自分のオフ会歴15年の中で、釈然としなかった諸々のことがスッキリとしました。?マークが飛んで、理解できずに絡み合った糸が解れて1本に繋がった思いです。GW相互交流2023は自分のオーディオライフにとって重要な出来事だったと思います。そこで得たもののエッセンスを記録しておくことにします。
バズケロさん(以下、バズさん)との相互交流は、2016年が最初だったと思いますので7年前となります。これまでも相互影響を感受し合ってはいたのでしょうが、今回はいつもとは様相が異なりました。バズさんの「目が怖かった」のです。これまではマイルドな印象でしたが、今回は「真剣なぶつかり合い」を感じました。そんなぶつかり合いから生まれた認識です。
①求める音は人生の蓄積から生まれる
相互交流の中で「求めている音の違い」を感じました。相対したのは「ライブハウスで聴くジャズの生演奏」と「コンサートホールで聴くクラシックの生演奏」です。バズさんは海外赴任時代にライブハウスで聴いたジャズが原体験となって、そのサウンドを求めているそうです。自分はウィーンで聴いたクラシックが原体験がとなって、そのサウンドを求めています。だからか、バズさんは「鮮度命」、ヒジは「サウンドステージ命」のような違いがあって、音の評価が異なっていました。
オーディオサウンドでは、バズさんは長年ジャズのモノラル盤を聴いて来られたとのことで、それが原点となっているようです。自分はモノラル盤を聴いたことはあっても楽しんだことはありませんので、ステレオが原点です。そんな違いがあってか、いくら「ジャズのモノラル盤がいいでしょ」と言われても、その良さをバズケロさん程には(ほど遠く)感じることは出来ませんでした。
◇求める音は人生の蓄積から生まれるものなので、相手が出している音を感度よく聴くには、その音に至った背景や経緯を知る必要があると思いました。とは言え、聴く方にその蓄積がないのでどこまで聴けるかはわからないのです。
②同じ音を聴いているようでも別な音を聴いている
オフ会の中での自宅への持ち込みDiscである「Great 3 Complete Sessions 1994」を聴いた時のことです。
再生をスタートすると、ピアノ演奏の菊池氏のウーワァ、ウーワァ、ウーワァと唸りながら演奏している音が耳に付いて音楽が楽しめませんでした。こんな感想を告げると、バズさんはジャズ演奏に耳がいって唸り声は殆ど聞えないとのことでした。同じ音を聴いても、アンテナが立った部分はよく聞くのですが、アンテナが立たない部分は聞えないのです。
同様なことがバズ邸でもありました。クラシックのチェロ・ソロの音源でしたが、自分は時折起こるチェロの響きが右に流れるのが気になったと感想を告げました。でも、バズさんは「それはない」と言って否定モードです。実際にリスニングポジションで聞いてもらっても「聞えない」と言われていました。ですが、ずっと気にしておられて、オフ会の数日後には聞こえるようになったとのことです。同じことが自宅でもありました。genmiさんから「ホルンの響きのアンバランス」を指摘されたので、リスニングポイントで確かめてみたのですが「聞えません」でした。
なぜそのような現象が起こるのか?原因を考えていたのですが、消去法から以下であると判断しました。「人はアンテナが立った部分をよく聞くため、人により聞え方は違う」「好きな音楽なら尚更に音楽の旨味を聴いており枝葉は聞えない」このためである。高音の聴力差による影響も疑ってみたのですが、オーディオを楽しめているのだから、響きが聞こえるか聞えないかほどの差はないはずなので、「同じ音を聴いているようでも別な音を聴いている」という結論に至りました。
③サウンド調整をする時は、「好きな音楽」と「好きでない音楽」の両方を使って実施する必要がある
サウンド調整とは、基本を押さえた上で、気になる部分をつぶしていく作業と考えています。その前提で、①と②の結果から「好きな音楽」と「好きでない音楽」の両方を使って音作りをする必要があると思いました。最悪なのは、自宅でよく鳴る、自分の好きな音源だけで音作りを進めることです。最終的な目的は、好きな音楽を聴きたいように鳴らすことですが、好きな音楽は、「音楽の旨味の部分しか聞いておらず」「聞えていない音が沢山ある」からです。音の確認は、「好きな音楽」と「好きでない音楽」の両方を使って実施しないと幅広い確認は出来ないのです。
ですが、好きでない音楽に聴き耳を立て続けるのは苦痛になるので、好きな音楽を自宅でゲストに聴いてもらって感想を求めるのは、サウンド調整を進める上で有効な手段だと改めて思いました。
④相互交流のススメ
どんなオフ会とするのかは、ホストとゲストの相互関係によるものですが、自分は建設的なオフ会を求めます。時にはお茶会もいいかもしれないですが、限られた時間と資金を使うことに(今のところ)お茶会の価値は感じていません。それに、社交辞令は苦手で感じたままの反応しか出来ないたちなので慎重になります。これまで失敗したことが幾度もあるからです。
だから尚更、建設的な交流が出来る相手を大事にしないといけないですね。「自分が作り込んで来たことを確認してもらうこと」「自分には聞こえていない部分の音を聴いて感想をもらうこと」。一方通行では得るばかりとなるか、与えるばかりとなってしまうので、相互交流を実施し「ギブ&テイクする」ことが大事かと思いました。狙いに応じて、相手を選別することも大事なことかもしれないです。
バズケロさんへ
自分にはジャズのモノ盤は聴けませんので、そこのところよろしくご理解ください(笑)
<オフ会の記録>
・前回はホストが大きな躍進をアナウンスしたがゲストとしてはマイナスすら感じた。今回は大きなアナウンスはなかったがゲストは大きな躍進を感じた。・・・ここに?が飛んだ。
・今回の大きな躍進がホストからアナウンスされていたが、ゲストはマイナスに感じた。・・・ハーベス部屋のことも合わせて、聴いている音が違うのではないかと感じた。ここにモヤモヤが残った。
・自宅で聴いてもらったが、ホストが感じている音の変化と、ゲストが感じる音の変化に違いがあることを確認した。・・・そこで深い話し合いが始まり、「求める音の違い」「聴いている音の違い」を認識した。
・第3者の音を客観的に聴き合っても感想が違うことを確認した。・・・「求める音の違い」「聴いている音の違い」の検証が出来たと共に「音作りのやり方の違い」も認識できた。
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ヒジヤンさん
ご無沙汰しております。
Lotus Rootsです。
大変興味深く拝見いたしました。
私も以前から人によって聴くポイントは全く違う事を感じておりましたが、細かな音についても指摘されれば分かると思っていました。
ただ、オフ会などでも他の人が分かって私にはわからない事も多くありましたので、この日記を拝見してなるほどと感じた次第です。興味のない部分はスルーしてしまっているのですね。
またその観点から好きでは無い音源を利用するというのも目から鱗です。
大変勉強になりました。
以前お伺いしたのは随分と前ですので、さらにブラッシュアップされたヒジヤンさんの音を聴かせてください。
なにとぞよろしくお願いいたします。
Lotus Rootsさん、お久しぶりです。
オフ会での個々人の聴きどころの違いと感想の違いは興味深いですよね。
自分が???が飛んだNo1はヴァイオリンの音の話です。
独自にツイーターを沢山つけていて、全てのケーブルにアルミホイールが巻き巻きとなっているお宅でした。
オーナーは、「あ~、いい音だな~」と言われています。
ヒジの内心では、「この世で聴いたことがないような不思議な音だな~」と思いました。
とかくハッキリ言い過ぎのヒジも、この感想は腹に収めました。
ですが、腹に収めるからいつまでもその記憶が残ってしまうのですね。
『王様の耳はロバの耳!』
言わないとフラストレーションが溜まってしまいますね。
Lotus Rootsさんに拙宅で聴いていただいたのは、5年以上前でしたね。
マーラー3連発の洗礼を受けてみますか?
よろしければ是非、聴いてみてください。
言いにくいことを感じた時にも、洗いざらい吐き出して行って下さいね。
そちらの洗礼もお待ちしています。
メッセージから連絡させてもらいます。
どうぞよろしくお願いいたします。