つなげばつなぐほどに効果が大きくなる金属たわしのアース。そして、「金属の種類」「接続方法」などにより、自分好みの音に調整が可能なところがいいです。諸々の実験から、拙宅の環境の中で経験的に学んだことを整理しておきます。
(左から、ステンレス、真鍮、ブロンズ、銅)
たわしの材質による音質傾向は以前からの日記でも記載して来た。音質と同時に音場も変化する。
音質傾向………….音場傾向
ステンレスたわし・・・力強いソリッドな音……前に出る傾向
真鍮たわし ・・・力強く豊かな音……音像は中庸、音場が後方に広がる
ブロンズたわし ・・・柔らかく豊かな音……やや後方に広がる
銅たわし ・・・繊細で芳醇な音………後方に広がる
何回か記載したが、どれか一つを選ぶとすれば自分は真鍮を選ぶ。
しかしながら、いろいろな種類をミックスすると音が平均化されてくせが取れる。ミックスするときは、一つのケースには1種類の金属として、他の金属は別のケースに入れた方が自然に繋がるように感じている。
ちなみに市販品JOGOのサテライトアースは、真鍮の部屋とステンレスの部屋が直列つなぎで設定されているとのこと。
これらを組み合わせて自分好みの音に調整する。機器につなぐ場所でも音は変わるし、機器毎にたわし材質との相性もある、そして直列につなぐか並列につなぐか、その先を大地アースに落とすか否かなど、組み合わせは無数にあるのでどれを選択するかが悩ましいのだが、材質ごとの音質傾向からあたりをつけて試してみるしかないのが現状だ。全部真鍮を使ってから、落ち着いた後で少しずつ調整する手もある。
(現在のアースの接続)
もちろん設置場所の条件や機器へのつなぎやすさも大事だと思う。機器にアース端子があれば、ここにつなぐことを基本に考えるのが普通だろう。ただ前回の日記に記載したように、デジタルとアナログのシャシグラウンドが混流している機器は、極力デジタルとアナログを分けたアース端子に接続する方がよかった。
つなぐ場所を決めたら、直列につなぐのか、並列につなぐのかが悩ましくなる。たわしアースの特性的に、抵抗があるから熱エネルギー変換するが、抵抗があると電気が流れ難くなる。単純な直流回路に置き換えて考えると合成抵抗の計算式は以下となる。
直列接続:R = R1 + R2 + R3 + R4・・・・・
並列接続:1/R = 1/R1 + 1/R2 + 1/R3 + 1/R4・・・・・
この観点から考えると並列つなぎが好ましいように思える。 実際に並列につなぐと、数を増やせば増やすほどに効きは高まる。材質をミックスさせると音質傾向も自然に混じるのでくせがなくなる。
ただし、機器内やたわしポッド内の電位の変動に対しては直列つなぎが優位に感じる。ポッド内の電位が上がっても機器への逆流を抑える効果が高いように思えるのだ。経験的に直列つなぎでは、材料の音質傾向はそのままに、滑らかな音になりやすいと感じている。
並列につなぐか直列につなぐかも双方にメリット/デメリットがあるので悩ましいが、どちらか一つを選ぶとしたら並列つなぎを選ぶ。多種の組み合わせが可能な場合はやってみて出てくる音で判断している。
こうした作業を各機器で実施していくが、何を優先させるか(音色、空間の広さ、音像配置、SN感など)で判断も変わるし、CDPを調整してからAMPを調整したら音が変わったなど、どれがベストかなどと考えていると迷いはつきない。
そこで、自分が最終的な音の調整に使っているのがスピーカーアースの最終段である。ウーファーのマイナス端子から直列つなぎで3連結させたタワシポッドの最終段の中身を入れ替えることで調整することにした。
例えば、中身はすべて真鍮たわしとして音出しする。もう少し力強い音にしたいと思ったら、中身の一部をステンレスたわしに入れ替える。もう少し柔らかい音にしたいと思ったらブロンズたわしに入れ替える。もう少し音場の広がりが欲しいと思ったら銅タワシに入れ替えるなど、ポットの中のたわしの材質の組み合わせ方での音調整が可能だ。 一つのポットに様々な材質を入れると段付きのようなくせを感じるが、直列つなぎの3段目ならばその影響も感じずに調整が可能だった。
以上が今のところの自分の経験的な音調整のやり方です。金属たわしの活用は、まだ始まったばかりなので、使いこなしの手法構築には時間がかかりそうです。様々な事例や工夫していることがありましたら出し合っていくことで、よりよい活用方法が生まれるのではないかと思っています。
特に、振動対策の効果やアースケーブルによる影響は自分では未確認なので、情報共有できるとありがたいです。
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