クラシック再生には専用室も応接室も同じDAC AK4499EQで音合わせしていますが、6種類のPCMフィルタがありそれぞれ音色が異なります。分電盤からアナログアンプ専用ラインを引きデジタル段からの電源ノイズを追放できたためでしょうか、この音色の違いが明確に分かるようになりました。スイッチング電源のノイズ対策についても記します。
マイケル・ティルソン・トーマス指揮、サンフランシスコ交響楽団演奏による、ストラヴィンスキーのバレエ音楽「春の祭典」1996年9月、サンフランシスコ・デイヴィス・シンフォニーホールでのライブ録音。晩年のストラヴィンスキーと直接の交流があったティルソン・トーマスの会心作で、音質はたいへん良く、大植英次のHDCD「シェヘラザード」並みのダイナミックレンジがあります。
Album Playerでフル画面表示しているのは再発の「火の鳥」とのカップリング盤ですが、私が持っているのは「ペルセフォーヌ」を加えた初発の3枚組です。再発はリマスターされて迫力が減ったというアマゾンレビューがありましたが、とにかく凄まじい打楽器です。「ハーリ・ヤーノシュ」でもこれだけパワフルなグランカッサのCDは知りません。弦楽器は優しく美しく、最弱音では30dBAくらいでしょうか、打楽器最大音量は100dBAを超えますからダイナミックレンジは80dBA近くあると思います。
この迫力と優美さ、ライブらしいステージ配置での各楽器と会場の再現、これらに最適なPCMフィルタは?
インパルス応答では極めて緩やかな高域減衰特性の Super Slow(≒NOS)が原音再生に思えるのですが、大音量ではエイリアスノイズらしき歪みが耳に付きます。急峻な Sharp 系2つはステージも会場も狭くなるように感じて好きではありません。新しい Low dispersion は Harmonic Sound と解説にあるように響きが多く、楽器の定位が不鮮明になります。Slow は何か輪郭がぼけるようで物足りなく、Short Delay Slow が解像度も響きもちょうどよく感じられました。
応接室でジャズ・ロック再生に使っているDAC ES9038PROも群遅延のない Slow Linear にしています。フィルタ開発の苦心と音質変化については、以下の説明を参照してください。
旭化成エレクトロニクス より良い音質を求めて – デジタルフィルターと音質 –
Direttaとイーサネットの設定は以下の通りです。FS x Depth(パケットサイズ)と伝送・受信バッファを減らして解像度を上げました。
スイッチング電源の100V側ノイズフィルタは単純に延長コードとフェライトクランプです。Gan_PDのように直接コンセントに刺すタイプは必ず3m以上で容量1500W、太くて静電容量の大きい延長ケーブルのメス側をクランプで挟み、DC側は出力プラグ近く受電機器直前でコアに1~3回巻き付けています。
同じコンセントやタップに複数のスイッチング電源を差すとノイズが直結倍増しますから、酷いときは受電する機器がエラーを起こしたりします。
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MacWinFanさま、お久しぶりです。
遅い返信となりますが、デジタルフィルターと音色については、当方のAVレシーバー(SC-LX901)ではSharp Short Slowの3種類が選択可能で、導入当初はイマイチ効果が分かりにくかったのですが、最近はそれなりに音色が違って聴こえます。
Slowは音が単調になるため滅多に選択せず(音源でたまにハマるモノもあり)、SharpかSlowを選択していますが、取扱説明書にも技術的な説明は「プリエコーを取り除くことで音の輪郭が・・」くらいで、どのモードがどのような処理になるのか言及されていません。
今回の記事の本文中に記された「旭化成エレクトロニクス より良い音質を求めて – デジタルフィルターと音質 -」を拝見しました。
https://velvetsound.akm.com/jp/ja/stories/meister/meister-tutorial01/
インパルス応答波形も掲載され参考になり、当方の機材のデジタルフィルター効果も類推できましたので大変ありがとうございました。
たかけんさん、はじめまして。。。だと思います。
お使いのAVレシーバーのDACはESS SABRE32 UltraDACですね。高域の減衰が急峻なSharp (=fast)と緩やかなSlow、群遅延の少ないShort (=Minimum phase fast roll-off) ではないかと。音源やスピーカーでデジタルフィルターの印象が変わるので、お好みで切り替えてくださいというのがメーカーの説明です。
MacWinFanさま「初めまして」ですね。大変失礼しました。
説明書まで添付していただきお手数をお掛けしました。
そうなんです・・メーカー説明で「お好みで切り替えてください」と言うのは存じていましたが、今回の返信の内容や波形図があると、感覚的にも納得して切り替えられ助かりました。
デジタルフィルターによっては折り返しノイズなど盛大に発生しますが人間の耳では中々聴き分けることが困難で、かと言って一点の曇りもないピュアな波形になる理想的なフィルターだから素晴らしい音質と言う訳でもなく、実際にスピーカーを駆動して部屋の空気を伝わり人間の鼓膜を振動させての判断なので中々難しいかと思っています・・(汗)