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JOGOスピーカーを聴く – 試聴編

日記・雑記
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このスピーカーは面白い。簡単なセッティングで、オーディオでもシアターでも省スペース/ローコストで本格的なサウンドが味わえる。

セッティングを進める中で感じた一般的なスピーカーとの比較でのメリットは下記である。
・省スペースで本格的なサウンドが得られること
・容易に立体音響が得られること

反面のデメリットは下記となろうか。
・低音の量感不足
・大音量時のスピーカークリップの発生
世の中でよい面しかないものはおそらく存在しなく、メリットがあればデメリットもあるものだ。

音の視点から見ると、このデメリットはうまく組み合わせたサブウーファーを設置することで多くの解決策となりそうだが、今回はJOGOスピーカーのラインナップの中で中型の高さが低い「奏Sタイプ 金箔仕様」単独での試聴結果を記載する。

1、音の出方と聴こえ方
左右方向に向かって対向配置されたスピーカーの音は部屋中に回る。一般的な2chステレオの左右のスピーカーから出る音の焦点をピタリと合わせた時のような感覚で、音は部屋中に埋め尽くされ立体的な音場空間が生まれる。リスナーに対して左右方向に音を出しているので、高域特性の劣化が心配されたが、スピーカーユニットの前方に設置された高域拡散用のディフーザーが効いているようで、高域減衰は感じなかった。それ以上にセンターにスピーカーを配置することで、ボーカルやソロ楽器の音がセンターで色濃く出るのは大きなメリットと感じた。

2、音質傾向
鮮度やスピード感の高い音が味わえる。レンジは狭いが、低音楽器の定位も明瞭に再生する。8cmフルレンジコーンの良い面が出ていると感じる。ただし低域の量感は物足りなさを感じた。高域の物足りなさはなく、普通に聴く分に不満は感じない。

3、オーディオ使用での音源ごとの試聴結果
“ボーカル”
Ⅰ)ケルティック・ウーマン/ケルティック・ウーマン

・音場が部屋中に広がり、歌声が明瞭に浮かび上がる
・低音の効果音は量感はないものの、しっかりした音で聴ける
・このスピーカーが鳴っているとは思えないような部屋中に広がるサウンドが味わえる

◇ボーカルものは全般的によく鳴る

“ジャズ”
Ⅱ)EUROPEAN JAZZ SOUNDS/ミハエル・ナウラ・クインテット

・古い録音だが、音の鮮度がとても高い
・立体的な音像で実在感たっぷりなサウンド

Ⅲ)Sausolito/イナーキ・サンドヴァル

・ピアノ・ソロの音色、音像、スケール感 文句なし
・鮮明で立体的なピアノが聴ける

◇ジャズは拙宅のメインスピーカーよりもよく鳴るかも

“クラシック”
Ⅳ)カリヨン/幸田浩子

・弦楽合奏の音像定位がメインスピーカーと同じになるのに驚く
・歌声の密度感は特筆もの

Ⅴ)シェエラザード/コンドラシン&コンセルトヘボウ管

・オーケストラを大きなスケールで再生することに驚かされた
・オケの各楽器もメインスピーカーとほぼ同じ位置に定位する
・低音不足は否めない

以上、ジャンル別に簡単に試聴結果を記載したが、このスピーカーの音の魅力は下記に集約される。
・部屋中に広がる音場
・センターが濃い、鮮度の高い音

4、シアター使用での試聴結果
オーディオ用システムに、外付けBlu-rayプレーヤー⇒PCモニター⇒DDコンバーター⇒DACへ入力で試聴した。

Ⅵ)ライブ イン ラスベガス/セリーヌ・ディオン

・切れのよい音に魅了される
・映像があるせいか、低音の量感も気にならない
・臨場感あふれて、ずっと観ていたい気分になる

Ⅶ)魔笛/ロイヤル・オペラ2003

・オペラのオーケストラ演奏は低音不足が気になった

Ⅷ)映画のセリフ
・鮮度が高く密度の高い声がセンターから出るので、最適と思えた

5、まとめ
以上、音源ごとの簡単な試聴結果だが、古い録音(ナローレンジ)のジャズやピアノソロなどはとても良く鳴る。センターが濃くて、部屋中に広がる音場はとても魅力的だと思う。反面、低音の量感がないと楽しくない音源は苦手なのはやむを得ないだろう。この点は、上手くつながり省スペースなサブウーファーを期待したい。それにしても、この省スペースなスピーカー1本で、鮮度が高く、部屋中に広がる立体的な音を楽しめるのは他では得難いメリットだと感じた。これ1本(+サブウーファー)で、オーディオもシアターの音も楽しめる。

<番外編>
JOGOスピーカーを1週間ほど聴き続けた後に、メインスピーカーのB&W802Dに切り替えたら、センターの濃さに不満を感じた。中域の鮮度も気になる。JOGOを聴いていた時には、早くB&Wに戻したくて仕方がなかったのに、戻したら戻したで気になる点が出てきた。

そこで、スピーカーのセッティングを見直した。壁に対してやや離す方向に動かし、内ぶりの角度を増した。

以前は広がりを重視して決めた内ぶり角度だったが、タワシアースで音がほぐれたためか、内ぶりを深くしても広がりに不満はなかった。写真ではほとんど違いは判らないが、サウンドは変わる。単独で聴いていただけでは気づかない、比較で鳴らすメリットが出たようだ。

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