オーディオ振り返り2 – 挫折から幸せに

日記・雑記
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高校時代は自作のスピーカーでシャリシャリの音を、この音に合う音楽で楽しんでいました。高域が強調されたシャーンという音は身体にビリビリと感じて、それはそれで楽しかったような気がします。

大学生になった時には、憧れのスピーカー(実はユニットだけ)を手にします。幼少期にステレオサウンド誌の写真を見ては欲しいと思っていたジムラン(JBL)のモニタースピーカーです。43**と名付けられたプロ用のモニタースピーカーは秋葉原にも数多く展示されていましたし、音にも感銘を受けていました。

そのスピーカーのマグネットがアルニコⅤからフェライトに代わってしまうというニュースを聞いて、これは今買っておかないと・・・と思いました。でも、完成品を買うほどのお金もなかったので、またしてもユニットだけを正規品購入して、箱とネットワークは別買いです。38cmウーファーとホーン付きドライバーで4320相当のユニット構成でした。そのユニットをタンスのような箱二つに収めて、6畳一間の学生アパートではスピーカーと机と寝る場所でいっぱいになってしまうような生活でした。

(写真はイメージ)
スピーカーの目の前で聴くような環境です。しかもそのスピーカーは、素人学生がジムラン(JBL)のユニット欲しさに組んだもので、いい音がするはずありません。加えて、駆動しているアンプは従兄からもらったチューナー一体式の安物です。シャリシャリの音がドコドコの音に変わったにすぎませんでした。

ですが、その時は何でこんな音しか出ないのかがわからなかったです。狭い部屋がよくないのだと思い、二年に進級するときにオーディオのために小さな一軒家に引っ越しました。アンプを非磁性体式のケンウッドのL-01Aに買い換え、レコードプレーヤーも最新のものに買い換え、カートリッジもシュアーV15タイプⅢ、オルトフォンMC20などを揃えます。これでまずは聴けるようになったと思ったのですが。。。

ちょうどそのタイミングに、友人がJBLの4343を買い、ヤマハのセパレートアンプで鳴らし始めました。お呼ばれして聴いてみると、とてもいい音で鳴っていました。

自分のところとは全然違うサウンドでした。なぜこんなに違うのかと思い悩みます。あちらはいい音、こちらはダメダメで泣けてきます。

ちょうどその頃、無線と実験誌に4343のネットワークを作る記事が載っていました。これは自分も4343にするしかないと思い、ミッドウーファーとツイーターを買い、ミッド用の箱は自作します。完成して音を出し始めたのですが、想像とは全然違う音に愕然としました。その後もあれこれと手を入れてはみたのですが思うような音は出ませんでした。何をやってもダメでした。しかも音がうるさいと、近所一同連名での苦情書までいただいてしまいます。

そんな苦行に疲れ果ててしまい、3年になるときに一軒家は引き払い、10畳一間の下宿に引っ越しました。スピーカーも当時新発売となった、テクニクスの平面スピーカーSB-6(定価45,000円/本)に買い換えました。この時に、なんて安心して聴けるんだろうと思いました。下宿と言っても母屋からは離れた別棟です。好きな音楽を、好きな時に、好きな音量で聴ける幸せを初めて味わえた気分でした。

結局、JBLのユニットを使ったスピーカーは鳴らせずじまいの挫折となりました。ですが、オーディオはバランスが大事ということが身をもって学べた体験だったと思います。

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