コミュニティの皆様:
ソナスの位相問題に関する、専門誌告発(笑)第二弾です。
前にも書きましたが、ソナスファーベルは各誌がよく取り上げるブランドであり、そのシリーズで構成したマルチチャンネルオーディオシステムに関する記事は、これまで位相の問題をどう扱ってきたのかに関心を持ち、もう少し調べてみましたところ、また一つ見つけました。
前回と同じStereo Sound社の、『Hi Vi』(私も電子的に定期購読しています)という雑誌の2020年2月号、「ホームシアターFAQ」という連続コラムの「最終回」、「ついに、ホームシアターが完成!」(pp.92-95)という記事です。
この中で「完成」したというホームシアターのフロア層のスピーカーは、フロントLRがSonettoVIII、センターがCenter II、サラウンドがSonetto Wallの5ch構成と書いてあります。これらのスピーカー群は私も購入検討しましたので、詳細はここに報告しております(ただし、センタースピーカーはここにないIIを選んでいるようです)。
さて、これまでの私の調査および輸入代理店のノアの社長さんの証言だと、3WayのSonettoVIIIとCenter IIは中高域が逆相接続、低域は正相接続。Wallは2Wayなので、低域から高域まで正相接続のはずです。このままマニュアル通りにプラスはプラスに、マイナスはマイナスに接続すると、間違いなく、SonettoVIIIとCenter IIはAVアンプの音場補正システムで「逆相接続」と判定され、また、これらLCRとWallの「中高域が相互に逆相」となって、「変な音」がするはずです。
まさかこれで、またまた“完璧な音”なんて書いてないだろうな(笑)と思いつつ、注意深く読み進めると、
「ところが音を聴いてみると、これがシックリとこない。2chの音はさほど気にならないが、サラウンドで聴く音が思ったほど「グッと腹の中に」届いてこないのだ。(中略)実は音場補正機能のYPAOで計測するとフロントスピーカーの判定などがうまくいかない問題が顕れていたというのだ」(pp.94-95)[:image1:]
我が意を得たり、膝を叩く、とはまさにこのこと。この記事には詳しく書かれていないが、ここで何が起きたのかは自分の経験から手に取るようにわかる。YPAOでLCRが「逆相」判定され、変だなと思って何度も接続を確認したが問題なし。ゆえに「無視」を押して次に進み設定を終了。それでサラウンド音を再生したため、「シックリとこない」(ちなみに拙宅ではAudysseyで「逆相」判定された時、素直にスピーカーの接続をプラスマイナス入れ替えて使っていたため、270Hz以下以外は正相でそろっていた状態で運用していた)。
ほほう、この筆者は少しは耳がいいな、と思い読み進めると、最後は部屋の「残響」の問題ではないかということで片付けていた。惜しい。位相の問題であるということには気が付かなかったようです。
惜しむらくは、「YPAOで計測するとフロントスピーカーの判定などがうまくいかない問題」が具体的になんであったのかを書かなかった(または調べなかった)こと。それを、判定ミスはライブな部屋ではありがちなこと、とスルーしたこと(実は私も最初は、ノアの社長さんにこう言われた)。
書かなかった(調べなかった)のは、何らかの「忖度」が働いたのか?それともそこにプロとしての問題意識が働かなかったのか?
こっちはお金払って読んでいるのだから、頼みますよ、「オーディオ評論家」の方々!
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