私もコンサートは最低でも数か月に一度くらいは行っていますが、それを「日記」にするのは今回が初めてです。聴いた演奏を言語化するのは私のようなものには敷居が高い作業であると思っているからですが、今回のコンサート経験だけが特別なのは、私が追い求めるレコード(録音)再生上のテーマである「Auro3D」と深く関係しているので、是非、紹介したいと思いました。
参加したコンサートは、「名倉誠人マリンバ・リサイタル2021」というタイトルのもので、「マリンバ」という木琴の一種の演奏会です。
2021/10/13(水) 名倉誠人 / 小川佳津子
東京文化会館 小ホール
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実は、ここでの演目は、私がかつて、「 Auro3D、現在地(2021) ソフト編―(その2.音楽)」と題して本コミュニティ内でご紹介した、e-onkyoでダウンロード販売しているAuro3Dフォーマットのアルバム、『Bach Parallels』
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とかなり重なっていて、それを事前に知っていた私は、「Auro3Dで録音されているのと同じ演者・演目のライブコンサートなんてめったに聴く機会はない」と、かねてからこの日が来るのを楽しみにしつつ、伊豆の別荘に行くたびにこのアルバムを聴きこんで「予習」をして、準備万端で当日に臨みました。
会場の「東京文化会館 小ホール 」は恥ずかしながら私は初めて入ったのですが、こんな感じのホールです。
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<同会館HPより引用>
客席数は649席あると言いますから、ヨーロッパ的な基準ですと、小ホールというより中ホールぐらいの規模のような気がしますが、天井がかなり高く(10M以上?)、かつ普通の「ラッパ型」のホールの逆で、奥に行くほど天井が低くなる設計となっていました。
当日のオーディエンスの数は、コロナ状況下で人数制限をしているためでしょう、三分の一以下の埋まり方でした。
さて、演奏が始まると、私は「あれっ」という感じで、天井や後ろをきょろきょろと見渡してしまいました。周りのオーディエンスからはかなり不可解な行動をする客と思われたことでしょう(笑)。
見渡した理由は、拙宅のAuro3Dで聴くほど「音が回ってこなかった」からです。私はさぞや本物の演奏は、マリンバの柔らかい音がホール中にレゾナンスしあう「アルファ波の出そうな」、リラックスした音場体験ができると思っていたのですが、「いや、これ、ウチの方がアルファ波でるわ」と(笑)。今回、コンサート後初めて伊豆に来て、もう一度このアルバムを拙宅のAuro3Dで聴いて、「確信」を持ったので、今回記事にしています。
まあ、確かに私の席が舞台から5Mほどと近く、間接音より直接音の方が耳に届きやすい位置だったこともあると思います。また、ホールの形状と大きさが、マリンバ一台(時に二台)が出す音量に比して、空間容量が大きすぎるような気もしました。それゆえに音が反射して戻ってくる前に減衰してしまったのかもしれません。
ライブよりレコード(録音)の方が音が良い、というのは、ロックコンサートなんかだとむしろ当たり前で、あれは「聴きに行く」というよりはむしろ「観に行く」ないし「踊り・騒ぎに行く」ものだと思っているので、それはそれでいいのですが。
自分が聴いている「レコード」再生音というのは、Auro3Dでもそれ以外でも、人工的に加工されたものであり、時には(しばしば?)本物より「良く感じる」ように作られているなあ、ということを改めて体験した2時間でした。
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