自分の答えは「YES」。オーディオ機器は使いこなし次第でいくらでも音を磨くことが出来ると思っています。これは自分のオーディオ観の信念であり、譲ることの出来ないことなのです。
そんな意味から、先日のベルウッドさんの「メカの違い」日記に思わず反応しました。映像系の多機能プレーヤーでも、よい音でCD再生することは可能だと思ったからです。それにしても、比較的廉価な映像系の多機能プレーヤーのメカや筐体は、少しでもよい音で聴くことを求めるオーディオの価値観にとって厳しい条件にあることは間違えのないことです。
例えば、OPPO UDP205でよきCD再生は可能か?といった命題です。
1、振動に弱いCD再生だが、映像系の多機能プレーヤーでは製造コスト的に振動に弱いメカと筐体とせざるを得ない。
2、CDトランスポートは読み取りだけで、双方向のデータ照合による訂正も無くメモリバッファの助けもほとんど無い単純なストリーミングとなるので、ドライブメカの筐体剛性強度、振動対策、回転精度など重厚長大なあらゆる強化対策が音質のカギとなる。(ベルウッドさんの日記より)
3、上記より、メカや筐体にコストをかけない(かける必要のない)映像系の多機能プレーヤーでは、CD再生の音質は期待できない。
上記のベルウッドさんの主張が間違っているとは思っていません。むしろ正論かとさえ思います。ですが、出来るだけお金をかけずによい音を求め、沢山の機器を用意せずともいろいろなメディアを楽しみたいというニーズは多いと思うのです。ならば、使いこなしでカバーするのが得策と思いました。
ただ自分では、実際に映像系の多機能プレーヤーでCDを再生した経験はありませんでしたし、厳しい条件であることは間違えのないことです。逆に言えば、この条件をクリアすれば機器の置き方次第で音質確保は可能であることの検証にもなると思ったのです。
下の写真は自宅のブルーレイやDVDを再生する時に使用している機器です。
だから、この映像系の装置でCD再生をやってみました。その結果ですが、無造作に設置したケースでは、
「これは聴けたものではない!」
と言うものでした。自分の信じることの検証をするつもりが、ベルウッドさんの主張の検証をしてしまった…と思いました。ですが、ここで怯んではいけません。実際にOPPO.205でCD再生をしているOrisukeさんも同様なことを書き込みされていました。
比較は下記です。聴きなれたリファレンスCDで比較しました。
:CD/SACD再生を実施しているDENON-SA1フルチューンCDPからのレギュラーオーディオシステムでのCD再生
:映像系のブルーレイ/DVD再生を実施しているバッファローのBlu-rayドライブ → PC → DDコンバーター → SA1のDACに入力するシステムでのCD再生
・外部からの振動を出来るだけ伝えないようにすること。
・防振のためにフローティングした場合は、機器が動かないようにすること。
一通りの検証を終えて振り返ってみると、どの機器でも対処の仕方は同じかなと思います。加えて、回転系のトランスポートはどんな機器でも置き方次第で音質確保は可能なんだろうと思いました。
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え〜…このネタが年末年越しテストのお題の一つですかあ?!
まあ、バズケロの思いというか、アプローチから言えば「イエス」派ですね。
絶対的なところは電子機器の素子、処理チップ、伝送そのものの性能かもしれませんが、メカニカル的なところは色々と素人でも取組めるジャンルかなと思いますので。
ハーベス部屋のユニコなどを例にとれば、同じかも知れません。
中身はとてもプアですが、音楽のまとめ方が上手い。
こうしたベースがあれば、さらに手つかずの制振等に手を入れる事でとても幅広いコントロールが可能です。
自作派の方々も、こうした所を複合的に取組まれ、コストパフォーマンスを発揮するのが楽しいのかなと思います。
年末、たのしいのやら?!アブないのやら?!
なんだか背筋もゾクゾクしますねえ(笑)
日記では言えない様なネタも色々と爆裂するかもしれませんよね〜
ソレも含めてとても楽しみです。
では、では
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検証して頂き、ありがとうございます。
UDP205を使用するものとして、少しこの機種の使い方についての追加情報を。
私は、「動作支点を明確にする」というオーディオの基本を愚直に実践すれば、少なくともメーカーが開発時に狙った音は再現出来ると考えます。先の議論で指摘されたようにOPPO機の音の魅力は主にDACやラインアンプの音から来るものでしょう。それをドライブ側で台無しにしないセッティングが出来ればこの機材ならではの音の魅力を味わうことが出来ると思います。実際には、ドライブを意識して振動対策すると、内部電源やラインアンプ系にも良い影響が出るように思います。
UDP-205のセッティングは以下の様に行っています。
1:置き台は重量級・高剛性とし、フロート素材やコンプライアンスの高い樹脂類は少なくとも音の煮詰め段階まで使わない。(我が家では、木材4種と鉄板を用いて自作した板厚40mmのラックを使って共振周波数を分散しています)
2:脚は105JPLに比べてコスト削減がハッキリ現れており、脚裏の分厚いゴムも音を濁らせる原因なので、TAOCなどのハード系インシュに交換してリジット4点支持にする(我が家ではTITE35を使用して標準脚は外さず浮かせています)
3:天板は一応ダンプしてある様で鳴きは少ないが強度不足なので、放熱口をふさがない程度に端の部分を重量物でダンプする。
使いこなしと言っても、この程度の「気遣い」のようなもので改造は一切行っていませんが、やるとやらないでは天地の差が出ます。これで、アナログバランス接続で電源・ケーブルを詰めることで充分魅力的な音になるというのが私の実体験です。
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さすが実践と行動のヒジヤンさんですね(笑)。
でも何だかあまり反駁を受けたという気がしません(笑)。
>「これは聴けたものではない!」
>レギュラーオーディオシステムの方が上です
これなら私の主張していることと食い違いはありませんね。
比較ソフトには、ピアノも試してみられましたか?私の経験では、ピアノの再生が一番振動などメカ部のクォリティに敏感ですから。いつかもかけていただいたポゴレリッチの「スカルラッティソナタ集」などがわかりやすいです。
もし、この映像系のBlu-rayドライブで、DVDオーディオやBlu-rayオーディオのディスクを再生したらどうでしょうか。もしかしたら、さほど重厚な振動対策をせずともレギュラーオーディオのCD(SACD)再生をあっさり凌駕してしまうのではないか…というのがほんとうの私の仮説命題です。
ところでヒジヤンさんはそろそろCDプレーヤーの買い換えを考えておられるのですか?
ヒジヤンさんはミュージカルなど映像系も楽しんでおられるし、DENON SA-1は、一世代前のモデルですから、DAC部は明らかに時代遅れです。
もしメカ部がSA-1と遜色ないところまで持って行けるのなら機能面でも最終的なアナログ出力のクォリティでもESの最新フラッグシップDACチップ採用の205の方が上ということになります。しかも安い!
さらに余計なことを言えば、205は終段まで差動増幅・差動伝送のようですのでバランス出力は高音質ですが、アンバランス出力は変換バッファーによる付け足しです。そうなるとアンプも本格的なバランス入力が必要でアンプの買い換えも必要となりそうですネ。
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バズケロさん、やっぱりYESですか。
オーディオは単純な理屈で割り切れないことばかりですからね~。逆に言えば、古典物理学を超えた世界にも、並みのデジタル理論を越えた世界にも入り込める未知のワールドが広がっているように思えます。
ですが、もちろん音楽を楽しむための道具であることが前提ですね。今回は今年の春以来の8ヶ月ぶりのご来訪となりましょうか。
今考えているプログラムは、最初に余興として人間工学的なお試しを楽しんでいただき、次に本番の演奏会です。お気に入りのDiscも是非お持ち下さい。その後はテクニカルなデモタイムでの○○大会。で、最後の余興はこれかなと(笑)
オーディオタイムでは、PC系は部屋から出しているのでウォームアップも忘れずにですね。セットをしていたらバズケロさんが帰ってしまっていたなんてことがないようにしたいと思います。
日記では言えないネタも数多く用意してお待ちしていますね。パ○ツの中まで開陳する生板ショーの始まりです。
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Orisukeさん、使いこなし情報をありがとうございます。
少なからず議論を生んだCE再生用メカの話ですが、前向きな話になると有益な論議となりますね。映像系の多機能プレーヤー(OPPO.205)のように、非常に魅力的な製品だが使いこなしに一工夫が必要なものは他にもあると思いますので、是非コミュニティ内で共有化出来ればと思います。
>「動作支点を明確にする」というオーディオの基本を愚直に実践すれば、少なくともメーカーが開発時に狙った音は再現出来ると考えます。
面白い考え方ですね。言わんとすることはわかる気がしますが、自分の認識にはないものでした。またの機会にでも詳しく紹介していただければと思いました。
実際にやられているセッティング内容は自分が実施した内容とは少し違いますが、基本通りにきちっとセッティングした内容と理解しました。次の日記で、自分が実施した内容も書きますね。プアーな対策内容なので恥ずかしいのですが、効果はよかったです。
今後も使いこなし情報など意見交換させていただければと思います。
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ベルウッドさん、有益な話につながったと満足しています。
よく考えてみれば、日記で提示いただいた内容はもっともですし、CDトランスポートの使いこなしを考える上で絶好の材料でした。この日記も反駁のために書いたものではなく、あくまで自分の信じることへの検証と、より論議が膨らめばと思ってのことです。ましてや、自分には感情的もつれなどは一切ございません。
さて、本題の「映像系の多機能プレーヤーでよきCD再生は可能か?」ですが、無造作セッティング(ポン置き)と追い込んだセッティングでの差はまさに「これほどに違うのかと驚愕!」でした。やはり使いこなし次第と言うことのようです。ご提示いただいたピアノも初期馴染み前はかなり違うように感じたのですが、対策セッティングが馴染むとオーディオ用のCDPとの差が少なくなりました。自分としては、これしか違わないならCD再生もPC用のブルーレイ・ドライブでもいいんじゃないかと思い、ちょっと悲しくなりました。頑張れ!オーディオメーカー!!、と言いたいです。
>映像系のBlu-rayドライブで、DVDオーディオやBlu-rayオーディオのディスクを再生したらどうでしょうか。もしかしたら、さほど重厚な振動対策をせずともレギュラーオーディオのCD(SACD)再生をあっさり凌駕してしまうのではないか…
ベルウッドさんの論理が正しいとすれば、その可能性は十分にありますね。この内容も、今出来る範囲で確認してみますね。後、「どのようなセッティングの工夫をしたのかレポートすると面白いし、皆さんの参考になるかもしれない」「無対策のビフォーと対策後のアフターの比較試聴のほうが面白い」と言われた件は、出来るだけわかりやすいように再検証しました。写真など撮らないとわかりにくいので、準備が出来たら報告します。
>ところでヒジヤンさんはそろそろCDプレーヤーの買い換えを考えておられるのですか?・・・DAC部は明らかに時代遅れです。・・・最新フラッグシップDACチップ採用の205の方が上ということになります。・・・アンプの買い換えも必要となりそうですネ。
悩ましいご提示をいただいてしまいました。ですが、この日記の本意が「オーディオ機器は使いこなし次第でいくらでも音を磨くことが出来る。これは自分のオーディオ観の信念」なので、買い替えはせずに頑張ってみます。買い替えは、壊れるか・限界を感じてからでも遅くないと思っています。ですが、今回のオーディオ用CDPとPC用の外付けドライブの比較は、かな~り悩ましさのタネになってしまいました。
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「映像系の多機能プレーヤーでよきCD再生は可能か?」と聞かれれば私の答えはYESですね。ただ「最高のCD再生は可能か?」と聞かれると多分NOでしょう。
昔ヤマハのCDプレーヤー開発者が「一番チューニングに時間をかけているのは、どんな厚みのどんな形状の、どんな大きさの制振材をどこに何個貼り付けるのがベストかを探ることです。」と語っていました。
制振材を貼り付けすぎると音が確実に死んでしまい、貼り足らないと変な響きが載ってしまうとのことでした。
まさに振動を制する者はオーディオを制する、ですね。
コンピューティングの世界ではCDドライブから0,1のデータを正確に読み取れればそれで何の問題も無いのですが、オーディオではそれだけでは不十分で、0,1のアナログ信号波形が綺麗に整っていることが極めて重要で音質に大きく影響します。
そのためパソコン用のCDドライブに特別の制振対策は不要ですが、オーディオ用途では重要になってきます。振動でそのアナログ波形が乱れてしまうからです。
従って制振対策を施すことが大変重要なのですが、映像系の多機能プレーヤーに対してそれを徹底的にやっても、おそらく世界最高性能のCDトランスポートから出力されるアナログ波形には敵わないのではないか、と思っている訳です。
振動以外に動作クロックの精度、サーボ電流の変動の少なさ、電磁ノイズ対策、ドライブや筐体自体の強度と振動吸収が問題になってくると思います。
DVDオーディオやBlu-rayオーディオの再生ではトランスポートからの出力段で0,1信号のアナログ波形が少々乱れていてもDAC側で一端バッファリングされてからデコードされるので、振動の影響は比較的少ないかもしれませんね。
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ミネルヴァさん、レスありがとうございます。
映像系トランスポートでもよきCD再生は可能ですね。ただ最高ではない。このご意見にも同感です。
ですが今回のお試しで、セッティング次第でここまでの音が出せたという満足感と、反面として虚しさが残りました。価格が20分の1の大量生産型PC用のトランスポートと、自分的にはフルチューンしてきたオーディオ用のCDPとの音質差が小さくて、ある面ショックでした。
技術的な見解も、物量的な違いもあるのでしょうが、結果がすべてを物語りますからね。まあ、オーディオ用の製品の方が所有欲を満足させてくれることは間違えないです。
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ヒジヤンさんの「悩み」と「虚しさ」はよくわかりますよ(笑)。
それは視点を変えると日進月歩の技術に翻弄されるDACのせいでもあるのです。安価なものや古い機器でもメカ部はそれなりの対策によって高められるが、DACはそうはいかない。今日買った最高のDACも明日は陳腐化してしまうかもしれない。
「映像系トランスポートでもよきCD再生は可能だ。ただ最高ではない。」
この信念は、オーディオ魂としては微妙なところですよね(笑)。この辺りはまた別のところで書いてみます。
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ベルウッドさん、悩ましいですよ。
現在使用中のCDPですが、トランスポート部分についてのテコ入れだけでも「出川式電源の採用」「デジタル信号のノイズ対策」「各種振動対策」「シャシ・アースの強化」「電磁波対策」「ヒューズの○○化」などフルチューンしてきたつもりでした。ですが、ACアダプターを電源とするPC用のブルーレイ・ドライブに肉迫されてしまい、オーディオ用機器の存在価値への疑問や、今までやって来たことは何だったのだろうと言う気持ちの虚しさです。
DACの日進月歩はわかりますが、まだまだオーディオには音を悪くしている要素があるはずです。そこに目を向けずに、一要素である機器の性能に頼るのは自分の主義に反します。偉そうなことを言っても、この先のアイデアが湧いているわけではないのでお告げを待ちます(笑)
それにしても、いろいろ試して、新たな発見や認識が生まれる過程は面白いですよね。今回のお試しでは、まだ深堀する要素がありますので探りを入れてみます。
大量生産型のPC周辺部品を使って、最高を達成出来たら・・・なんて妄想も浮かびます。
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自宅でのCDPとPC用ドライブの比較では、ピアノ再生よりもオーケストラ再生ではCDPの優位性が目立ちました。やはり、一番重視し追い込んでいるジャンルの優位さが目立ってくるのかもしれないです。逆にポップスなどはPC用ドライブの方がいいかも?と思えました。
音質重視のドライブを使ったらどうなるんでしょうか?怖くて比較できません(汗)
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