8月9日(土)、「夢と情熱、ある芸術家の物語」というサブタイトルがついたコンサートに行ってきました。
ミューザ川崎で行われた昭和音楽大学のオーケストラのコンサートです。
アマチュアのオケでチケットが安かったし、プログラムは魅力的だったし、なんといっても会場が僕の好きなミューザ川崎。結構いい席も取れたのでカミさんと二人で勇んで出かけました。
ただひとつの心配はアマチュアのオケにこんな大曲がちゃんとこなせるのかどうかということ。曲目の中のラプソディ・イン・ブルーと幻想交響曲は僕のお気に入りの曲なので、まずい演奏を聴いてがっかりするのではないかというのが気がかりだったのです。
で、その結果は…
感動しました。アマのオケでこれだけできるとは…
大変失礼な心配だったことを反省しています。
この日のプログラムは
コープランド:エル・サロン・メヒコ
ガーシュウィン:ラプソディー・イン・ブルー
ベルリオーズ:幻想交響曲
このオケのウリは金管と木管の安定感なのだと思いました。
アマのオケではありがちな金管、木管の目立つミス・トーンはほとんどなかったし、ソロの木管やトランペット、ホルンは堂々たるもので十分楽しむことができました。集中力は最後の幻想交響曲のフィニシュまで途切れることがなく、学生さんたちの情熱が感じられる演奏でした。
ラプソディ・イン・ブルーのピアニスト、細川千尋さんは昭和音大の卒業からまもない若いピアニストのようですが、モントルー・ジャズ・フェスティバルの ソロ・ピアノ・コンペティション ファイナリストということでジャズがお得意みたいです。
ガーシュインは普通にクラシックの教育を受けたピアニストではとても難しいと思っています。ブルースのフィーリングを楽しく表現できる人でないととんでもない演奏になることがありますが、細川さんの表現力は素晴らしくて十分楽しめました。
アンコールで弾いた曲は自身のオリジナルの「Thanks!」という曲でしたが、たぶんインプロヴィゼーションなのだと思います。キース・ジャレット張りに弾いていました。これからが楽しみなピアニストです。
ラプソディ・イン・ブルーは今まで何回か生で聴きましたが、楽しかったのは羽田健太郎、山下洋輔、ファジル・サイ。みんなジャズができる人たち。
実はクリスチャン・ツィマーマンのも聴いたことがあって、彼は現代最高のピアニストの一人だと思っていますが、ラプソディ・イン・ブルーだけはあまり印象がよくないんです。この曲は他のピアニストに任せておけばいいような気がします。
ミューザ川崎は地震で天井の反射板が落ちて改修された後、オーケストラを聴くのはこれが初めてでしたが、今回は2CA6列の46番という2階席の右寄りの場所でステージにも近く素晴らしい音響でした。特に幻想交響曲の第4楽章、第5楽章の迫力はやはりオーディオでの再現は難しいことを痛感させられました。それでも無謀にもこの音を目標にすることをやめるつもりはありませんが…。
久しぶりに幸せな気分で帰路に着きました。
演奏された学生の皆さん、細川千尋さん、指揮者の斎藤一郎さんに感謝です。
以下の写真は指揮者の斎藤一郎さん。
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背が高い細身の方で最初にステージに現れたときにはフラメンコでも踊るようなフリルの付いた真っ赤な上下の衣装で客席からちょっと驚きの声が上がりました。幻想交響曲から普通になりましたが…。
以下の写真は細川千尋さん。
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メインの別blogはこちらですが、ほとんど同じ内容をコピーしています。
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