神奈川フィルがいつにも増して歌っていた。指揮者の役割の大きさを感じたコンサートでした。
みなとみらいホールのRB/LB席は、音が好みに合うのでお気に入りです。しかも神奈フィルの定期演奏会では、この位置がB席扱いなのでとてもリーズナブルなのです。今年度は定期会員になろうと試みたのですが、人気があるため年間予約は出来ませんでした。だから、チケットの救済サイトで探して向かったコンサートです。
今回は、2階席LBブロックの3列中央でした。3列目は3階バルコニーが被って来るのでどんな聴こえ方になるのかと一抹の不安を抱えながら座りました。
聴いた結果は何ら不満はなかったです。このブロックの3列目は今後のコンサート選びの射程範囲となりました。
見え方は、ヴァイオリン群が見切れ方が1列目と比べて大きく感じましたが許容範囲です。
聞こえ方は、1列目と比べて大きな違いはなく、やや響きの割合が多くなる感覚でしたが、こちらも許容範囲でした。音量面も問題なかったです。
神奈川フィルみなとみらいシリーズ定期演奏会第401回
<指揮・Vnソロ>コリヤ・ブラッハー
<演奏曲>
・ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.61
・チャイコフスキー/交響曲第5番ホ短調Op.64
今回のコンサートで指揮者の役割の大きさを強く感じたのは、後半のチャイコフスキー交響曲第5番でした。この曲は学生オーケストラが好んで選曲するため、何度となく聴いて力をもらってきました。学生たちの、練習してきた成果を懸命に演奏する様子に、生涯1度になるかもしれない発表の場で演奏する姿に心打たれた経験が幾度もありました。第1楽章での重苦しい感覚から、何度とない浮き沈みを経て、最後は勝利を手にするような曲想が若者たちが好む理由ではないかと感じます。指揮のコリヤ・ブラッハーは、この感覚をプロのオーケストラから引き出しているように感じたのです。奏者の力を引き出し全体の力としてまとめ上げている様に感銘を受けました。終演後の歓声の大きさもいつにも増して大きかったです。
今回指揮を実施したコリヤ・ブラッハー氏は、1993年にベルリンフィルのコンサートマスターとしてデビューし、ヨーロッパではソロの活動や近年では指揮者としての活動を活発化させているとのこと。日本での指揮は、今回のチャイコフスキー交響曲第5番がデビューとなるとのことでしたが、今後を注目をしていきたいと思いました。
コンサートの後のお楽しみは、自宅でのオーディオタイムです。
ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲 ファウスト&アバド Harmonia Mundi CD
協奏曲はオーディオで聴く優位性がありますね。コンサートもよかったのですが、今回の位置で聴いた感想はソロとオケの音量バランスがオケが勝っていたことや、弾き振りではチャイ5ほどオーケストラを盛り上げきれなかったためか、大きな感動は得られませんでした。そんな点をオーディオでの聴き直しは補ってくれます。ムフフと思いながら聴けることはマニア冥利につきますね。ただ、今回の位置で聴くティンパニーの鮮烈さはオーディオでは味わえなかったです。
チャイコフスキー/交響曲第5番 ガッティ&ロイヤルフィル Harmonia Mundi CD
この音源はお気に入りのチャイ5盤です。中々気に入る音源が見つからずに、次々に購入した中での決定盤としていたので、も・し・や・・・と思い期待して聴いたのですが、感動した生演奏の前に出る幕がなかったです。まあこんなものでしょうか、でなければわざわざ生演奏を聴きに出かける甲斐がないですからね。
一期一会の感動はよいです。コンサートでの感動を味わい、マニア冥利な楽しみも味わえたよき日でした。
<参考:オーケストラの編成と配置>
ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲
チャイコフスキー/交響曲第5番
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