低域の強化(SWの能力差)は、聴感上どのような効果として現れるのか―ELAC SUB3070二台導入

日記・雑記
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昨年、グランドスラム邸を訪問して以来、拙宅のAuro3DシステムのBeef Upポイントとして、「パワーとスピード」の向上(これが結果的に私の好きな<繊細さ>の向上につながると信じて)を課題とし、先にパワーアンプのテコ入れをしましたが、このほど、第二弾として考えていた、サブウーファーの買い替え・買い増しをしました。

購入したものは、ELACのSUB3070というもので、2台導入しました。今回は、ちょっといきさつがあって、導入に際しての比較試聴などはしておりませんが、元より、買い替え候補として、密閉型・30センチ以上の口径・対向ユニット配置―を条件にしており、具体的には、B&W、ELAC、Eclipseのいずれかにしようと思っておりました(異なるお店やショーではありますが、一応すべて試聴経験があるものです。残念ながらKEFやモニオは聴いたことがないので、候補からは外していました)。

それまでメインで3台使用していたFostexの250との仕様上の違いは、
1. ウーファー径 25センチ→30センチ
2. ウーファー数 1ユニット→2ユニット
3. アンプ最大出力 300W→1200W
4. 振動版素材 パルプ+ケブラー→アルミ

肝心の(汗)f特については、どちらも密閉型なので、両端だら下がりのため、マイナス何㏈までで測定するかで異なってくるので、正確な比較はできません(ELACは、「18Hz〜180Hz」と公表しているが、マイナス何㏈かの表示がない。一方のFostexは測定グラフは出しているものの、数値を公表していない)。

今回のSWの入れ替えで、システム構成上の大きな変化は、音楽再生時、これまでSW3台(Fostex250が3台)でBass Managementを担当していたのが、4台(Fostex2台、ELAC2台)に増えたことです。

低音再生能力は、「振動板実効面積」に比例するというようなことを、Tomyさんの記事のレスの中で教えていただきましたので、私にはとても珍しいことですが(汗)、電卓片手に、ちょっと数学的なアプローチをしてみました。

<振動版実効面積比較>

Before: 約478㎠
After: 約1218㎠(ちなみに、JBLで有名な15インチ=38cm SWは1Unitで、約1133㎠)

その差、約2.5倍!!! ELACはダブルウーファーなので、ユニット数だけでも3→6と、倍になっているのに加え、口径の差があるため。

フロント(視聴位置からは螺旋階段の陰に隠れて見えない)
[:image2:]

リア(普段はソファで隠してある)
[:image3:]

さて、今日のレポートのポイントは、果たして、①2.5倍の低域再生能力差は、聴感上どう違って聴こえるのか?②「高度な補正機能」を持つAVアンプは、SWの能力差をどこまで極小化できるのか?という二つの問題意識です。

前者は説明不要でしょうから、後者に関し補足を少々。普通の(例えば2chの)システムにSWを追加する場合は、そのSWの性能差・音質差は、もろに出ることは当然です。単純にAdd-on(付け加え)しているだけですから。ところがご存知の通り、SWの使用を前提に設計されているAVアンプは、最近はほとんどSWを含めた「音響補正」や特に低域はSWとその他のSPの役割分担を行う「Bass Management」と呼ぶ機能があるわけで、同じSWといえども、Add-onで使うのと、Bass Managementで使うのでは全くと言っていい機能上の違いがあります。

特に拙宅の場合は、Dirac Liveの「Bass control」という、「音響補正業界」(?)ではかなり現時点での最先端の一つと考えられるものが導入されているので、SW自体の性能差・音質差を、その補正能力により「ある程度は」無化できるのでは、という仮説を立ててみたわけです。事実、無邪気な(笑)私は、ISP MK2を導入した当初、「これで音響は完璧。あとは何も要らないし、いじる必要はない」と思い込んでいましたから(爆)。

もちろん、どんなに優秀な「補正機能」をもってしても、元々「無い」ものを生み出すことはできないわけです。どう考えても、上記でみた仕様のちがいから再生可能最低周波数を音量レベルで見れば、ELACの方が優秀でしょうから、最低域領域の音質・音量に差が出るのは当然でしょう。ですからここではそれ以外の音域におけるBefore/Afterの音の違いに注目してみたいと思います。

さて、今回のセッティングでは、グランドスラムさんに多大な「肉体的協力」をいただきました。まずはこの場をお借りして感謝申し上げます。置き場所については、先の記事「SWの置き場所は、本当に「どこでもいい」んですか?」で検討させていただいた結論を基に、部屋の前後ろにしました(つまり、左右にFostex250)。補正に関しては、これも先の記事「SWの「自動音場補正機能」って、いったい何しているのか、教えてください!」 に皆様にいただいたレスなどを勘案し、まずはELACのマニュアルに書いてある通り、最初にELACのSWに内蔵されているキャリブレーション機能を使い補正した後、Dirac Liveによる全スピーカーのBass Control 補正を行いました。

Bass Managementの設定では、当初、以前のFostexのSWの時と同様に全スピーカー80Hzをクロスオーバーポイントにし、それ以外の設定も前回同様にしてキャリブレーションをしてみました。

出音に関しては、そのうちグランドスラムさんが「訪問記」を書いてくれるそうですから、客観的な意見はそちらにお願いしするとして(笑)、私的には、ちょっとモリモリ・マッチョ過ぎる気がしたので、グランドスラムさんがお帰りになった後に、思い切って、LCRを30Hz、他を50Hzで切って、それ以下をSWに回す設定にしてみました。またオルガンなどを再生するとあまりに家が揺れて怖いので(汗)、それを避けるためにサブソニックを20Hzに設定してみました。

今、様々な音源をかけて試聴しているところですが、低域もさることながら、特筆すべきは中高域(ボーカルや、シンバルの音などに特徴的な効果)がくっきり力強くなったことです。「50Hzでクロスオーバーかけているし、そもそもこのSW、Fostexより高音出ないはずなのに…」(カタログ上のf特は180Hzまでだが、キャリブレーションの際のスイープ音を聴くと、聴感上明らかにFostex250の方が上まで音を再生できていた)と、不思議なんですが、私の駄耳では「事実」なんです(笑)。しかも、Add-onならともかく、どちらも1Khz以下は同じAVアンプによる補正をかけており、また、1KHz以上の中高域の補正は<しない>設定にしてあるのです。SW以外のスピーカーはBefore/Afterで同じなので、つまり、「中高域のf特が変わった」ということだけは論理的にはあり得ないと思います。にもかかわらず、<聴感上は>中高域に大きな変化が感じられる(私の耳が単に悪いだけ???=笑)。

記憶をたどると、かつて1000MにFostexの250を付けてみたときに、超低域なんかほとんど入っていないピアノ曲の、さらに左手ではなく右手のフレーズの音がとても魅力的に変わったことに驚いたことがあります。ただし、拙宅では映画用に「床を振動させるため=笑」にバスレフ式のSWを置いてありますが、これをOnにしても中高域の改善効果はあまり感じません(実質40Hzぐらいまでしか出ていないためでしょうか?不思議です)。

この現象、音響工学に素人の私にはロジックは???なので、お詳しい方のフォローをいただけたら幸いです(まさか私の気のせい?=汗)。仮説を立てれば、我々が中高域の音を聴き分けているときには中高域の音<以外>の音=低域も含まれているわけですから、その低域の違いが聴感上の中高域の認知に影響を及ぼすとか?(でもまさかシンバルの音に、さすがに100Hzは含まれていませんよねぇ…)

今回は、「低域(SW)をパワーアップして<なぜか?>中高域が良くなった」という結論になったのですが、今のLCRのクロスオーバー30Hzはやりすぎで他のSPと同様の50Hzぐらいにした方がいいかな、とも考えなくもないので、そのうち試そうと思っています。このあたり、何かご助言や知見がありましたら、またお願いできれば幸いです。

[:image1:]
ついでに、「青沼静馬」君を片付けてすっきり!

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