JOGOスピーカーを鳴らす – セッティング編

日記・雑記
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左右のユニットを外向きに対向させて、一体のキャビネットに収納したJOGOのせんべい式スピーカーは面白いコンセプトのスピーカーだ。ユニットを中央一か所に設置することにより、濃いセンターの音を出すと共に、外向きに対向させることにより左右のセパレーションを高めて、広大な音場を得る方式と聞いた。自分視点では、この方式でよく鳴るのであれば、省スペース化が図れることに大いなる魅力を感じた。

このスピーカー1本で、5本分のサラウンド・シネマ(映画)を楽しめるとしたら…、スペース面で住宅環境の厳しいお宅では願ってもないことだろう。発音源をセンターに集約しているので、スピーカーに対して部屋のどの場所から聞いても比較的均一な音像や音場が得られるはずだ。実際に使われている方の評判もよく、部屋中に広がる音場を楽しめるとのこと。これで音がよければ、まさに鬼に金棒、省スペースの雄であることは間違えない。

このようなコンセプトの評判がいいスピーカーを自宅でも鳴らしてみたくなった。狙いはこれ1本で濃いセンターと部屋中に広がる音場を得ることである。まずは現状のオーディオシステムに追加設置する形で、ポン置きで鳴らしてみた。

音源は聴き慣れたわかり易い幸田浩子/カリヨンを使った。

この状態でも明瞭なセンターと広がる音場は得られたが、気になる点も数々あった。
・冒頭のチェロの音がセンターから聞こえる。(右から聞こえるはず。コントラバスは右奥で鳴っていた)
・ソプラノの歌声がキツく感じ、張り上げて歌うところではうるさく感じる
・弦楽器の質感が乏しく、滑らかさを感じない
・全体的に音がボケ気味で明瞭さが不足している
・低音楽器の存在はわかるが、量感が不足している(これは仕様的にやむを得ないだろう)
気になる点のみピックアップしたが、歌声の質感や音の広がり方にポテンシャルを感じたので、セッティングを追い込むことにした。

追い込み方は、気になる点をつぶしこんでいくことから始める。音を聞けば対処方法も同時に浮かんでくるものだ。そして、土台の部分から追い込んでいくのが好ましいのも経験則となっている。

(1)全体的に音がボケ気味で明瞭さが不足している
⇒台としているスピーカーの下がカーペットでぐらつく
⇒カーペットと台の間にボードを追加

・この対策で音に明瞭さが出て来た。
・反面、箱鳴りのような付帯音を感じるようになった。

(2)箱鳴りのような付帯音を感じる
⇒スピーカー台とスピーカーの間に、フローティング型のインシュレーター追加

・箱鳴り風の付帯音が消えるとともに、音に滑らかさが出て来た。
・ソプラノが張り上げるところでのうるささも解消された。

(3)冒頭のチェロの音がセンターから聞こえる
⇒拡散パネルの影響が大きいと判断
⇒スピーカー位置を拡散パネルから離す(50mm程度移動)
⇒離しすぎても、近くなってスピーカーから聞える
⇒スピーカー下方の拡散パネルの撤去
⇒冒頭のチェロとコントラバスの位置関係がメインスピーカーの定位と近くなった

 

かなり追い込めたと感じたので、相対する調整用Discであるオルフェウスのカノンを聴いてみた。

この曲の弦楽合奏は、広がりや定位はメインスピーカーと近しいものだが、弦の質感が低い。ずっと聴いていたくなるような快感は出なかった。

低音の量感がないことは仕方がないとしても、音の質感は基本性能だと思えて行き詰まった。しばらくこの状態で聴いていたが、これでは他人に聴かせるレベルではないと思えた。そこで次の手を進めた。

(4)弦楽器の質感のレベルが低い
⇒タワシのスピーカーアースを設置

スピーカーアースを設置してすぐは、音がボケボケでNGかと思えた。だが、翌日聴いてみてビックリだった。音の明瞭さが増し、弦楽器の質感も良好だ。音がよくなったので、定位の微調整を実施した。スピーカーの位置をmm単位で動かしながら確認する。この段階で部屋いっぱいに音像を配置したメインスピーカーとほぼ同じ定位とすることが出来た。難を言えば、ときおり感じるピーク感だった。音がうるさく感じることがあるのだ。

(5)音がうるさく感じることがある
⇒fo.Qで共振対策の実施

スピーカー天板や高域拡散棒、土台部分など各種位置に大小厚薄のfo.Qを設置してみて共振個所を探した。やりすぎると響きがなくなり音が沈んでしまう。結果はスピーカーケーブル接続ターミナル部に細長いfo.Qの小片を設置するのがよかった。響きを殺さずに、うるさく感じる部分のみ対処出来た。

ここまででJOGOせんべい式スピーカーの初期セッティングは完了とした。このスピーカーの狙いである、濃いセンターと部屋中に広がるサウンドに聴き惚れる。難点はスピーカーとの距離をとって聴かないと、スピーカーから直接音が聞えて来てしまう点だろう。離れて聴けば、音像定位もメインスピーカーと同じになる。低音についてはこのスピーカー単独では物足りないが、その対処はサブウーファーの出番に取っておく。それにしても、この音の広がり方は尋常ではない。2chのスピーカーを何年もかけて追い込んで得られる立体音響が、数時間の追い込みで得られることが最大のサウンド・メリットだろう。今後はこの追い込んだ状態で、各種の音楽やシアターでの聴き込みを進めていく。

<番外編>
今回のスピーカーセッティングに使用した、手製のフローティング型のインシュレーター
・エソテリックのCDP:K03Xsを導入したときに、土台が固すぎて一旦外部に逃がした振動がダイレクトに戻ってきてしまう対策として考案したインシュレーターと同じ構造の廉価版
・100㎜角程度の平板をゲルでフローティングし、エプトシーラーで揺動を防止したもの

・今回は廉価仕様として平板を100均のMDF切り板(6㎜)を使い、ゲルは同じく100均のゲル(4mm)を使用
・エプトシーラー(10mm)は上下の荷重で圧縮して使用
・ソフト型のインシュレーターとなるが、フローティングして上下の振動を遮断し、微揺動させることでスピーカーユニットが起こす振動を逃がす構造
・平板をアルミ板、ゲルをαゲルとすると効果は高まる

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このスピーカーはいいですね。本文にも書きましたが下記が最大のメリットかと思います。
・省スペースで本格的なサウンドが得られること
・容易に立体音響が得られること
このサウンドなら、5本のスピーカーを使わずともサラウンド再生が可能ですね。ベルイマンさんに聴いてもらうのが楽しみです。音源によってはB&W802Dを超えます。

この音は多くの方に聴いてもらいたいと思ったので、出水電器の島元さんにもお声賭けしました。もし気に入って、出水電器の試聴室においてもらえば多くの方に聴いてもらえると思ったからです。

一番いいやつを試聴機に出されればよかったですね。

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エムズシステムのHPを確認しました。
確かにスピーカーの背面を対抗させる配置としては、波動スピーカーと命名されたスピーカーと同じですね。ですが、出てくるサウンドはBGMなんてものではありません。堂々とフルオケも鳴らします。

基本配置が同じなら同じスピーカーとするならば、世にある一般的なダイレクトラジエータ方式のスピーカーは皆同じになってしまいますからね(笑)

このスピーカーは本格的なオーディオサウンドです。実際の話、ベルウッド邸のメインスピーカーを超える音源は数多くあります。このあたりは試聴編に書こうと思ったのですが、古い録音(ナローレンジ)のジャズなどやピアノ・ソロなどは素晴らしいです。ベルウッド邸で鳴らないロックもガンガンにこなします。

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