Trinnov VS Storm with Wilson-弩級空間オーディオシステムをハシゴする-X1おやじ邸とグランドスラム邸

日記・雑記
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マルチチャンネルオーディオおよび映画ファンの皆様、お待ちどうさまです(一部の方だけかな?=笑)。

3Dオーディオ化を果たし「新装開店」しました、X1おやじ邸に行って参りました!!!「ここにスピーカーをつけたのはあなたの影響」
【写真1】[:image1:]
とまで言われてしまいましたので(汗)、その成果報告を真っ先にする責任をヒシヒシと感じ(笑)ていたものの、私には珍しく週末も仕事があったので、グランドスラムさんに一番槍を付けられてしまいましたが(笑)、まあ、露払いをしていただいたということで(失礼!=爆)、以下、ご笑読ください。

まず、X1おやじ邸の3D化については、ご本人がすでに記事にされておられますので、経緯など詳しくはそちらをご覧いただきたいのですが、
私から見て、出色な点を簡単に整理しておきますと、

1 元々、1F層には、ほとんどの方が雑誌でしかみたことがないであろう(汗)、Wilsonの<怪物>のような威容を誇るSPが3セット、6台もあって、そこにセンタースピーカー(これはWilsonではないそうです)を加えた、7.0ch(SWは入れていない)が構成されている
【写真2】[:image2:]
2 そこへ、KEFのLS50という、最新鋭の今売出し中の同軸スピーカー4セット8台(!)を一気に大人買いし(笑)、空間的に余裕のあるお部屋の2F、3F層の(私の関心であるAuro3D的見地からは)かなり理想に近いポジションに設置されている
【写真3】[:image3:]
3 その上で、これら合計で15台になるスピーカー群を統率するConductorとして、TrinnovのAltitude 16という、拙宅にStormのISP MK2を導入する際には「敢えて」比較試聴を避けた(理由は拙宅の場合は24ch版が欲しかったので、このチャンネル数になると価格差が倍以上でしたので、<気に入るのが怖かった>のです=爆)、とても気になるハイエンドAVプリを導入されている
【写真4】[:image4:]

と、こう書いただけで、すでにワクワク感が抑えられない!まさしくAudio Wonder Landで、私にとっては、Disneyランドなんかよりよっぽど「行かずには死ねない」(笑)ところで、お金を払ってでも伺いたい(爆)と思って打診したところ、ちょうどふかひれさんもお見えになるタイミングでご一緒させていただけるということになりました。

さ・ら・に(笑)、かつてX1邸に訪問したご経験のある、弩級Wilson仲間のグランドスラムさんからも兼ねてより、「一度一緒に行きましょう」とお声がけいただいていたので、試しにと思って「ご一緒しませんか」と伺ったところ、なんと!、「どうせなら、ウチにも寄って行ってください。その辺のオーディオ雑誌真っ青の、いい比較記事が書けると思いますよ」とのお誘いが。確かに、両者は、新旧のモデル違いはあるとはいえ、同じWilsonの弩級スピーカーを主戦としたマルチを組んでおられ、しかもまだまだ少数派のVoice of Godと呼ばれる視聴位置真上のAuro3D用のSPを備えている。ソース機器も同じパイオニアのLX800。そしてグランドスラム邸は、拙宅と同じISP MK2なので、「おそらく日本中で、AVプリを除いてこれほど比較の対称性の取れた二つのハイエンドマルチオーディオ空間はないだろう。両者で同じ日に同じソフトを聴けば、StormとTrinnovの違いを体感できるかも!」と舞い上がりまして(汗)。朝5時に起きて、日付が変わってから自宅に戻るという、東京→新潟→会津→東京の一辺が200キロを越える三角形を一日で移動するという、「超弾丸試聴ツアー」を決行したのでした(妻に、「歳を考えろ」と呆れられました・・・)。

Storm導入後のグランドスラム邸への訪問記は、すでに書いておりますので、
今回は、X1おやじ邸の音・音場・音像に絞り、3度お邪魔したグランドスラム邸の音・音場・音像をReferenceにして(私は「絶対オーディオ音感」を持っておりませんので、<比較>という方法でしか言説化できないのです・・・)、拙文にしてみたいと思います。

まず、結論を先に述べますと、今回の最大の目的である、Trinnov Altitude 16と、Storm ISP MK2の厳密な比較は果たせませんでした(いきなり、肩透かしですみません=泣)。X1おやじ邸とグランドスラム邸(そこに少々、拙宅も含め)の<音・音場・音像の違い>はありましたが、それがAVプリの違いだとまで原因を特定して抽出することができなかったのです。

詳しくはお二方の「マイルーム」を見ていただければと思いますが(グランドスラムさんは公開されていないか・・・)、私レベルでもわかる主な違いを列挙しますと、

【表5】[:image5:]

こんな感じ。これ以外にも電源関係とかケーブル類とか、私ではさっぱり説明できない部分(汗)にも恐らく、かなりの違いがあると思われます。それゆえに、当初の目論見であった、「入口と出口の類似性」だけを根拠に、両者の音の違いをAVプリ<だけ>の違いの結果とするのは、慎まなければならないなあ、というのは、さすがに私のようなものでもわかりました。ただ、オーディオリテラシー(経験値)の高い方が、以下の私の聴感上の<聴こえ方の違い>を読めば、上記のどの要素がその違いにどの程度寄与しているのかを割り引いて、両AVプリの違いをある程度は把握できるかもしれませんので、ご参考になれば幸いです。

さて、いつもながら(汗)、前置きが長くなりましたが(職業柄です…)、まず、今回私が持ち込ませていただいたソフトは、以下の8本(映画3本、音楽5本)です。この写真のうち、一番上の段の2本以外は、すべてAuro3DのNativeソフト(映画2,音楽4)です。
【写真6】[:image6:]
もったいぶるわけではありませんが(笑)、音の印象を書く前に、これから3D化を検討している方に向けてどうしてもご紹介したい点があります。それは、X1おやじ邸の2Fのスピーカーのセッティングです。

この二つの写真を見比べてください。
【写真7&8】[:image7:][:image8:]
方や、X1おやじ邸のKEF、方や私の東京の書斎のYamahaです。両者のSPと壁との距離に注目していただきたいのです。X1おやじ邸のKEFは、天井までまだ1M近くあり、左の壁までは1.5Mぐらい。つまり背にしている後ろの壁以外の壁からの距離が「理想的に」離れているんです。2chでは「壁からなるべく離す」というのはスピーカーセッティングの常識ですが、これはマルチでも同じなんです。でもほとんどの方が、私の東京の書斎のYamahaのようになってませんでしょうか?天井と横と後ろという、3方向とも壁に近いんです。これじゃあ、ダメなんです(泣)。いくらAVアンプの補正があるからと言っても限界はあります。このSPの位置では、<いい音>がするはずはないのは、ちょっとオーディオをかじった人であれば、どなたでもわかると思います。でも、一般の天井の低い、狭い日本家屋では、どうしても拙宅のようになりますよね。それが普通なのですが、X1おやじ邸は2FのSP群のセッティングが完璧・理想的です!このような完璧な配置になっている部屋を、私は初めて見ました。天下の(笑)AVACのショールームでもこうはいかないです(笑)。私は、X1おやじ邸のお部屋に入った途端、ここに目が行き、美音を確信したのでした(笑)。

で、実際の音です。Spacious!!!すでにグランドスラムさんも書かれていますが、私の耳には、実際の空間容量をさらに数倍するような音場に聴こえました。「音のプラネタリウムだな、これは」と思って、ずっと聴いておりました。ただ、これがTrinnovのお陰なのか、KEFの実力なのか、上記のセッティングの恩恵なのかは、はっきりとは弁別できませんが、間違いなく、グランドスラム邸や伊豆の拙宅より、「広い」です。これで『Star Wars』とか観たら、スクリーンの奥に無限に広がる宇宙空間に吸い込まれるような気がすると思います(事実、私が持ち込んだAtmos版の『Gravity』で痛感しました)。遠近感が素晴らしく出ているので、3D映像なんかも恐らくすごく映えると思います。

音色の傾向としては、敢えて言えば、グランドスラム邸がHot気味、X1おやじ邸がCool気味。これは完全に好みの問題でしょうが、この違いの原因は、AVプリか、もしかするとパワーアンプか?

Auro3Dのホルンが中心のアルバムも絶品でした。管楽器は高さ感が出るのでAuro3D向きなのですが、綺麗に倍音というか残響音が立ち上っていくさまが<見える>のです!

オルガンも同様でした。グランドスラムさんもお書きになっておられますが、SWがないので、普段SW3台(映画時は4台=笑)の加勢を受けている音に慣れている小生の耳には、超低域(または重低音)はやや物足りない感はあるのですが、中高域の高さ感は特筆ものです。拙宅は、かなり急な勾配天井で、最高部の高さは約7Mと、X1おやじ邸より高いので、恐らく、見た目の効果もあって(笑)、訪れる方は皆さん<音の高さ感>を指摘されますが、今度、X1おやじさんが拙宅にお見えになったらどうお聴きになるか、興味深いところです。

褒めてばかりでも芸がないので(笑)、少々気になった部分を敢えて書くと、教会音楽の合唱部分で、先に美点として挙げた空間(実空間ではなく、<音場>という意味です)が広いのがここでは逆に裏目に出て、やや実体感に欠けるというか、薄いようなところがあるような気がしました。個人的な好み(まあ、単に、普段自分が聴き慣れている音なんですが=汗)としては、もう少し固まって、力強く声を合わせて欲しい、かな(笑)。

あと、もう一つ気になったのは、Trinnovの設定画面をPCでしげしげと拝見させていただいた際に、KEFが測定値ではかなりのハイ上がりなのに、それをTrinnovは、かなりのハイ落ちに補正していることに気が付いた点です。以前にも書きましたが、私は経験的持論として、マルチの2FのSPは、ちょっとシャリシャリ感があるぐらいの方が<いい音>(定義のあいまいな表現ですみませんが、主観的なものなのでお許しください)に聴こえるような気がしています。どちかというと1Fはどっしり・しっとりしてもらって(ここは、X1おやじ邸は完璧です)、上に行くほど高域重視のまさに空間的にも<ピラミッド>型の音場配置の方がイイ感じなんです。

実は拙宅でもISP MK2導入当初は、全帯域をDirac Liveで補正させていましたが、その後の使いこなしで、中高域は各SPの好きにさせたら(笑)、音がものすごくLiveになったという経験があります。恐らく、X1おやじ邸では、輸入代理店がセッティングをした際に全帯域でTrinnovの補正をかけていると思いますが、ここは今後、いじり甲斐があるのではないでしょうか。そうすると、例えば、『Blade Runner 2049』の雨中のラブシーンの時の<雨音>のリアリティが、さらに増すような気がします。

もう一つ。これもグランドスラムさんも書かれていますが、やはり一度、グランドスラム邸か拙宅にて、SW<アリ>の音を聞いてみていただきたいとは思いました。SW要不要論争はこのコミュニティでもたびたび持ち上がるようですが、私自身は今のStormのBass Managementを使ってみて、心底、SW肯定派になりました。Altitude16にも、ISP MK2に劣らない、ものすごく優れた(スムーズなf特のつながりだけでなく、位相やインパルス応答、タイムアライメント、定在波など=深く理解はしておりませんが=汗=を含めたTotalとしての)Bass Management機能があるということは、Storm購入の際にTrinnovも含め海外のサイトなどを研究したので知識としては持っております。現状、X1おやじ邸のTrinnovは、この優れたBass Management能力を、単に、2,3FのKEFが受け持つはずの低域を、1FのWilsonに振り分ける、という使い方しかしておりません。間違いなくBass Managementというのは、SWを導入して初めてその能力を最大限に活かせるものです。グランドスラムさんにも話したのですが、確かにf特的には、Wilsonの巨大SPはどれも十分な超低域再生能力があります。しかし、「餅は餅屋」でして、超低域再生専用に作られているSWによる再生音(<音>というよりは<空気感>)は、別格なものがあります。特にLFEを多用する映画音響では、SWアリとナシでは、決定的な<音体験>の違いがありますよ(現状では、LFEの暴力的な(笑)低域がWilsonに振られているため、Wilson本来が持つ<音楽としての美しい低域再生能力>が阻害されています)。お疑いでしたら(笑)、X1おやじさん、まずは拙宅かグランドスラム邸へ!(彼も元は、SW不要派だったのはよくご存じかと) 一言だけ、ささやいておくと(笑)、今お使いのAltitude16には、あと1台分だけ、XLR出力端子が空いているはずです。そこにあの大空間とハイエンド機器に相応しいSWをつなげば・・・想像するだけで、ワクワクです(その節は、必ず呼んでくださいよ!!!)。

最後に、実は、今回の訪問には、私だけ隠されたMissionがありまして(汗)。それは特に私がお世話になっているK&KさんとTomyさんからの宿題で、「Wilsonの大型スピーカーのユニットの中に<逆相>接続になっているものがあるはずだから、それがどう、TrinnovとStormで<解決>できているのか、はたまたできていないのかを見極めて来い(笑)」というものでした。まあ「宿題」というのは大げさで、でもお二人には拙宅のSonettoVIIIの逆相問題解決の際に大いにお世話になったので、この問題意識を共有しているのです。で、結論はというと、「はっきりとはわからなかった」です(ヘタレですみません・・・)。最初、X1おやじ邸で、合唱などの中域がやや広がりすぎる感じを受けたときは、「おっ、これか?」と思ったのですが、同じ条件(つまり、1FがWilsonで、2Fが全正相接続のSP群)のグランドスラム邸では、そのような感じを受けなかった(敢えていえば、迫力のグランドスラム邸VS立体感のある拙宅、ではあるかもしれませんが)のです。ただ、怪しいのは、特にX1おやじ邸のセンタースピーカーで、ご本人もオフ会の途中、センタースピーカーをOffにしたりしておられましたので、X1おやじさんも何らかの違和感を感じておられるのかもしれないなあ、と思ってみておりました。

いつもながらですが(汗)長くなりましたので、この辺でそろそろ止めておきますが(本当はまだまだ書きたいことがたくさんありますが!)、実は正直申し上げて、グランドスラムさんに会津に拉致(笑)される際に、とても後ろ髪を引かれる思いをいたしました。というのは、X1おやじ邸からの去り際に、「せっかく来たのだからちょっとだけ2chも」と、B&Wの800D3を聴かせてもらったからなんです。なんでも、X1おやじさんの「本命」は2chで、その意味では今回は申し訳なかったのですが(汗)、クラシックはWilsonで、ロックやJazz/Popsは800D3で聴いておられるそうですが、特にこの800D3による「おんでこ座」の太鼓の再生は、来客に最初にかます<挨拶>として私も諸先輩から噂は伺っておりました。諸先輩方はそのPulsiveな大太鼓の低音の迫力を熱く語られますが、私が感動したのは、むしろ尺八の音です。どちらかというと「高音フェチ」なのです(笑)。当然、2chでB&Wですから、位相問題は皆無。その音の実体感と、<かまいたち>現象が起きそうな鋭利さは、「いや、これ、最初から聴かせてよ」と思いましたもん(爆)。

もう一つだけ(笑)。私、普段は映像なんかどうでもいい人なんですが、初めて、「これ、本当に美しいなあ」とX1おやじ邸のスクリーンに映し出された映像を見て思いました。実は、プロジェクターは私と同じものらしいのですが、X1おやじさんは、ライカをこよなく愛するだけあって、こちらもこだわりがおありらしく、なんでも専門の方に色調などを調整していただいたのだとか。デフォルトで使っている拙宅とは、雲泥の差のある、温かみのある色でした(まあ、スクリーンもスチュワートをお使いなので、その差もあるのでしょうが)。今度拙宅に来たらノウハウを教えてくださいね(笑)。

ということで、X1おやじさん、今度は、もっと時間をたっぷりと取って、2ch中心に再訪するお約束を固くさせていただきましたね。その際に、もしかすると「補正機能を補正する」という、最近止む無く身に着けた<妙技>(笑)をTrinnovに対して披露させていただくかもしれません。でもその前に、拙宅に、必ずお越しください!!!

この度はありがとうございました。ポトフの玉ねぎ、無茶苦茶甘かったです!

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