マルチチャンネル(サラウンド)オーディオ環境をアップグレードしようと、第一層の7chをすべてソナスファーベルで揃えようと計画し、購入前に現地で様々なテストをする中、今日は二つの「発見」があった。
最初の「発見」は、フロントLRのSonettoVIIIを、試しにプリメインアンプで鳴らしてみて気が付いた。普段は、AVプリアンプからパワーアンプ経由でつないでいるのだが、ショップに行く前に手持ちのSonettoVIIIの特性を耳に覚えこませようと、LRのみのステレオ再生してみたところ、どうも定位感が甘い。「5M近く離れているし、左右の壁との関係性も異なっているし、所詮、ピュアオーディオ用のSPじゃないし、まあ、しょうがないだろう」と思っていたのだが、試しに、Luxmanのプリメインのプリを利用して鳴らしてみたところ、ちゃんと定位感が出たのだ。さすがにAmator IIIをつないだ時ほどではないが、それでもちゃんとボーカルの出どころはわかるようになった。
これはTomyさんも書かれていることだが、AVプリは、13チャンネルもコントロールしている。マランツの8805は国内製品では恐らく価格的には最高級のAVプリだが、それでも1ch当たりを計算すると、4万円ぐらいしかかかっていない。一方のプリメインは、特段の高級品ではなく「入門機」であるが、それでも1ch当たりを計算すると20万円ぐらいにはなる。もちろんこの価格には「メイン」分も入っているので、もし、「プリ」に4割、「メイン」に6割の費用がかかっているとすると、1ch当たりの「プリ」には、8万円ぐらいかかっていることになる。つまり、8805の倍である。しかも、8805にはDAC機能が内蔵されているのに対し、このプリメインアンプにはそれはない。
つまり、ピュアオーディオの世界の「入門的」なレベルに、マルチチャンネルの各出力の質を合わせようとするならば、少なくとも今の2-3倍くらいのコストをかけたAVプリ(海外製品には存在する)が必要なんだということ…Auro3Dによる音楽鑑賞用のシステムを構築しているつもりの小生としては、イタイ「発見」であった(笑)。
もう一つの「発見」は、ちょっと驚くべきもので、「マルチチャンネルオーディオ」って全部のスピーカーを同じにしない限り、完成しないんじゃないか、という不安が募り、ちょっと何を信じればいいのか分からなくなるものであった。
実験したのは、写真にあるように、手持ちのSonettoVIIIとAmator IIIをLRに組み合わせてのステレオ再生。[:image1:]SonettoVIIIのLにつないであった4つのバナナプラグ(バイアンプ接続)を外し、AmatorIIIにつないだところ、全く音が定位しない。ボーカルがスピーカーに貼り付いている。これは、前日に実験した逆位相だとすぐに気が付き、「接続を間違えたかな?」と入出力すべてチェックしたが問題なし。試しに、Amator IIIをプラスマイナス逆につなぐと、ちゃんと定位する。
まさかと思って、RのSonettoVIIIを見るとプラスマイナスは正しくつなげてある。さらにまさかと思ってSonettoVIII LRを「正しく」つなぎ、Amator IIILRを「逆相」でつないで、4chとして、8805のAudysseyを走らせると、なんと!「すべてのスピーカーの極性が逆」だとのお告げが…。[:image2:]これはつまり、SonettoVIIIは、プラスマイナスを逆につないで、初めて「正しく」つないだことになる、ということを意味しているのだ。
よく、オーディオ雑誌やこのコミュニティでも、マルチチャンネルのスピーカーを選ぶときは、「できれば同じシリーズ、最低でも同じメーカー、その場合も製造時期の近いものを」と言われる。いうまでもなく、SonettoVIIIとAmator IIIは同じソナスファーベルというメーカーである。しかも、どちらもまだここ2,3年のうちに発売された、製造時期の近い両製品である。
たまたま、私の手持ちのSonettoVIIIが不良品という可能性ももちろんある。でも片方だけならともかく、2台とも「内部の配線をつなぎ間違える」なんてことがあるのだろうか?これは、そういう設計になっている、と考えざるを得ない。
こんなことがあるのを知ってしまうと、「今度買おうと思っている、同じソナスのSonettoの極性はどうか?」とか、「すでに壁や梁に固定してしまっているヤマハの第2層の7つのスピーカー群は大丈夫だろうか?」と、疑心暗鬼にとらわれてしまった…。
このコミュニティでもサラウンドシステムを構築している方は少なくないと思うが、同じメーカーで揃えているから大丈夫と「思い込んで」ないだろうか?極性が反対のスピーカーは同じメーカーでも存在している可能性がある。極性が反対でも音は出るので、映画などの効果音だけを再生している場合は気が付かないのではないだろうか。一度、隣り合う2チャンネルずつを切り離して、センター定位するボーカルをステレオ再生してすべてチェックしてみることを強くお勧めする。
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