データの整理をしていたら、過去にプリ管の12SN7と6SN7でいわゆる「球転がし」をした際にメモしたものが出てきました。
せっかくなので記録代わりに記事にしておくことにします。
【前提】
・使用している機材のうち、とある上流機器には真空管によるバッファ段が含まれています。その真空管を交換した際のメモです。
・上記バッファ段以外、信号経路には真空管は挟まっていません。
・バッファ段はOTLです。一般的な増幅段よりも各真空管の個性が出やすいのかな、と勝手に思っています。
・機材はスイッチ切り替えで12SN7と6SN7のどちらの真空管も使える仕様です。(規格上、ヒーター電圧が6Vか12Vかの違いのみなので。)
・あくまで主観、印象論です。測定をしているわけではありません。
・他の機材や環境で再現性があるかどうかは保証しかねます。あくまで自分のところだとコレ、というものですので、せいぜい参考程度で。
【対象真空管】
<12SN7・NOSの5種>
1. GE 12SX7GT
2. TungSol 12SN7GT
3. RCA 12SN7GT
4. Toshiba 12SN7GT
5. Sylvania 12SN7GT
7. LINLAI E-6SN7 (ナス型)
8. LINLAI ZX-6SN7(バルーン型)
機器購入時のデフォルト球であるNOS GE 12SX7GTと、一番大きなLINLAI ZX-6SN7を並べるとこんな感じ。
デカい。
【各真空管の印象】
1. GE 12SX7GT
機器購入時についてくるデフォルト球。
やや中〜高域強めで、強い照明を当てたような彩度と温度の高い音。
隈取りクッキリで押しが強い。主張の強い油絵のイメージ。
クラシックは悪くは無いが、どちらかというとジャズやポップス向きか。
2. TungSol 12SN7GT
GEの低域を補強して、温度感を下げて全体のバランスを整えたイメージ。
やや質感が硬く、バランスが整っているぶん冷静すぎる感もあるが、ソースへの忠実度は高く使いやすい。
12SN7を使う場合のメイン球。
なお同じTangSolの6SN7も手持ち在庫にあったが、試し忘れてそのまま売却してしまったことに後から気づいた。
ただ、真空管自体の造りや他の機材で試した際の音、及び世評を元に判断するに、おそらく12SN7と類似傾向の音と推測される。
3. RCA 12SN7GT
見た目は至って普通なのに何故か音楽的。聴いていて楽しい。
低域は TangSol ほど強くはないが、全体的にはこちらもバランスが良い。
たぶん中低域が少しだけ張り出しているのかしらん。
4. Toshiba 12SN7GT
”日本のモノづくり”や”東芝”というワードでイメージするものそのまんま。(※個人の偏見です。)
真面目で大人しい優等生。造りも良さそう。
単体で聴くと没個性的ではあるが、余計な色付けをせずに組み込めるのでパーツとして優秀。
私の好みとは外れるが、要は使い所かと。
5. Sylvania 12SN7GT
細身で繊細、透明感があり、いわゆる”エアリー”というやつ。
水彩画のイメージ。
弦に合うので好きな人にはツボにハマると思う。
ここまでがNOSの真空管、ここからは新しいメーカーの6SN7です。
6. PSVANE CV181-TII
空間が濃くなり音量が上がったように聴こえる。低域がパワフル。
存在感が明瞭、色や形がくっきり。上記GEのような隈取りではなくて、全体のピントが合って鮮やかになったような?
ただ、とても良いと思うが自分の好みにはちょっと強すぎるかも。
オーディオ的な楽しみという面ではこれらの中で一番か。
7. LINLAI E-6SN7 (ナス型)
前述のPsvaneと後述するlinlai(バルーン形)の中間くらい。
オーディオっぽさを強調しないので自分はこれが最も好み。
8. LINLAI ZX-6SN7(バルーン型)
前述のPSVANE と同じく全体の色合いは濃い目だが、濃さよりも華やかさ・カラフルさが全面に出る。
Psvaneよりも音場表現。広い。
これを好む人はかなり多そう。
ただし、その巨大さや形状ゆえか中〜高域でマイクロフォニックノイズがとても乗りやすい。
球転がしをするにあたってソケットセーバーを使おうとしたが、余計に振動しやすくなってしまうためか全く使い物にならなかった。スピーカーから距離を取るなどの振動対策は必須。
以上です。
現在は気分で
2. TungSol 12SN7GT
3. RCA 12SN7GT
7. LINLAI E-6SN7
8. LINLAI ZX-6SN7
をローテーションしています。
おしまい。











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