日記「上方定位と聴覚」で8kHz近傍のイコライジングと上方定位の関係を実験しました。今回はCosmic Moonの再現に挑戦します。さーて、どうでしょうか(笑)。
[:image1:]大貫妙子「Cosmic Moon」
大貫妙子の「Cosmic Moon」の雷鳴については沢山日記が出ていますので、ここで紹介する必要は無いと思います。ここでは、このアルバムの上方から聞こえる雷鳴をシミュレートしてみます。
前回の「上方定位と聴覚」の実験で上方定位させるには8kHz近傍の音を強調する(イコライジング)ことで可能であることを確認しました。これは頭部伝達関数を利用する方法以外では、ほぼ唯一文献で知られる方法です。これによってNORDOSTのTone-UPのシグナルに近い現象を引き起こすことも可能でした。
[:image2:](イコライジングカーブ)
そこで雷の音源を無料のサイトからダウンロードして、8kHzのイコライジングを施して雷鳴の再現を試しました。
ー実験1ー
(実験方法)L/R2チャンネルとも同じで、雷の音をイコライジング無しで試聴
(結果)センターSPの高さから雷鳴が聞こえます。
ー実験2 前方上-
(実験方法)L/R2チャンネルとも同じで、雷音を8kHz、Q=5、+12dBでイコライジングして試聴
(結果)見事に、中央前方の天井から雷鳴が聞こえます。
ー実験3 左前上ー
(実験方法)L/Rチャンネルとも、雷音を8kHz、Q=5、+12dBでイコライジングしますが、Rchの音量を-6dBに落として試聴。
(結果)左SP上の天井から雷鳴が聞こえました。
ー実験4 左上ー
(実験方法)L/Rチャンネルとも、雷音を8kHz、Q=5、+12dBでイコライジングしますが、Rchの音量を-6dBに落とし、逆位相にして試聴。
(結果)視聴位置左横の天井から雷鳴が聞こえました。縦に走る移動感もありました。Cosmic Moonそっくりです。
ー実験5 真上ー
(実験方法)L/Rチャンネルとも、雷音を8kHz、Q=5、+12dBでイコライジングしますが、Rchを逆位相にして試聴。音量は2ch同じです。
(結果)視聴位置真上から少し前辺りの天井から雷鳴が聞こえました。これもCosmic Moonそっくりです。
(まとめ)8kHzのイコライジングに位相の回転を合わせて用いることで、Cosmic Moonのように雷鳴を天井の各方向から聞こえるように加工することができました。実験3~5の音は正しくCosmic Moonで聞ける雷鳴のように響きます。100kbit位のmp3圧縮音源を使用しましたが、CDの雷鳴と殆ど変わらないクオリティーの様に感じました。
ーーー これがCOSMIC MOONの雷鳴の正体 ーーー かもしれません
ROONやJriverをお使いの方は、DSP機能で’簡単’にこれを再現することができます。一度お試しあれ!
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