プロに学ぶ大地アースの取り方

日記・雑記
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はじめに・・・この日記は
アース棒の埋め方ではありません。
説教臭い駄文日記です。

インターネットによって様々な高度な情報に触れることができるようになりましたが、その情報を咀嚼して自分のものにするのは各人の努力に委ねられます。情報リテラシー、正しい情報・間違った情報の判別がとても重要です。一見、間違っているように見える情報も、実は正しかったりします。必要なのは正しい『理解』です。

アースに何の関係があるの?
そう思われても当然です。
しかしアースほど厄介な情報はありません。

本当はそのネタだけで本が何冊もできるのなのに
ネットで語られるのはせいぜい数百文字程度だけだからです。
それを見ても知っている人しか理解できません。
(それが正しい情報であればという前提で)
知らない人は理解できないか、悪いと『間違った解釈』をします。
これがネットの怖さです。
本来は知るべきでないド素人でも専門情報に触れることができるので
このような『間違った解釈』が起きます。
それをチェックする仕組みも正す仕組みも世界には存在しません。
糞も味噌も一緒の垂れ流しです。( 食事どきの方、失礼!! )

とまぁ、ここまでが前置き。

オーディオ関係にとっても非常に有用なアースの情報は
研究施設、それも大電力を扱いつつ世界レベルの測定をするよなところです。
ひとつ例を挙げましょう。
■プラズマ実験におけるノイズ対策の基礎(桑原大介氏:中部大学工学部)
http://www.jspf.or.jp/Journal/PDF_JSPF/jspf2019_11/jspf2019_11-572.pdf 大地アースや絶縁トランス、床面銅板ベタアース、シールド
ありとあらゆる知恵を結集してそれが稼働しています。
これをオーディオに応用すればいいです。
でも、無理ですね。

なぜそうなっているのか理解しなければ真似はできません。
一応「かたち」だけは真似できるかもしれませんが。
必要なのは『正しい理解』です。

人はよく間違います。
世の中はとっても複雑で難しいものなのに、ついつい
「〇〇は××だ!」と『単純化』したがります。
それだけなら別によいのですが良くないのはそれで『理解した』と勘違いすることです。当然これは自戒も込めての一文です。自分が間違わないなどとは思いません。
世の中の現状は単純ではありません。複雑です。
これをうまく説明するのにカオス理論のように素晴らしいものものありますが、
基本的には単純ではありません。
私はさっぱり分かりませんが一口に「経済学」といっても
「ミクロ経済学」と「マクロ経済学」があるようなものでしょか?
言いたいことは、
一例を以って全てを語ることはできない事です。

ことオーディオに関しては、オカルト情報多いので
その反動で自分が取り入れる情報は必然的に信頼性が高いであろう
・・・と、予測される、企業や機関の情報になります。
ノイズと長年戦い、十分な知見が得られた世界で使われる
ものに「PLC」というのがあります。
正式名称はProgrammable Logic Controller(プログラマブルロジックコントローラ)。
制御を司ります。
一躍これが一般に認知されたのは、コンピューターウイルス
「Stuxnet」の登場のときでした。NHKでもニュースだけでなく
特番?で30分ほどの番組で紹介されていました。
https://eset-info.canon-its.jp/malware_info/trend/detail/160308.html より一部引用
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2009~10年、特定の標的を狙う巧妙なワーム「スタクスネット」がイランの核開発を妨害するために使用され、実被害も発生した。インターネットに接続していない産業用制御システムがUSBメモリーを介して感染・発症。この攻撃がきっかけで国家間サイバー戦争が幕を開けた。
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狙われたのはドイツはSimens社のPLCでした。
ウラン濃縮に使う遠心分離機の暴走を狙った攻撃。
(その遠心分離機の制御をしていたのがPLC)
言ってしまえばコンピューターなのですけれども、
信頼性はそれこそ天と地です。
PLCは通常『制御盤』という塗装された金属の入れ物のなかに収納されています。
↓大きな制御盤たち(関西電力 高浜3号機 PLCが中にあるかは見えません)
↓https://www.nikkan.co.jp/articles/view/431131

↓街でよく見かける?制御盤(髙木電機製作所様より制作例 PLCが見えます)
↓http://www.takagi-e.co.jp/syohin.syo5.html

↓制御盤は扉も含めて強固にアースされます(船舶3D設計から制御盤もつくる株式会社ノムラ様)
↓http://www.nomula.co.jp/news/18.html

↓アース用のバーは市販されています(生産材コマースのMISUMI NOVA様)
↓https://jp.misumi-ec.com/vona2/detail/222000170183/

なぜPLCの話題を出したかというと、これがアースに繋がっていくからです。
溶鉱炉など大電力やプラズマを扱う実験など強烈なノイズに晒されるなかで
アースの使用は絶対です。

PLCの取扱説明書のような技術情報にそれが書いてあります。

↓OMRON様 テクニカルガイドPLC制御盤の設置について
↓https://www.fa.omron.co.jp/data_pdf/commentary/fasys/plc/plc_installation.pdf より
 1点接地の原則の一方で専用接地が理想。

↓OMRONと正反対に専用接地をディスる?富士電機テクニカ株式会社様より
↓https://www.fujielectric.co.jp/technica/faq/cuttrans/04.html

電気の知識のない人がOMRON様と富士電機テクニカ株式会社様の情報をみたら、「どっちが正しいのだ!?」と混乱するかもしれませんが、どっちも正しい。
要はケースバイケースなんですよ。

 富士電機テクニカ株式会社の取り扱い製品をみると分かりますが、
制御盤に使う小さな製品が多いです。
『『 制御盤内でのお話,この明文化されていない前提条件。』』
「木」と「森」でいえば「木」のお話です。
「家」と「住宅地」でいえば「家」のお話なのです。
だいたい、「家」と「家」を銅バーで接続なんてできませんよね(笑)
「家」つまり制御盤内の個々の機器たちのアースを纏める話。

 一方OMRONは「森」といいますか「住宅地」でちょっと視野が広いです。
学校のような広い敷地内に、様々な装置、ロボット、インバータが稼働。
その一方でちゃんと一点接地は意識しています。

 我々の住宅地?がそうであるように、数十kmも先の発電所にみんなで1点接地しようなんて考えません。鉄塔、トランス抱いた電柱、1本ごとに大地アースです。電子機器の設計の話と、送電網の設計の話は基本は同じでも違う。
ここでもミクロとマクロ???

もっと具体的には・・・
——————————-
1.周囲1m範囲
2.周囲10m範囲
3.周囲100m範囲
4.周囲数km範囲 または それ以上
——————————-
周囲1m範囲で、大きなノイズが発生させる機器が混ざって
いなければ銅バーにまとめて1点接地がよいでしょう。
大きなノイズを発生させる機器は遠ざける・・・遠くに専用接地です。
↓日立プログラムコントローラ ノイズに関するテクニカルガイド
↓https://www.hitachi-ies.co.jp/products/plc/yobohozen/doc/NJI-296.pdf より

↓もう1回!! OMRON様 テクニカルガイドPLC制御盤の設置について
↓こんどは赤線付けてみましたよ。

今度は理解きましたでしょうか?OMRON様が制御盤だけではなくて、遠くの
モーターやインバーターまで意識して資料を書いていたことが。
そして富士富士電機テクニカ株式会社様が制御盤の扉の中だけ?
狭い範囲でのことを意識して資料を書いていたことが。

結局のところ、みんな読者に伝えている事は同じなのですが
書いていることが正反対だったりして素人がこういう専門情報をみると
勘違いします。いえね、私も素人ですけど(笑)

このような『基本的な』アースのお話だけで、その複雑さの一部でも伝わったでしょうか?単純ではないのですよね。簡単そうに説明することはできますが、その根底を伝えることはブログ類では不可能です。
これにさらに『絶縁』というキーワードや『シールド』なんてものが加えられて最終的には冒頭に紹介しましたプラズマ実験の施設に繋がっていくわけです。
これを理解するのは大変です。私は大まかには理解できたつもりでいますが・・・歯応えは半端なかったです。

■問題1■下記の図の3つの □ に 機器を当てはめてみます
[溶接機] [エアコン室外機] [プリアンプ]
接地方法として下記のうちどれが適切ですか?
→■答え■専用接地,あるいは、プリアンプだけ接地しない
※それらの機器は同電位である必要が全くありません。むしろ同電位にしようと相互に接続すると悪影響が出る事が容易に想像できます。余計な事はしない。

■問題2■下記の図の3つの □ に 機器を当てはめてみます
[レコード] [フォノイコライザー] [プリアンプ]
接地方法として下記のうちどれが適切ですか?
→■答え■そもそも銅バーも大地アースも不要!!
※レコードプレーヤーからはアンプ類に接続するためにアームと繋がったGND線が出ています。このGND線とフォノケーブルを使ってレコードプレーヤーとフォノイコライザーと接続。フォノイコライザーとプリアンプはRCAケーブル等で接続されるのでこれら3台はのGNDは結合されます。銅バーを使わずとも既にケーブル類で繋がるので不要。使っても良いですが何も変わらないかも。ノイズを発生させるもの・・・ターンテーブル駆動のモーターが激しくノイズを出すものでなければ、大地に繋ぐ意味も無いと思います。

オカルトグッズを購入するのも楽しいですが、たまにはプロのやっていることを学んでみるのもよいかもしれません。くれぐれも「単純」「簡単」ではないことに注意しながら・・・

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