先日聴いた諏訪内晶子のUHQCD盤がよかったので、追加で数枚入手し聴いてみました。HMVのマルチバイでの購入ですが、再発盤は1枚 @1500未満で買えるのもありがたいです。
①ユリア・フィッシャー&チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団 / ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲、ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番 DECCA
ドヴォルザークもブルッフもとてもいい。感想はお目当てのブルッフのヴァイオリン協奏曲で書いてみる。明瞭なソロと、大きなオーケストラの対比が見事。コンサートホールの5列目センターくらいで聴く感覚で、生ではこれほどのバランスで聴くことの出来る席は少ないと感じる。Spotifyからのストリーミングと音質比較をしてみたが、解像度や透明感など一聴してUHQ-CDの優位性を感じた。他の音源との比較はしていないが、これまで聴いてきたどのブルッフのヴァイオリン協奏曲の中でも光っているように感じる。
②ジャニーヌ・ヤンセン&マーラー・チェンバー・オーケストラ / チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 DECCA
小編成オーケストラとの協奏曲で、大きさは感じにくいがカチッとしたソロに、カチッとしたオーケストラが聴ける。一つ一つの音の明瞭さが、まるで最前列のセンターで聴いているように感じる。Spotifyからのストリーミングと比較してみたが、明瞭度とSNにかなりの違いがある。UHQCD盤はやや明瞭過ぎるようにも感じた。チャイコンとして最高とは言い難いが、ヤンセンと小編成オケの演奏をホールの最前列で楽しむ感覚は貴重と思った。
自分の手持のチャイコンで一番のお気に入りは、ジョシュア・ベル&ベルリンフィルのSACD盤である。この音源で聴く協奏曲は大きく、ソロとオケのバランスもいい。ライブ録音とは思えないほどによく録れているし、演奏もいい。音質が滑らかなのもSACDの優位性と感じる。久しぶりに聴いてみたが、チャイコンとして最上の音源だと思った。
③プリンツ&ウィーン室内合奏団 / モーツァルト:クラリネット五重奏曲、ブラームス:クラリネット五重奏曲 DENON
諏訪内晶子の”メロディ”でも感じたが、室内楽とUHQ-CDの相性はよいと感じる。この盤でもクラリネットと弦楽四重奏が共に明瞭で目の前で演奏しているかのように聴ける。Spotifyでは同音源が見つからなかったので、音質比較は出来なかったがクラリネットの倍音がよく感じられ、もとの録音のよさとCD化による劣化も感じない。難をいえば、楽章ごとの境目で急に録音音量を下げている点である。せっかく音楽を楽しんでいるときに興ざめしてしまう。このあたりはDENONの技術者のセンスのなさを感じてしまう。
比較はこれまでこの曲を楽しんできたPragaのモラゲス&プラジャーク四重奏団のSACD盤と実施した。
音場の深さはさすがSACDと言えると感じた。だがメインのクラリネットはプリンツのUHQ-CD盤が際立っている。弦楽四重奏を聴くならモラゲス盤で、クラリネットを聴くならプリンツ盤と思った。かなり個性に違いがあるので、どちらを選ぶかはその時の気分次第で決めればよさそうだ。
④コチアン四重奏団 / ブラームス弦楽六重奏曲第1,2番 DENON
この音源は音が鳴りはじめてすぐによさを感じる。6つの弦楽器の音が明瞭でありつつ響きが溶け合うハーモニーを感じる。このような同種の楽器の録音やマスタリングは日本の技術者も得意なんだろうと感じた。DENONの音源はSpotifyでは見つけられなかったが、絶対値としてのよさが感じられた。単一種の楽器の室内楽はUHQ-CDが最っとも相性がよいのだろうと感じた。
以上、UHQ-CDを買い増しして聴いてみた感想は以下となります。
・UHQ-CDは通常CDと比較して、音が明瞭で音像がよりクリアとなる
・明瞭さや解像度などのオーディオ的な特性は間違えなく上がる
・UHQ-CD化による音質は、音源により相性が変わる(元のままの方が味わいを感じる音源もある)
・定性的には、音像がクリアである点から室内楽やJAZZとの相性がよさそう
・SACDとの比較では、大編成はSACDの音場表現や音の滑らかさが優位だが、単一楽器のクリアな音像はUHQ-CDが優位
・同一音源でSACD盤もUHQ-CD盤もある場合は、相性はあるものの自分はSACD盤を選択する
・同一音源で輸入盤と国内UHQ-CD盤がある場合は、UHQ-CD盤を選ぶケースが増えそう
もう少しUHQ-CDを深掘りしてみたくなったので、JAZZやポップスも聴いてみたくなりました。
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