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平面波の理解を助けるための動画

日記・雑記
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およそ1カ月前に、「Aruo-3Dの特徴は、前面の1F(フロア)3個(R-C-L)、2F(ハイト )3個(HR-HC-HL)、計6個のスピーカーを配置するすることによる「平面波」の形成である。そのイメージをつかめるイラストを描いてほしい」と、Auro3Dさんからご依頼が参りました。
 音波を図で表現する? 横方向のみならず高さ方向も表現できる図?と、イラスト描きが専門というわけではないdonguriが初めて挑む音波に関する説明図の作成チャレンジでした。
 平面波の考察については、やはり1ヵ月前頃、ヒジヤンさんがまとめられておられ、これで十分じゃないかとも思いましたが、図だけみれば直観的にわかるものが出来たら良いなあと、やってみました。
 自分では結構気に入った図(動画)が完成しましたので、お披露目をいたします。

作図方法ですが、以下が要点となります。
・Excel のヒートマップグラフ機能を利用する。
・音は空気の正弦波の粗密であるとし、点音源は密度最大1、中央値0、密度最低-1の音圧(振幅)の音を発生し、密度大きい(プラス側)ほど赤が濃く、密度が低い(マイナス側)ほど青を濃く表す。中央値は白となるようにヒートマップを調整。
・縦・横・高さの座標から任意の位置の密度を計算。
・Excelのシートへ入力できるパラメータは、6個までのスピーカーの縦・横・高さの位置、周波数、時間軸。
・セルの色は条件付き書式・カラースケール・百分位の設定。
・音源からの距離の2乗に反比例して振幅が小さくなることを反映する。
・複数音源の影響は、単純に足し算で計算する。R、C、L、RH、CH、LH各音源の重みづけは同じとする。
・壁、床、天井の反射率は0%と仮定。
・高さ方向は40cmごと、平面図を縦に並べて表すことにする。
・1波長分の波の変化を7-10コマのgif動画で表現する。
・R/Lスピーカーはフロント側のコーナー1.2mの高さ、3.4mの間隔で設置。
・C(センター)スピーカーはR/Lスピーカーの中央、1.2mの高さに設置。
・ハイトスピーカー(HR, HC, HL)はそれぞれ対応するスピーカー(R, C, L)の直上2.0mの高さに設置。
・100Hz (波長3.4 m)、150Hz  (波長2.7 m)、200Hz (波長1.7 m)で作ってみる。

という事で出来上がたったのが以下の動画です
・波が伝わっていく感じが表現できた。
・周波数の低い方が平面波を形成しやすい。
・センタースピーカーが入るとスピーカー間の距離が短くなるため平面波を形成しやすくなるのが直観的にわかる。高さ方向まできれいにするためにはハイトスピーカーがあると良い。
・平面波になるとリスニングポジションによる差が少なくなる点も見て取れる。
・6個そろい踏みのスピーカー配置は縦・横方向の平面波を作るのに適している。

コメント ※編集/削除は管理者のみ

  1. donguriさん、こんにちは。

    すごいわかり易い動画ですね。
    どうやったら作れるのか?説明を読んでも理解できませんでした。

    ですが、指向性が低くスピーカーから出た音が、周囲に広がり易く、また音だまりとしてコーナーに集まりやすい低音をリスナーに向かうように伝搬できる「平面波」のメリットがあるのは一目瞭然となりますね。

    リスナーに向かってくる音は、力を感じます。

    • donguriさん

      見逃してしまってヒジヤンさんに一番槍をつけられてしまった・・・(笑)。「会長」失格か?(汗)

      まさか「動画」にまでしていただけるとは思ってもおらず、さらにこのすごいところは、音響理論に基づいた計算式と変数を入れて、科学的にシュミレーションしているところですよね。私は、「イメージ図」をお願いしたつもりだったので、ここまで本格的にやっていただいて、感激して、是非、ここPhil-mでも公開するようお願いしたのに応えていただき、ありがとうございました。

      どうしても、これだけの労作を、私だけでなく、皆さんに見ていただきたかったのです。このすごさは、恐らく文系の私のようなものより、数学のできる理系の方(ここには多いですから!)の方が分かると思うので。

      今、伊豆で、週末の「本番」に備えて、ベルリオーズの『レクイエム』(LSO版とChandos版のSACDマルチ)を、「平面波」の作動するAuro-Maticで鋭意予習中です!当日が楽しみですね!!!

      • Auro3Dさん

        コメントありがとうございます。
        音響工学はちゃんと勉強していないので、
        高校までの物理・数学のレベルの知識で考えました。
        ・音はサインカーブに従った音の粗密である。
        ・任意の場所の密度を音源からの距離から計算する。
        ・複数スピーカーがあるときは足し算。
        という単純発想でグラフを作ってみたら、
        意外に本物っぽく、かっこいいなと自己満足状態になり、
        最後、時間軸を考えた動画となりました。
        音響工学的に正確な式を使っているか、
        保証の限りではないです。

        • ひょっとして、これって、50Hzとか20Hzでも作れますか?

          低い音の方が、平面波はより形成されやすいとか、SP間隔も広くても大丈夫だとかいう「言葉上の知識」だけはあるのですが、それが「科学的に」?シュミレーションで確認できますでしょうか?

          大変そうなら無理しなくて結構です(汗)

    • ヒジヤンさん

      すばやいコメントありがとうございます。
      平面波の理解としては「一目瞭然」と言っていただけ、
      意図した結果が得られたとうれしく思っております。

      作成に関する説明文、分からないという事で、
      すみませんです。
      エクセルのシートの詳細な作り方から、
      丁寧に説明しないと作った本人以外には
      伝わらないとは認識しております。
      後日追記させていただきたいと思います。

  2. Auro3Dさん

    コメントありがとうございます。
    50 Hz バージョンです。
    センタースピーカーの効果が小さくなって、
    L-Rのみでも平面波っぽくなりますね。
    (画像が動画にならない時は、画像をクリックして拡大すると
    動くようです。どうしても動画にならない時はお知らせください。)

    donguri

    • 素晴らしい!ちゃんと動きました。

      やはり理論通りですね。それが視覚的に確認できるのはすごいテクニックと数学的才能ですね(これ、エクセルだけでできるんですか?)

      この結果から逆に言えば、重低音であれば、かなりSP間を広げても「平面波」が形成できるということを意味していると思うのですが、このシュミレーションは、SPの低域再生能力に関してはどういうパラメーターを入れているのですか?

      つまり、この6台とも<50Hzまでフラットな>再生能力があるという設定でのシュミレーション結果でしょうか?

      • まずいな~、これで益々Auro3Dさんが、「得意満面」でAuro-3Dの優位性を語りはじめそうです(笑)

        ですが、本当に「平面波」の理解もわかり易いですし、「センタースピーカーの必要性」や「Auro-3Dの優位性」もわかり易いですね。

        donguriさん、50Hzの結果も本文にのせて「見どころ」のコメントも入れておくとよりわかり易いかなと思いました。

        • ヒジヤンさん、donguriさん

          ハハ、鼻が膨らんでいるのが、見えました?(笑)

          まあ冗談はさておき、科学的に優れたフォーマットであることが、「音楽性に優れている」とまでは言いきれないところが、オーディオの深いところですよね(これがPCとかなら少しでもスペックのいいものの方がいいに決まっている!)。

          ハイレゾであれば、なんでもCDより音楽性が高いとは言い切れないのは、皆さんがよく知るところです。

          それより、今回の結果で、個人的には「平面波」って意外に高い周波数でも形成されるのだな、という点にも注目しています。一部には、「平面波は(超)低域でしか形成されないので、SWとBass Managementなんかを使ったらダメだ」という議論があったので。

          200Hzといえば、ヒジヤンさんのバリトンぐらいじゃないですか?(笑) チェロあたりなら前面6台SPを備えるAuro-3Dならほぼ完璧に全域で「平面波」が形成出来ていて、「ソースに入っているチェロの音を逃さずリスナーに届けている」と言えるかもということですね(繰り返しますがそれによる「音楽性」への影響はまた別の議論です=汗)。

          2chソースを、普通に2chで再生した後にAuro-Maticに切り替えてAuro-3D化すると、中低域の質・量が増大するのは経験的にいろいろな所で何度も述べておりますが、そのメカニズムが科学的に解明されたと個人的には解釈しました。

          donguriさん、ありがとうございました!

          • 今回の日記を拝見し、体育館に設置されているスピーカー(ラインアレイスピーカー)を思い出しました。考え方は同じかな?

            ラインアレイスピーカーの解説は下記URLを参照してください。
            https://www.toa.co.jp/otokukan/otolabo/theme2/at2.htm

            • ふかひれさん

              私が専門家から受けた説明では、最近のロックやポップスなどのコンサートの舞台の左右にある、「巨大な塔」(スピーカーが縦に並んでいる)も、「平面波」の研究が進んで、音を横に逃がさずに「前へ」効果的に届けられることがわかってきたので採用されてきたのだそうです(昔のコンサートは、例えば60年代のBeatlesが使ったVOXのような、「大きなユニットを使ったPA用のSP」をバラバラに(部隊の左右など)舞台上に配置するのが普通だった)。

              ちなみに、今流行の、「サウンドバー」も、小さなSPを隙間なく横に並べることで、広い帯域で音の直進性を高めていますが、これも「平面波」の理論の応用だと伺いました(あれ、正面で聴くと結構いい音しますよね)。

              ところで、デノマラともDirac Liveの実装が始まったようですよ!Bass Controlが先送りなのは残念ですが、私は今晩にでもインストールしてみようと思っています。

  3. PA用としては、かつてはホーン型スピーカーで遠くに音を飛ばすことが主流だった気がします。それが研究が進み、「平面波」の理論を応用したラインアレイスピーカーに進んできたんですね。近年の主流かと思います。

    ホーン型は指向性が強くて、近くでは聴いていられないデメリットが目立ってしまいますね。

    • これにいち早く気がついて、民生用に応用したのが、マーク・レビンソンさんですよね。

      彼が設計?監修?したという、天井まで届くようなSPを、グランドスラムさんのご紹介で浜松と東京郊外の好事家のオーディオルームで聴かせていただいたことがありますが、瞠目すべき音でした。

  4. 平面波の民生用スピーカーへの応用ですが、

    ツイーターのラインアレイ化はどうなんでしょうか?
    もともと指向性が狭くて、直進性の高い高域です。
    自分もショップで聴いたことがあるのですが、食指は動きませんでした。
    ツイーターは(高域は)出来るだけバッフル面を設けずに、後方にも音を回し込むのが、現在の主流ですね。

    その面、指向性が広くてスピーカーから出た音が、周囲に広がり易い低域をリスナーに向けて直進させようとするAuro-3Dの平面波応用の方が遥かに魅力的に思います。

    あっ、またAuro3Dさんを「得意満面」にさせてしまったかも

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