オランダ―のレーベル TRPTKはAuro-3D音源を販売している、Auro-3Dファンのdonguriにはありがたいレーベルですが、現在、設立10周年ということで、発表作品の殆どについて半額セール(アルバム・曲により割引率異なる)をやっております。
そこでこれまで気にはなっていたが、1個のアルバムしか持っていなかった、マヤ・フリードマンの「アーティスト・バンドル」(8アルバムが6アルバムの値段で販売)のAuro-3D 9.1 flacが通常価格の半額、51.65ユーロで手に入るということでゲットして聴いてみました。(アトモスファンのためのDolby Atmos/ Dts:X /Auro-3D MKVファイルは61.98ユーロです)
唯一持っていたアルバムはThe Forest in April 「四月の森」というDe Graaffという作曲家の作品で、感動度としては、いまいちでしたので、今回はダウンロード前に可能な限り試聴してみました。かなりの作品が結構良いなと思え、特にThe Invisible Linkの曲は特に心に刺さるものがあり、半額セールに乗ってバンドル買いしてしまいました。
マヤ・フリードマンのことをちょっと調べたら、ロシア出身で現在オランダで活躍するチェリストですが、神童チェリストとして注目され、今や単なるチェリストを超えた音楽家・作曲家・パフォーマーですね。TRPTKのA&R (Artists and Repertoire)マネージャーでもあるそうで、なんといってもレコード番号TTK0001がTRPTKそのものデビュー盤のようで、なるほど!TRPTKレーベルは、彼女のためにあるというのは言い過ぎにしても彼女が重要なアーティストのレーベルということなんですね。今回しっかり認識いたしました。
今回のバンドルとなったアルバムのタイトル(レコード番号)は以下のようになっております。なお、各説明文は、タワーレコードとHMVサイト、東京エムプラス等の解説からの引用です。
1) The Invisible Link (TTK0001)
ソビエト連邦の時代に書かれた3作品の見えない繋がりを探った1枚!このシンプルな構成のアルバムでは、彼女が「時代を超越した感覚と、究極の真実への衝動が込められている」と語るシュニトケ、ヴァスクス、ペルトらの作品の間に存在する見えない繋がりを、マヤ自身との関係を絡め探求しています。その考察は、単なる「同時代を生きた3者の関係性」にとどまらず、最も純粋で極端な感情と、永遠に続く時間の静寂そのものとの繋がりにまで及んでいます。演奏、コンセプト含め極めて芸術性の高いアルバムといえるでしょう。
2)The Fiery Angel (TTK0009) 炎の天使
本作は、おとぎ話をテーマに、ストーリーを語りかけてくるような、小品を集めています。メトネル、ヤナーチェクなど、「おとぎ話」を語るそれぞれの音楽は非常に内省的で、深淵であり、繊細なピアノ書法がちりばめられています。東欧の音楽を得意とするバシロワならではの、自由な表現に満ちた演奏を聴かせてくれそして、彼女の故郷へのオマージュのようにもなっています。
3) Red Velvet (TTK0011)
「詩からインスピレーションを得て作曲された」というテーマで、日本の田中カレンやスペインのガスパール・カサド、オランダのセザール・ルトガーとルイ・アンドリーセン、アルゼンチンのオスバルド・ゴリホフ、イランのカーヴェ・ヴァレス、ロシアのアリサ・アプレレヴァといった各国の現代作曲家たちの作品を収録。ブックレットには、インスパイアされたそれぞれの詩の原語と英訳を掲載
4)Shalygin: Canti d’inizio e fine (TTK0029) シャリジン:始まりと終わりの歌
ウクライナに生まれオランダで活動している作曲家マキシム・シャリジンは、「ソロ楽器でしか、深く隠されたものは表現できない」と話しており、これまでにもソロ楽器のための作品を作ってきました。この作品ではホロコーストを題材にしており、高度なテクニックと高い精神性を求められますが、マヤ・フリードマンがその独特な世界観を見事に表現しています。
5) REIÐ (TTK0046) 旅
現代作曲家のチェロ作品集。2001年9月11日の同時多発テロの余波を受けて書かれたマイケル・ゴードンの《LIGHT IS CALLING》にはじまり、アイスランド出身の作曲家フィヨラ・エヴァンスによる各セクションがルーン文字によって象徴化された作品《REID – HAGALL – BJARKAN》(旅–妨害–再生)、イタリアの鬼才ジョヴァンニ・ソッリマのダンテの『神曲』に触発された《HELL I》、そしてイギリスの人気作曲家ジョン・タヴナーによる音楽の回文《WAKE UP … AND DIE》と続き、最後はルー・リードの《HEROIN》をデイヴィッド・ラングが編曲した危険な1曲で締めくくられるクールでエキサイティングな1枚です。
6) De Graaff: The Forest in April (TTK0076) デ・グラーフ: 4月の森
1992年生まれのヤン=ピーター・デ・グラーフ(1992-)は、クラース・テン・ホルトやフース・ヤンセン、カリオペ・ツパキ、ディーデリク・ワーヘナールらに師事したオランダの作曲家。彼は流行のミニマル・ムーブメントには属しておらず、その作品はオールド・ファッションな要素やオーケストレーションの豊かさ、メロディアスさ、透明感が特徴となっています。協奏曲第5番《4月の森》では、ソリストとオーケストラの関係が人間と自然の関係のメタファーとなっており、チェリストがオーケストラに影響を与え、オーケストラが徐々に変異し、自らの重みで崩壊する怪物のような存在になっていく様子を聴くことができます。
7) Nuït (TTK0081) ヌト
マヤ・フリードマンとマールテン・ファン・フェーンの刺激的な出会い!宇宙の女神「ヌト」をテーマにした、チェロとピアノの完全即興リサイタル!
8)The Power of Indifference (TTX0001)
マヤ・フリードマンは、これまで20世紀と21世紀を代表する様々な現代作曲家の作品を演奏・録音してきましたが、このアルバムではもう一つの彼女のデビュー作として自身の音楽をフィーチャー。ダークでアンビエントな不協和音のドローン、天使の声、アコースティックとエレクトリックのチェロ等が駆使され、マヤ・フリードマンの芸術性が際立つ作品が並びます。現代チェロ愛好家やクラシック・クロスオーヴァー、ニューエイジのファンは要注目です。
これは、新レーベル「TRPTK X」の第一号というアルバムになっています。
donguri的には、なかなか聴き入ってしまう曲が多く、マヤ・フリードマンのチェロはもちろん、音楽家としての才能のすごさにびっくりさせられ、非常にお買い得なバーゲンでした。これまで、マヤ・フリードマンを知らなかった、聴いたたことなかった、という方はご試聴なさっていはいかがでしょうか。気にいったら、ぜひイマーシブ音源もお試しを!今なら、アルバム1枚だとAuro-3D音源は10.33ユーロで安いです!
ちなみにdonguri、HMV、タワーレコード、東京エムプラス、TRPTKと利益相反はございません。単なるファンです。
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