昨日は「地下シェルター」で有名なlin lin邸に行って来ました。
きっかけは、先日書いた日記「オフ会をきっかけに!【3つのチューニング】」で、「極端に響きの少ない部屋に襲撃に来て下さい」とお誘いいただいたことです。私は響きを大事にして、反射によるチューニングを主体に音調整をしているので大変興味が湧いたのです。
さて、lin lin邸ですが、ほぼ新築の大変綺麗なお宅でした。玄関を上がって少し進んだ先の奥にドアがあり、その先には深く潜行するための階段が・・・。何か不気味な世界に吸い込まれるようにしてテツと私はその階段を下りました。(昔、天国への階段と言う曲が流行りましたが、その逆・・・お~なんと恐ろしい!)
階段をどこまでも降りたその先には、分厚いドアが・・・その先には閻魔大王様が待っている。そんな連想をさせる重いドアです。怖くて震える2人を従い、lin linさんはドアを開きました。
左正面に居るEVERESTが、にたりとこちらを見ました。(本当は、最初はスクリーンが降りていたので150インチのスクリーンに出迎えられたんですが今の記憶はEVERESTですね。)使用機材などは、lin linさんのマイルームに詳しく書かれていますので、写真を載せて置くことにします。
スピーカーの左右に置かれたサブウーファーです。
サラウンドスピーカーと映像関係の機材群です。シアターは後ろで操作、オーディオは前で操作するようになっています。
そして、最初の感想は部屋の空気が違うことです。「地下シェルター」では、逃げ場のない残響音対策で40Cmの吸音層に囲まれていることと、床も地面から40cmほど持ち上げられた浮床です。更に天井も吸音天井なのですが、1階の床との間にはコンクリート層と吸音層があるとのことです。作った当初は、5×8×3mの空間だったそうですが、防音・残響音対策で現在は20畳ほどの内部スペースになっているとのことでした。
壁の表面はグラスウール製の表皮で、その中は40cmのグラスウール層なのだそうです。恐ろしい!その空間の中は、恐ろしいほど静かで少し圧迫されたような感覚もあったんです。無響室に入られたことがある方はいらっしゃいますでしょうか。あれほど極端な印象ではありませんが、普通の部屋と無響室の中間といった感じでした。その空間で聴いたものは、観たものは!どうだったのかと言うことになりますが・・・。
音楽ものの感想から
ボーカルは、もちろん中間に定位します。リズムは流石の38cmダブルなので、分厚い低音で体にずんずん迫ります。ですが、声がウチで聴く声と違う声に聞こえました。ウーファーから声が出ているためです。ウチのは350Hzクロスなので殆どがスコーカーから声が出ますが、EVERESTは800Hzクロスで殆どがウーファーから出ています。どちらから出ても同じ周波数のはずなんですが、音色が全然違うんです。ウーファーから出た声は、太くて低く感じました。本物を知りませんのでどちらがどうなのかは分かりませんが、ウ~ンと考えさせられたことは事実なんです。
クラシックは、どうだったのか。これも一種のサプライズですね。JBLで聴くクラシックが悪くない!昔のJBLホーンの印象では、バイオリンなどの弦楽器は繊細な表現が出来ずに音が固まってしまう印象でしたが、十分ほぐれていますし繊細な音を聴かせてくれました。編成の大きさもよく表現されていましたし、心地よかったです。
ですが、lin lin邸の真価はシアターです。ダイハードの効果音は特筆モノでした。反射や残響がないことも手伝い、非常にクリアな音であることと立ち上がりの早い音。銃撃戦では、画面でけん銃やマシンガンを打つと同時に衣服や体に振動や音圧がビリビリと伝わります。本当の銃撃戦の中に入り込んだようなそんな感覚になりました。これは本当に凄い!そしてその時の音圧は・・・
なんと123dBです。でもこれは、可愛いもので、lin linさんは前日の夜中に128dBを観測されたそうなんです。超弩級です。これも、地下シェルターによる完全防音をしたおかげですよね。
この日記を読まれた方は、一度はlin lin邸のシアターを見学してきた方がいいと思います。その価値があると思います。
後半には、音響特性の計測もやりました。ヤマテツが持ってきた、マイスピーカーとPAA3で計測しました。
リスニングポイントでの周波数特性です。
かなりフラットでいい感じですよね。ですが、PAA3でも測定したのですがピラミッドバランスでした。計測結果は良く分からないものだと言うことが分かりました。
特徴的なのは、残響特性ですね。
中音域は0.2s以下の残響時間で超デッド、低域と高域の残響が盛り上がった特性です。超低域は、チェックCDで聴くとかなりの残響時間があると思いましたが、この計測ソフトの測定範囲を超えていました。低音は吸いきれない低音が反射しており、高音はグラスウールの吸音クロスでも超高音は反射してしまうそうです。
最後は、私の興味の対象だった「反射のない部屋」の感想です。(興味のない方は、パスして下さい。)
簡潔に言えば、直接音の世界になるので、クリアな音だが、音楽鑑賞は物足りない感覚でした。余韻の表現などは苦手としています。ですが、シアターの効果音は抜群と感じました。銃声のリアルさといったら、もう唖然!って感じですね。
もう一つのテーマの直接音だけで、空間表現が何処まで出るか!の疑問には、そこそこの空間は出せるものだと思いました。ですがステレオでは、奥行き表現が苦手ですね。零戦のソフトでは、上下方向の方がはっきりと感じられました。マルチでは、この点をかなり補完してくれる印象でした。部屋の響きとマルチの調整を図られたシステムには及びませんが、十分な空間表現が図られていると思いました。
以上から考えると、
シアター中心で音楽も聴く場合には、防音と吸音でデッドネスな空間とするのが良いのではないかと思いました。シアターは音量が命の部分が多分にあると思うので・・・。
音楽中心であれば、部屋の響きをいかにうまく使うか。
音楽中心でシアターもやる場合は、その中間のセッティングが合うのではないかと思いました。
非常に勉強になりました!
lin linさん、朝の10時から夕方の6時過ぎまで楽しい時間をすごすことが出来ました。そして、私の中の迷いもかなり解決しましたし、自分の肥やしとなる訪問をさせていただくことが出来ました。ありがとうございました。これに懲りずにまた遊んでやって下さい。
番外編
もの隠し部屋のこと・・・
lin lin邸の地下シェルターは階段だけでなく、エレベーターもついていました。エレベーターを降りた前にはもの隠し部屋が・・・
持った得ない、N801,N803,N805が格納されていました。(オーディショップのようです。)
昔使っていた機材や、ケーブルなども山になっています。
ソフトもこの部屋に隠されていました。
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