今回の日記は dBpoweramp というCDのリッピング・ソフトを使用するときのセッティングについての話題です。しかもHDCDに準拠したCDをリッピングするときのオプションの話なので、この情報はほとんどの方にとって有益とは思えません。
CDのリッピングをされない方や dBpowerampを使ってらっしゃらない方、使う予定のない方はスルーしてください。
申し訳ありませんが、私の備忘録も兼ねてこの場を使わせていただきます。
dBpoweramp は有償のCDリッピングソフトで、リッピングデータの正確性やHDCDのDecoding ができること、96KHz/24bit 等のハイレゾへのUpconversionができることなどの特長を持っています。
今回はそのdBpoweramp で、HDCDのDecoding を行うときのセッティングの話です。
HDCDはReference Recordings のキース・ジョンソン博士が開発した、CDへ20~24bitの情報を埋め込む技術、規格です。詳細は説明に多少難があるかもしれませんが、こちらをご参照ください。
CDの音楽データは16bitですが、HDCDではDecoding することで20bit(あるいはそれ以上?)の多bitのデータが得られるというわけです。
このHDCDのDecoding 時のセッティングで、レベル設定を+6dBにするかどうかのチェックマークを付けるようになってるのですが、どうも私にはこの説明がよく理解できませんでした。+6dBを選択しないと、Decoding後の波形の最大ピークがDACの最大レベルより下がってしまうため、S/Nを稼ぐ意味でレベルを上げるという意味だと思うのですが…なぜ+6dBなのかがよくわかりません。
というわけでHDCDのCDを使ってDecoding を行い波形確認をしてみました。
使ったCDはReference RecordingsのCopland。
[:image7:]
波形確認には私が生録音に使っているソフト、Samplitude ProXを使用しました。
確認した波形はトラック6のこのCDの初めから72分14秒ちょっとのところ。
まず最初はHDCDのデコード無しでリッピングした時の波形
[:image2:]
次にこれを時間軸拡大したもの
[:image1:]
2番目は+6dBでHDCDのデコードを行った場合。
[:image4:]
以下はその時間軸拡大
[:image3:]
3番目は+6dBのチェック無しででHDCDのデコードを行った場合。
[:image6:]
以下はその時間軸拡大
[:image5:]
お分かりになりますでしょうか?
+6dBの設定では上側の波形(Lchです)のカーソル付近のピークがクリップしてフラットになっています。
+6dBの設定を外した3番目ではクリップしていません。
この設定での全曲を通しての波形のピークは、-2.99dBでした。
ですから、これを6dB持ち上げていたとすると、ピークは3.01dBつぶれるということになりそうです。
というわけで、どうもこの+6dBの設定は外しておいた方が無難なようです。
レコード会社によってEncoding時の設定が異なるでしょうから、+6dBでも問題ないCDもあるのでしょうが、少なくともReference RecordingsのHDCDについては+6dBの設定は使わない方がよさそうです。
それと、これらの波形を見てちょっと気づいたことが…
HDCDデコード無しの波形はクリップはしていないものの+6dB無しのデコード波形と比べると、コンプレッサーがかかったみたいにピークが抑え気味になっているように見えること。このHDCDのエンコード、デコードでは最小レベルのみの波形の違いだけなのかと思っていたのですが、どうもそうではなさそうです。
聴感上でもやはり、+6dB無しのデコードの音は爽やかでしかものびやかで抑えられた感じがしないという印象です。
冒頭でも触れましたが、このソフトを使っている方は少ないでしょうが、もしお使いでしたらぜひ試してみてその感想をいただけるとうれしいです。
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