓と平行に置き演奏していました。小太鼓の鼓面の音(振動)を大太鼓の鼓面が受け、さらに床鳴りのするステージの床面が受けて、3重増幅していました。もちろん低音はドーン、ドーンと響いていました。

    こんな音を聴いてしまうと、「日本のホールはスカスカの低音」だと感じていたのですが、今回のみなとみらいホールでは「低音の響き」がたっぷりだったので驚きました。

    この低音が指揮者の力か、演奏の力か、ホールの力かは、まだ断定できませんので、再度確認しに行き報告したいと思います。

    >最も印象的だったのは、左上方に吊るしてある鐘の音!この音は何とも言えない響きでオーディオでは無理だなと思いました

    あの鐘の音ですね。自分も幻想交響曲のCDは沢山持っていますが、録音ごとに音が違いますね。今回の演神奈フィル公演では、記憶に残っていませんのでショボかったんだろうと思います。

    オーディオマニアが聴くコンサートの感想報告も楽しいですね。音楽マニア風なコンサートの感想日記はまったく読む気が起きませんが、オーディオマニアの感想日記はとても興味がわきます。

    • ヒジヤンさん、

      私がラトルを聞いたのは、ベルリンにあるベルリンフィルが常用するコンサートホール(これもベルリンフィルハーモニーと呼ぶそうです)なのです。そこでの演奏は腹に響くような低音ではありませんでした。また、お持ちのCDに録音されている鐘は、残念ながら私が聞いたものではないようです。私が聞いた時は、もう少し低音が出る、大きい鐘を使っていました。調べてみると2009年の夏でした。CDの発売は2008年なので、演奏は非常によく似ていると思います。

      • Tomyさん、ベルリンフィルハーモニーで聴かれたのですね。

        なお羨ましいです。
        でも低音がひいかなかったと。
        ベルリンフィルハーモニーは行ったことがありませんが、ベルリンフィル・デジタル・コンサートホールで聴くサウンドはものすごく低音が響いた音が配信されて来ます。たぶんミキサーの理想とする音は「低音が響く音」なのでしょうね。

        でも、生のベルリンフィルハーモニーは低音が響かなかった・・・
        もしかすると、ワインヤード型のホールだからかもしれないですね。日本でも、ワインヤード型のサントリーホールやミューザ川崎は低音が響かないと感じます。

        日本のホールでも、真四角なシューボックス型のホールの方が響きを感じますね。その中でも、横幅が狭い方が特に響きを感じます。これは、左右の耳に到達する反射音(左右の壁で反射して耳を通過する音)が同じ残響時間だとしても、耳に到達する回数が多いためだろうと推定しています。

        その点、ワインヤード型は音が広がり、耳に到達する回数が少ないため響きを感じにくいのだろうと推測しています。ワインヤード型は綺麗な音のホールが多いですね。シューボックス型の音質傾向は濃密な音です。

        ラトル&ベルリンフィルの2008年盤の録音は、フィルハーモニーが火事になってしまったので、近傍のドイツイエズス教会で録音されたと聞きました。ベルリンフィルの録音の多くはフィルハーモニーでの録音より、イエズス教会での録音の方がよい録音が多いらしいです。

        鐘の音・・・
        録音ものにも、ゴ~~ン!!とすごい音が入っているCDもありますよね。どの盤か忘れましたが、仰け反るような音の録音があったかと思います。

        オーディオマニア耳で聴く、生音の感想・・・面白すぎです。

        • ヒジヤンさん、

          >2008年盤の録音は、フィルハーモニーが火事になってしまったので、近傍のドイツイエズス教会で録音されたと聞きました。

          そうだったのですね。全く知りませんでした。2009年は仕事でベルリンに赴いたのですが、事前に何かないかと探していると、ベルリンフィルのコンサートが宿のすぐ近くであったので、ネット予約して聞きに行きました。歩いて行けるくらいの距離でした。実は、クラッシックにそんなに興味があったわけでもなかったので、それがオーケストラ演奏を生で聞いた初めての経験だったんですよ。火事の翌年で非常に運が良かったのかもしれません、汗、笑!

          低音がズーンとくるんだろうと、期待していた割に来なかったので、拍子抜けした感があったことを思い出します(笑)。ヒジヤンさんのようなお詳しい方が聞くと、もっと、沢山貴重な気づきがあったのでしょうね。

          • Tomyさん

            私も15年位前までは全くクラシック音楽好きではなかったのです。クラシック好きとなったのはオーディオがきっかけでした。

            オーディオ雑記に載っていた、「限られた人の宝物」と題されたマーラーの交響曲第5番のSACDを買って鳴らしたら、「全く鳴らなかった」と言いますか、酷い音でショックを受けました。それまでも、ボーカルなどはとてもよく鳴っているのに、「限られた人の宝物」が鳴らない・・・

            それが自分のオーディオ魂に火を付けてしまったのです。「鳴らぬなら、鳴らしてみようホトトギス」ってな感覚です。

            それから、アマチュアオーケストラ公演に通い、徐々に日本でのプロ公演に、そしてウィーンに聴きに行って感動し、4年のうちに6回も通ってしまいました。その過程で、大体の音の感覚やホールのこと、そしてオーディオでの鳴らし方を学びました。大体6~7年間の出来事です。

            そんな風にオーディオのためにクラシックの生演奏を沢山聴いていたら、クラシック音楽が好きになって、今では7~8割はクラシックを聴くようになりました。

            Tomyさんもロケットシアターでフルオケのサラウンド演奏を聴いていたら、きっとクラシックのオーケーストラ演奏好きになると思いますよ。完成されたオーディオで聴くフルオケは素晴らしいですからね。ppp~fffまでの音の繊細さ、豪快さ、立ち上がりの興奮など、これほどまでに人の心を揺さぶり、高揚させ、感動に至る音楽があるでしょうか。

            ですが、この音楽の素晴らしさを知るには音が大事です。音質、空間の大きさ、実在感、臨場感など音楽再生の総合力が問われるフルオケの演奏は、音楽の感動に誘い、オーディオマニア心を満足させる絶好の音楽だと思うのです。

            • ヒジヤンさん、

              >音質、空間の大きさ、実在感、臨場感など音楽再生の総合力が問われるフルオケの演奏は、音楽の感動に誘い、オーディオマニア心を満足させる絶好の音楽だと思うのです。

              Jazzファンの私も、全くそうだと思います。
              そこに是非到達したい・・・!

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