目標に向けて段階的に機材を替えていく中継ぎとして、B&Wの804Sを導入します。スピーカー変更の感想がありましたので、要点をピックアップすると下記でした。
【ファーストインプレ】(当時のメモからの抜粋)
・サイズ的には、この部屋にはこの辺が限界かな・・・と感じる
・これまでに比べて高域、低域ともに素直に伸びてひずみ感のない自然な音になった
・大幅な低域の分解能の向上で低音楽器の存在感と音階までも読み取れるようになった
・左右の音場が大きく広がっていたものが、左右がミックスされた感触で音場が狭くなった
【原因】スピーカーの位置の追い込み不足・・・スピーカーが消えていなかった
【セカンドインプレ】スピーカーセッティングのつめ(当時のメモからの抜粋)
・スピーカーの存在を消すことで、スケール感と広がり感の不満は解消した
・ボリュームを上げてもうるさくならずに、躍動感があり聴いていて楽しくて仕方がない
振り返ってみると、新しいスピーカーの出音はよくなったものの、スピーカー位置の追い込みが出来ていない時点では、代替え前に対してよくなったとは言えずにいました。スピーカー位置の追い込みをすることで、新しいスピーカーの良さが出せたのです。
やはりスピーカー位置の追い込みは大事と実感します。ここで止めておけばよかったのですが。。。やっぱり802が欲しくなってしまったのですね。
これでチェックメイト!と思ったスピーカーを入れて、音を出して愕然とします。804Sから802Dに替えたら音が悪くなってしまったからです。問題は低音でした。804の低音でギリギリ耐えていた部屋が、802を入れたとたんに破綻してしまったのです。写真を見ると、大きなバスレフポートを塞ぐためにバスタオルをぎゅぎゅうに詰め込んでいる様子がわかりますね。ここからが地獄でした。
床や壁のいたるところが共振して圧迫するような音を出します。長く聴いていると気持ち悪くなるような感覚でした。唯一よくなったと感じたのが、ダイヤモンドツイーターの高音だけだったのです。
今でこそ、床や壁が原因でと言っていますが、その時はどこが悪くて、どうすればよいのかわかりませんでした。わかるのは低音が気持ち悪いということだけです。良さも悪さも、すべて音に出ます。だから音を聴いて判断することが大事なのです。
部屋を徐々に対策していきました。まずは壁です。
【壁対策】
諸々の対策がありますが、わかり易いのはリスナー背面の壁一面に板張りを追加したことです。この対策は、屋内の遮音と音響のために実施したものです。
壁の共振対策を最初に実施しました。この振動吸収子(レゾナンスチップを大型にしたようなもの)の効果は大きかったです。たったこんなもので・・・と驚くべきものがありました。
【振動吸収子の効果】(当時のメモからの抜粋)
・低域の再生時に、モヤモヤした感触がなくなる。合わせて量感は減る
・再生時の低域のSNが高くなり、低音もクッキリしてくる
・低域のSNが高くなると、高域が澄み、シンバルなどは空気中に舞い散る感じが出る
・オーケストラでは、全体に霞が取れたような感覚になる
床も補強しました。リスニングルームは1階ですが、ツーバイフォー工法の床は簡単に悲鳴を上げてしまったようです。スピーカーと家の基礎の間に片側3本の束を設置、電力機材の下にも1本づつ設置。その他床の板共振を抑えるために、計25本の束で補強しました。可能な限りスピーカーと他の機器や床面を縁切りするように配慮した設置です。
【床補強の効果】(当時のメモからの抜粋)
・これは、一言で言うと「スゲェェェ~!」と言うほどの効果があった
・低域が膨らんで、迫って来る感覚が乏しかったのだが、弩迫力で迫って来るようになった。低音が腹に響く
・ドボドボの低音を感じていたのだが、締まって来て聴き易くなった。加えて、中高域が綺麗になった
・苦手意識のあったピアノの低音もしっかり感が出て、音に芯がある
802を入れてから、ずっと悩まされていた部屋の共振です。これが床と壁の対策で解消しました。ここからが、802でのサウンド作りのスタートです。まずは音を悪くしている要素を取り除くこと。すると、少しの変更でも大きな音の効果を感じることが出来ます。これでようやく、理想の音に向けて電源と音響と振動対策でサウンドを作り込んでいくことが出来るようになりました。
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