USBのアイソレーションとリクロック:I2S、グランドと信号、スーパーキャパシタ

日記・雑記
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このレポートはPCレンダラーからUSB経由でDACと通信している環境で、USBをアイソレーションした結果です。さらにUSB DDCでリクロックしてI2S over HDMIした結果もレポートします。私の環境は マイルーム をご覧ください。

USBケーブルはメタルである上に、信号線(D+, Dー)と電力線(+)が同居しグランド(ー)が共有のため、信号線と電源線・グランド相互に誘導障害を起こしやすい欠点があります。レンダラーからのノイズにMHz帯のUSB信号が加わります。

最も簡易でローコストなアイソレーション方法は、メタルLAN同様にパルストランス(絶縁トランス)経由することです。ADUM3160/4160はパルストランス内蔵1.5Mbpsと12Mbps対応アイソレーション素子で、PCM24bit/96kHzまで。コストは千円台からです。

USB2.0対応480Mbpsのものは、USB信号リクロックなし、リクロックあり産業用、リクロックあり医療用の順に数千円から数万円になりますが、それに従って伝わるノイズも減っていくことにより歪みが消え音色も澄んでいきます。その副作用として低音が弱くなり音が痩せることがあります。

USBアイソレーション機能に加え、レンダラーからのPCM/DSD信号をリクロックしてDACに渡すUSB DDCも数万円からありますが、電源由来と思われるキャラクターが乗ります。外部10MHzマスタークロックを入れたとしても、内蔵PLL同期回路が受けるその機種固有の電源ユニットの影響の方が大きく、ブラインドではクロックの違いが判別できないくらいです。クロックでキャラクターが変わるのではなく強調されるように感じました。

I2S over HDMIは複数のLVDS信号3.3Vとグランドに電源5Vの計19ピンもあるメタルで、ノイズ耐性はUSBより劣るくらいです。長さ30cmでもスリムケーブルでは歪みが増えるように感じました。このメタルケーブル経由のDDCノイズがキャラクターの本性なのかもしれません。
(注意:I2S over HDMIは共通規格化されておらず、ピンアサインは各社異なるため互換スイッチが付いています。個体差か相性か、同じピンアサインでも他社DACでは音切れするDDCがありました。)

ネーメ・ヤルヴィ指揮、エーテボリ交響楽団、リーリャ・ジルベルシュテインのピアノでグリーグの「ペール・ギュント 組曲 第1番&第2番」を、Album PlayerからDiretta光回線経由しI2S over HDMIで再生してみます。

S/Nと解像度向上はもちろんですが音場はスピーカーの外側まで、上下左右手前奥行に広がります。歪みを感じなくなりいわゆるスピーカーが消えた状態となります。
スーパーキャパシタ(電気二重層コンデンサ)にGaN充電器という速い電源の組み合わせでは、ダイナミックレンジが拡大しトランジェントが鋭くなり、音色は柔らかいのに力感は生演奏並みに感じます。

DDCから光SPDIFでDACに入れると完全にアイソレーションされてたいへん円やかな音になります。反面、刺激や迫力が失せた眠い音になり、ジャズやロックはとても聴けたものではありません。私はあえてADUM3160経由でUSBノイズを残し、PCM1794AとOPA627AUで70年80年代の音色にしています。
(追記:USB DACの電源もGaN充電器PD12V3Aにしてスピードとパワーを加えました。ADUM3160でUSBノイズが減ったことによる迫力減退を補うような意味あいです。)

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