今まで気が付かなかった!との思いが湧く出来事でした。スピーカーからの音や振動による部屋の各部の振動は「音を濁す」との思いが強かったのですが、「音をよくすることもある」と感じたので日記にしました。
そう言えば、床はカチカチにするよりもある程度は柔として振動させた方が「低音の鳴りがいい」ことは常識的なことですね。
・自宅での話、床の柔さがウィークポイントとなり、「ボアボアな低音」に我慢が出来ずに床下に潜って束を25本入れた時のことです。その時は、束を入れて「低音がしっかりした」ことに満足していたのですが、ウィーンの楽友協会ホール(浮かし床)のサウンドを聴いて、「もっと床は鳴らした方がいい」と感じ、帰国した当日に再度床下に潜って束の張り方を緩めたことが思い出されます。
その他には、部屋の振動が「音に効く」と思う経験はなかったのですが、「部屋を綺麗に片づけたら音が悪くなった話」やら、音のために部屋の中に空き瓶を敷き詰めていたのは五味康祐氏だったと記憶しています。
反対に、普通の狭い部屋をオーディオルームとして活用している自分にとっては、「振動との戦いの歴史」でしたので、基本的に「振動嫌い」です。
・スピーカー置き部の床振動
・部屋中の壁鳴り
・オーディオ機器置き部の振動
・ヒーターなどの調度品の振動 など
部屋の振動は音を悪くするとの思いが強いです。ですが今回は、思いがけずに「振動が音をよくしていた」と思えることに巡り合いました。
最近実施した、部屋の反射音の調整です。吸音材に問題が起こりました。
<<左側前方の吸音材が落ちる>>
厚手の両面テープで固定しているのですが、右側の吸音材は何ともないのに左側の吸音材だけが落ちるのです。何度も落ちるので、そのたびに両面テープの面積を大きくし、今では右側の10倍くらいの貼り面積になってると思います。
なのに<<また落ちました>>
左右でこんなに違うのはおかしい?と思い、原因を考えたのですが「振動が原因」だろうと思いました。左のクローゼットの折れ扉がオーディオ再生の音や振動で共振するために、「両面テープに負荷がかかり、はがれ落ちてしまう」との推定です。
ならば対策は、クローゼットの折れ扉の防振だ!と思い、上の写真の折れ扉上部のところにクッション材を取り付け振動し難くしてみました。クローゼットですから、毎日のように開け閉めしますので固定は出来ません。あくまで、開閉に支障をきたさない範囲での防振を実施したのみです。
ところが、クローゼットの折れ扉の防振をした後は「音が悪い」のです。まさかこの防振が原因とは思いませんでしたので、スピーカーの焦点、機器の接続、電源のチェック、他の振動影響など、2日間に渡り確認したのですが、「音が悪いまま」です。
もしや!と思って折れ扉上部のクッション材を外したところ音が戻りました。音が悪くなったと感じた内容を、言葉で説明するのは難しいのですが、「豊潤さが失われた」感覚でした。
こんなこともあるものなのですね。左側のクローゼットの扉が振動することで「豊潤さ」を醸し出していたことになります。広い面と重い扉ですから、ちょうどサブウーファーのような働きをしているのか?と想像しました。そういえば、ウチの低音は狭い部屋なのに、しびれる音が出るんですよね。聴いたことのある方ならわかるかと思います。興味がわいたので、いろいろ試してみました。結果は下記です。
・写真の青線の部分はフリーにしておくのが音にいい・・・自由に振動させる
・写真のオレンジ線の部分は今よりも強くバネを持たせるようにクッション材を挟んだ方がいい・・・共振周波数を上げる
思いがけない「サウンド調整部位」でした。
おかげさまで、「音のしっかり感」が向上しました。ウキウキしてしまい、ソフトを取っ替え引っ替えしています。コンサートの日程が迫っているので練習に励まなくては・・・と思いながらも止まりません。贔屓目ですがマーラーがとてもよく鳴るんです。この音を聴いてもらいたいと思い、オフ会を2件もセットしてしまいました。思いもよらぬ拾い物でした。これだからオーディオは面白いですし、やめられませんね!
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ヒジヤンさん
遅レス失礼します!
とても興味深い日記です。
この日記に書かれていることの中で2点、最近実感しました。
①床に柔らかい部分があった方が低音の鳴りが良くなる。
②左サイドにある押入れの襖を閉め切るよりも開けていた方が音がスッキリする。
(これはヒジヤンさんのクローゼットの話とイコールでは無いのですが、同じような現象が起こったのではないかと推測)
②の話を進めます。
私なりの考察ですが、
押入れの襖をピッタリと閉めると押入れ自体は『箱』になります。
オーディオルームに隣接している大きな箱(押入れ)は共振して鈍くて遅い音を出します。
ですが、
襖を開けた場合は、押入れはオーディオルームに融合しますので、『箱』ではなくなり、変な共振が無くなるのだと思われます。
更に言うと、押入れを解放することによって部屋の左側が広くなり、低音の定在波のモードが良い方向に変化すると感じています。
オーディオルームの形状とスピーカー配置について私の考えですが、
①高音及び視覚的には部屋に対して左右対称でシンメトリーが良い。
②高音に関して、スピーカーから1m以内には反射する物が無い方が「音像が鈍らない」。
③低音は前後左右シンメトリーじゃ無い方が良い。
①と③の両方を満たそうとすると矛盾が生じてしまいます。。。
この矛盾を解消する技が「カーテンの設置」です。
川越ベースで言うと左サイドの押入れを隠すようにカーテンを付ける事です。
左右の同じ場所にそれぞれカーテンがあるので、資格的にはシンメトリー。
高音に関しても厚手の防音カーテンなので高音の吸収があり、②を満たしつつシンメトリー。
低音はカーテンを抜けるので③を満たす。
というわけです。
何が言いたいかというと、
ヒジヤンさん邸も左右の壁にカーテンを取り付けて、且つクローゼットの蛇腹式のドアを撤去した状態でどうなるか、めちゃくちゃ気になるーーーー!!
という事でした。笑
オーディオ的に部屋の体積が増えて良さそうですしね。
い、いかがでしょうか?
(恐る恐る)
CENYAさん、コメントありがとうございます。
私のオーディオの基本的な考え方は下記です。
・職人オーディオとなれ!
・頭でっかちになるな!
すべての判断は聴感を優先すべしです。
大体において、「原理主義」とか主張しているお宅で、いい音を出しているのに出会った試しがないです。
これはAuro3Dさんのブログに書き込んだことですが、
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オーディオは頭でっかちではなし得ない、絶対に耳での判断が必要と言うのが私の考えです。
悪い順に、
①理屈だけで捉えるオーディオ
②耳だけで捉えるオーディオ
③理屈と耳の両方で捉えるオーディオ
もちろん両方必要なのですが、優先すべきは耳で聴いた結果です。なぜならば、理屈として解明されていないことが山ほどあるからです。
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まあ、こんな職人気質です(笑)
ですが、オーディオも仮説検証の連続ですね。この時に理論がなければ仮説が作れない。だから、理論を学ぶことも大事と思います。
ですが、頭でっかちなオーディオをやっていると、自分が知っている知識が「正しい」と思い込み、「そう思って聴くから、そう聴こえている」のだろう?としか思えない場面に何度も遭遇しました。
このようなことを回避するために、自分が実行していることは主に下記です。
・自分がよかれと思って試したことは「否定してかかって聴け」
・試す場合は複数案を用意して対比すること。オリジナル:A案:B案・・・・
・同じ条件で比較できる評価のものさしを持つこと(これが幸田浩子とカノンです)裏を返すと聴感だけに頼るな!です。
さて、ご提案の内容ですが、試したことがあります。すでにクローゼットにカーテンもついていますよ。右側はカーテンもカーテンレールも外しました(笑)